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ワールドオーダー  作者: 河和時久
旅立ち編
15/70

15:巣

 俺は自分の部屋に戻り今日の分のカードを引き忘れていたのを思い出し引くことにした。


「ドロー!」


 俺の目の前に6枚のカードが現れる。これは見えない無限の山から6枚同時に引いてきているのだろうか。そんなことを考えながらでてきたカードを確認してみる。


No040UC:疾風怒濤 荒れ狂う水流を発生させる。


No047UC:座標爆破 対象の現在位置を爆破させる。


No059UC:無声無臭 対象の音と臭いを消す。攻撃を行うと効果は解除される。


No062UC:光学迷彩 対象を透明化する。攻撃を行うと効果は解除される。


No066UC:再度取得 カードを6枚捨てて再度6枚ドローできる。


No118C:夜目遠目 暗いところでもよく見えるようになる。



 なかなかよさげなのがでた。


 40は水流っていうと津波みたいなものがでるんだろうか。荒れ狂うって書いてあるからどんな勢いなのか分からないが相当勢いがあるんだろう。でも平地で使っても相手を押し流すだけな気がするが……


 47は現在位置となってるから恐らく起動後に避けることができるんだろう。ガードしてその場にじっとしてたら爆発するとかえげつない。知ってるやつには当たらないだろうが、不意打ちで使うならまず必殺の部類だろう。攻撃以外にも邪魔なもの壊したりとかいろいろと使えそうだ。用途は破壊だけだろうが。


 59は音と臭いを消すのか。62と組み合わせることによって完全なステルスモードになれるということか。某蛇の人も捕食者の宇宙人も真っ青だな。


 しかし気配に反応するようなやつが相手だと通用しないのかな。あまり過信は禁物だ。後、検証が必要だが音を消した状態でカードの発動ができるのかどうか。効果が空気の膜のようなものを張って振動を伝えなくなるというようなものなら問題なさそうなんだが……検証すること多いなぁ。


 66はまさかのリドロー!? いらないのを捨ててまたドローできるのか、これは便利だ。しかも回数制限とか書いてないから何度でもできるということか。しかし優秀なカードが多すぎていらないカードの選択が難しいな。しかし今はカードの種類の把握が先決だから、いらなそうなのがたまったらすぐ使ってみるか。


 118は暗視スコープみたいな物かな。光量調節は自動で行って欲しいなぁ。


 とりあえず今日でたのは攻撃系だけ出しておいて後はしまっておくことにする。ちなみにとっさに使いそうな攻撃系や強化系、補助系のカードはズボンのポケットに予め入れてある。結構ポケットの部分はぴっちりとしたジーパンなので逆立ちでもしないかぎり落ちることはないだろう。


 さて、これからのことを考えよう。まずはいろいろとカードについての実験、検証を行いつつ1人で王都で依頼を受ける。これはおっちゃんにずっと世話になるわけにはいかないから確定事項だ。それにギルド長のじいさんに多少は顔が利くというのも利点だ。しかしランクあがると目立つからあんまりあげたくはない。一応一人前といわれてる銀くらいまではあげておこうか。


 問題はその後の目的とか、なんにもないことなんだよなぁ。本当なら金はあるから家立てて引き籠もりたい。しかしゲームもネットも無い世界で引き籠もりとか俺には無理すぎる。3日持たずに飽きる自信がある。そうなるとまずはいろいろと経験を積むことから始めないとな。

 いろいろとできるようになったら世界中を回ってみるのもいいかもしれない。さっきの話でどっかに迷宮があるとかいってたし。そのためにはまず自分のスキルの把握とスキルに頼らない自分自身の強さをあげるという2つを考えないと。

 スキルの把握は時間を掛ければなんとかなるとして、自分自身の強さをあげるというのは、なにも方法が思い浮かばない。

 

 単純にトレーニングするだけでいけるんだろうか。でも身体補正のせいで肉体的なスペックは、すでにかなりあがってしまっているはずだ。

そうなると残りは技術。誰かに弟子入りするのが一番手っ取り早いだろうがこの年で弟子入りとかしたくないな。


 そもそも人の下について従うとか、もう地球でさんざんやってきたから誰の下にも付きたくない。まぁ師事するのと下につくのはまた別物だろうが上下関係ができてしまうのがいやだ。師事した人がだれかの下についていたら、結局その人の下に付くのと変わらなくなる。師事する以上その恩に対して応えなければならないからだ。なんとか独自で技術を磨く道を探すか…とりあえず気配の感じ方とか探り方とか、その辺りの技術はおっちゃんに聞いてみよう。そう思って下に降りるとすでに夕食の準備ができていた。

ミリーはいないので恐らく大事を取ってまだ部屋で安静にしているんだろう。


「おうキッド、丁度良かった。今呼びにいくとこだったんだ。飯だぞ」


「おっちゃんちょっと聞きたいんだけどスキル無しで気配探る術ない?」


「一応あるにはあるぞ? スキルほど正確なものじゃないけど」


「後で教えてくれ」


「いいぞ」


 夕食後、気配探知のやり方を教えてもらう。どうやら気配探知は気力を使うのと魔力を使うのと2通りあるらしい。気力は全ての生き物にある生命力のようなもので本来は自分自身の中にしかないらしいがそれを周りに広げることによりその中にあるものを探知できるんだとか。薄い膜のようなものが広がるイメージでっていわれたけどよく分からない。その辺は要修行らしい。もう1つの魔力を使った方もやり方としては同じで気力ではなく魔力を使う方式でこちらのほうがこの世界ではメジャーなやり方なんだとか。でもおっちゃんは気力方式での探知しかできないらしい。スキルがあるので特に使わないけど覚えておいた方がいいとのことで気力探知を覚えたんだそうな。ちなみに教えてくれたのはギルド長のじいさんらしい。ギルド長……やっぱり顔が思い出せなかった。つるっぱげで顎髭が白くて長かったことだけ覚えている。


「しかしそんなに強いのにそんなことまで身につけようとするなんて、お前は本当に新人とは思えないくらい慎重だな」


「俺の国にはこんな言葉がある。石橋を叩いて壊す」


「それどんな意味だ?」


「石でできた丈夫な橋でさえも叩いて強度を確認しながらじゃないと渡らないってことだ。そして確認しすぎて橋が壊れて渡れなくなる」


「それただ橋を壊しただけだろ!!」


「それぐらい慎重に行動するってことさ」


 そんなことをいいながら今後についておっちゃんと話し合う。


「とりあえず、次にランドさんが戻るときにいっしょに王都にいって、しばらく一人で経験を積むことにするよ」


「そうか。まぁおまえなら大丈夫だとは思うが……あんまり無茶なことはするなよ」


「たまにおみやげもって遊びにくるよ」


「おう、いつでもこい」


 とりあえず出発するまではゴブリンの事も気になるし調査がてら森で1人修行でもするか。


 そして部屋に戻り、気や魔力を感じないかと座ったまま目を瞑っていたらそのまま寝てしまっていた。

起きたらまた朝4:30だった。俺の体内目覚ましは正確すぎるな。そして忘れないうちに今日の分を引いておくことにする。


「ドロー!」


 でてきたカードは


No006SR:盗賊之手 対象の任意のスキルを盗む。盗んだスキルはEXカードにして使用可能。EXカードは所持しているだけでそのスキルを使用可能となる。但しデッキから取り出してなければならない。EXカードをデリートしない限り相手から該当のスキルは除外される。


No053UC:威力倍増 次に使用する魔法の効果を2倍にする。但しR以上には効果は適用されない。効果のあるカードが使用されるまで永続する。


No055UC:魔法封印 対象の魔法を封じる。対象が直前に使用した属性の魔法が使用できなくなる。


No069UC:鏡花風月 一度いったことのある場所の現在の映像をみることができる。


No135C:震天動地 前方に衝撃波を発生させる。


No147C:応病与薬 あらゆる毒、病気を予防する薬を作り出す。飲んでから1日は毒、病気にかからない。すでにかかっている異常に対しては効果無し。


 SRきたああああああああ!! すげえよなんか虹色に輝いてるよ! 俺のLUKさんマジぱねえっす! しかもこの能力……チートにも程がある!これはやばい。他にこれ使えるやつがいたらやばすぎて泣きたくなるくらいやばい。対人戦無敵じゃねこれ……


 しかしこれは超強いスキル持ってるやつから取らないと損だな。使う相手をよく選ばないと……でももったいなさ過ぎて使えない!! これは罠か! もっといいスキルがあるかもって悩んでずっと使えないという。しかし書かれてないがEXカードを持ってる間は他のカードが使えないという制約とかあるかもしれない。じゃなきゃチート過ぎるからなこれ。しかしSRって最初の1枚でこれとか、他の引くのが怖いぞ……大陸毎吹き飛ばす魔法とか普通にでてきそうだ…胸が熱くなるな! 一応、他のカードも結構よさそうだし確認してみよう。


 53は倍加か。UC以下にしか使えないにしてもかなり使えるだろう。これもいっぱい欲しいな。回復2倍とか火の玉2倍とか超使えそう。やっぱ火の玉2倍はやばいか。今の最弱のやつが直径20mとかになってしまう……


 55はいわゆる魔法封じだな。直前の魔法とはいえその属性全部封じれるのはかなり高性能だ。継続時間にもよるが永続と言うことはないだろう。永続だったらやばい。魔導師がいったい何種類の属性を使えるのか知らないが大抵これで対魔導師戦はかなり有利に戦える気がする。もう有利というか一方的な展開になりかねない……


 69は相手からこっちが見えないし会話もできないならTV電話としては使えないな。一方的にのぞけるだけか……覗き見し放題ということか……この世界はたしか一応貴族なら風呂に入るらしいからな。城に忍び込んでお風呂を見てくるか。いやこのスキルとは全然関係なくただの社会見学だけどね!王族がどんな風呂に入ってるかの確認だよ!それ以上の意味はないからね!と、誰にともなく言い訳をしてみる。


 135は一応攻撃系か。衝撃ならガードできないから浸透勁のように内部を破壊するのに使えそうか。鎧きたやつには良さそうだな。


 147は予防薬か。1日毒や病気にならないってすげえ高性能だな。ただこれで治る訳じゃないみたいだから毒を受けそうな依頼の前に飲んでおけということか。これは毎日飲めば健康だな。超高性能な青汁みたいなもんか。まずかったらどうしよう。


 おっとそろそろ朝食の時間だな。そいえばインスタントラーメンがあったはずだからおっちゃん達にご馳走して感想を聞かせてもらうか。フォークの使用感もいっしょに。


 そうして俺はインスタントラーメンとフォーク、そして俺用の割り箸を持って下に降りた。

下に降りると、ミリーと奥さんがすでに料理の準備をしていた。


「おはようキッドさん」


 ミリーが元気に挨拶してくる。どうやらもう元気になったようだ。


「ミリーちゃん体の調子はどう?」


「すっごくいいよ! もう絶好調! それにね、昔からあった傷まで無くなってるの!」


 見て見てといって服を捲ってお腹を見せてくるが、はしたない真似はよしなさいと奥さんに怒られていた。


 ミリーは幼い頃にお腹に怪我をして、その傷跡がずっと残っててそれが気になっていたらしい。どうやらそれも一緒に消えてしまったそうだ。完全回復恐るべし。よかったねとミリーの頭を撫でると気持ちよさそうにじゃれてくる。猫みたいでかわいいな。


「奥さんこれ俺の故郷の即席料理なんですが、よかったら食べてください。熱湯に3分ほど入れるだけでできますから」


 そういってインスタントラーメンを渡す。


「まぁ、ありがとうございます。ではお昼はこれにしましょう」


「ええー、今食べたいー」


「お昼までまってね」


 だだをこねるミリーをよそに奥さんはラーメンを持って行く。そうこうしてるとおっちゃんが帰ってきた。寝てるのかと思ったらどうやら外出していたようだ。


「昨日の今日なんでな。一応朝早く見回りに行ってたんだよ」


 どうやらゴブリンを警戒して見回りにいっていたようだ。帰ってきたばっかりでよくやれるな。さすが元ハンターだけのことはある。


「それでどうだった?」


「特に異常はないな」


 やはり昨日のゴブリンはどこかから突発的に現れたものなのか?拠点でもあるのなら火の玉で殲滅するんだが。


 朝食後、ミリーに昨日ゴブリンに遭遇した場所について聞く。一応、確認にその場所に向かってみることにする。おっちゃんは村でゴブリンについての対策会議があるらしい。継続的にくるのか突発的なのか分からないのにどうするんだろう。まずは調べてからだと思うんだが。まぁ対策については早いに越したことはないのでいいか。どっちにしろ来たときのことなんだから。


 そうして俺は森に向かった。赤毛に会わないように警戒しながら。会うとなにいわれるかわからないしな。


 ミリーの説明はお日様の方にまっすぐというアバウトにも程がある説明だったがなんとかミリーの襲われた場所についた。我ながらよくたどりつけたと感心する。現場がなぜここだとわかるかというとゴブリンらしきものの死体があるからだ。身長150cmくらいの不細工な小鬼といった感じだろうか。角はないが。

 死体を見ると焼けこげた跡が多々見られる。魔法でもくらったのだろうか?そいえば炎姫とかいってるくらいだからあの赤毛は炎使いなんだろう。剣もってるけど魔導師なのか剣士なのか…しかし焼けただけでなくどうもいろいろと食われた後がある。これは魔石を抜かずにすぐにミリーを運んでくれたおかげで残った魔石を狙った他の魔物に魔石を食われたということだろうか。それなら運んでくれた赤毛達には感謝しないとな。

 そのままいろいろと現場を調べてみる。……うん、何にもわからない。ハンター初心者の俺に何か分かるわけがない。特になにか原因の手がかりになるようなものも見あたらない。サーチカードもないしこれ以上ここで調べられることはなさそうだ。帰るか。俺なにしにきたんだろう。


「あー!!」


 なんか聞き慣れた五月蠅い声がする。振り向くとこちらに指を指した状態のシェルムがいた。


「あんた、こんなとこでなにしてんのよ」


「現場検証。そっちこそなにしてるんですか?」


「私達は護衛といっしょに受けた依頼に行くところよ」


 [栄光の道]のメンバーが勢揃いしていた。これは好都合。一応釘を刺しておこう。


「ところでみなさん。オーガについての件ですがおっちゃんから聞いてると思いますが私のことは他言無用にてお願いしますよ」

「なんでよ? 有名になれるのよ?」


「では聞きますが、俺がオーガを倒したといって、それを知ったら周りの人達はどうすると思います?」


「え? そりゃちやほやするんじゃないの?」


「はあー……」


 俺は心底だるそうな顔でため息をつく。根はいい子なんだろうけどね、この子。


「恐らくそれを知った奴らの行動は、まず俺が本当に倒したのか疑いを持つ。そして俺を目の当たりにしたらまず見た目から弱いと判断して襲ってくるでしょう。そこで強いと判断されたら今度は倒して名をあげようとしてまた違うやつが襲ってくるでしょう。つまりそんな馬鹿がわんさか寄ってくるって事です。いちいちそんな馬鹿共の相手をしているのは時間の無駄以外の何物でもないんです。しかもそいつらは1人2人倒したら終わりってわけじゃない。それこそ無限に湧いてくるんですよ。だから俺のことは言わないでくださいね」


「言ったら?」


「どこにいようと必ず探し出して……生まれてきたことを後悔させてあげます」


 にっこりと笑うとブンブンと分身するほど勢いよく首を振ってシェルムは頷く。他の人達をみるとわかったよと同じように頷いていた。


「それはよかった。死なないように調整して長く苦しめるのってなかなか難しいんですよね」


 そういうとみんな顔が青ざめていた。もちろんそんなことはしたことがない。よっぽど怒らせるようなことをしない限り今後もそんなことしないと思う……たぶん。


「それでは依頼、頑張って下さい」


 そういうと俺はその場を後にした。とりあえずあの赤毛達は本当に偶然ミリーを助けてくれた可能性が高いな。それが分かっただけでもよしとしよう。

 そして俺は誰もいないすこし開いた場所で周りを見渡す。誰もいないことを確認した後にカードを取りだし地面に置いた。置いたカードは


No120C:夏下冬上 火種を作成する。


 そしてカードから10m程離れた所で起動してみる。


「120セット!」


 カードはうんともすんとも言わない。そしてそれを5m、3m、1mとだんだん距離を近くしながら繰り返すがやはり反応がない。

 30cm程離れた場所で立ち止まりそこから足だけを徐々に近づけて試してみた。すると足がカードから10cmの所まで近づいた時、カードはライターのような火を発生させた。これは肉体から10cm以内にカードがあれば起動するということだろうか。


 もう1枚カードを取り出し、次はそのカードに30cm程の木の枝で間接的に触れながら起動させてみた。しかしカードはなんの反応も示さなかった。やはり直接肉体からの距離が関係しているようだ。次にセットと唱えずに念じてみた。やはり反応しなかった。やはりこれは喉を潰されたら終わりということか。今度はとても小さな声でセットといってみた。カードから水が溢れ出てきた。ちなみに使用したカードは


No121C:冷水生成 冷たい水を生成する。


 水はどんどん溢れてでくる。30秒程経過すると水が止まりカードが消えてしまった。地面にこぼれてたのでわからないがおおよそ20リットルくらいだろうか。

 カードの所持枚数自体がまだ少ないので検証はこれくらいにして、おっちゃんの家に戻ることにする。家に戻ると丁度昼食のようだった。

 奥さんがインスタントラーメンをスープの入れ物に入れて出してくれた。もちろん一緒に渡したフォークも付いている。


「キッドさんこれはどうやって食べるんです?」


「これを使ってこう巻き付けるようにして、後は音を立ててズルズルとすうように食べると食べやすいですよ」


 そういって俺はフォークを麺に巻き付けるようにして食べた。みんな真似をして食べると……


「こりゃうまいな。お湯だけでこんな旨いもんができるのか」


「おいしい!」


 どうやら好評らしい。音を立てて吸うのが難しいようだったが。


「森はどうだった?」


 食事が終わるとおっちゃんが唐突に聞いてきた。


「とりあえずゴブリンらしきものの死体はあった。原因とかまでは全くわからないけど、あの姫さん達は本当に偶然助けてくれたみたいだ」


「そうか。一応会議ではしばらくの間、夜の見張りを増やすってことで落ち着いた」


「俺も見張りに立とうか?」


「村の者でもないのに見張りなんてさせるかっ!って言いたいところだが人手が足りなくてな。手伝って

くれるなら助かる。お前なら万が一なにかあっても1人でなんとかできそうだしな」


「了解。やるときに呼んでくれ。部屋で気配探知の練習してるから」


「わかった」


 そういって俺は部屋に戻りじっと己の中の力を感じることに集中する。ぼんやりとだがなにかがつかめそうな感じはしている。しかし曖昧な感じがして気力なのか魔力なのかがはっきりとわからない。元々魔力も気力もよくわからないんだから仕方がないんだが。

 とりあえずこの家にいる他の人の気配を探ることにした。1階に奥さんがいるはずだからそれをまず探せるように集中した。


 3時間経過した。無理だった。うっすらとだがなんとなく何かいるっていう感じはわかるようにはなった。しかしやはりはっきりとはわからない。やはり他人ではなく自分の周りにある気というものから感じるべきだろうか。そうして今度は自分の中の気を意識して探すように集中してみた。


 2時間が経過したところでなにか熱い光のようなものを体の奥に感じた。目を開けるとうっすらと、そしてぼんやりと自分の体の回りになにかがあるのがわかる。これが気力なのか魔力なのかわからないが一応何かをつかめたようだ。今度はそれを意識して広げるようにイメージしてみる。


 さらに2時間が経過したところでなんとかこの家の中くらいなら何となくだがわかるようになった。まだぼんやりとだが。そうしてると何かの気配が近づいてくる。小さい感じがするのでミリーか?


「キッドさん、夕食の準備ができたよ」


 どうやら当たりのようだ。だんだんコツを掴めてきた。手応えを感じながら下に降りて夕食を頂く。


「キッド、今晩見張りお願いできるか?」


「かまわないけど、夜通しなのか?」


「あぁ、明け方には交代が来ると思うが、今晩は俺と2人で見張りだ」


 どうやら森のある村の東と南を1人づつ見張るらしい。


「1人づつだと居眠りしたら誰も気づけなくないか?」

「だから定期的に場所を交代するんだ」


 なるほど。お互いの見張りも兼ねている訳か。2人とも寝てたらどうするんだろう。村の東にいくと櫓が立っていた。


「おーい、交代だ」


 おっちゃんが声を掛けると青年が降りてきた。最初にこの村に来たときに入り口にいた青年だ。


「おっ兄ちゃんが今日の見張りか? 頼んだぜ」


「わかりました」


「じゃあ俺は南の方にいくから。2時間で場所交代だ」


「了解」


 そうして俺は櫓に上った。上には鐘と毛布と金属の棒があった。なにかあった時はこの棒で鐘を叩けということか。

 辺りを見回すと朝ならいい景色なんだろうが、すでに暗くなっているため真っ暗でなにも見えない。電灯等なにもないため、明かりといえば村の入り口に松明が明るくなっているのが見えるくらいだ。

俺は毛布を羽織り村の外を見張りつつ気配探査の練習を始めた。目を瞑ると寝てしまいそうなので目は開けたままだ 集中していると下から誰か上ってくる気配がある。見るとおっちゃんだった。どうやら2時間たったらしい。


「場所交代だ」


 そうして俺は南の櫓に向かう。そしてまた同じように気配探知の練習をする。そんなやりとりを夜が明けるまで繰り返した。


「おつかれさん」


 明け方、知らない青年と見張りの交代をするとおっちゃんと合流して家に戻った。


「ご苦労だったな」


「何にもなくて良かったよ」


「これが続けばいいんだがな」


 そんなやりとりをしつつ家に入ると、奥さんが朝食の準備をしていた。


「お帰りなさい。朝食できてますよ」


 まだ早いのにすでにできているとはさすが。できる嫁っていいな。


 朝食後、部屋に戻り寝ることにする。さすがに徹夜はきつい。若い頃なら1日や2日の徹夜なら何の影響も無かったんだが。寝る前に忘れないようにカードを引いておく。でたカードは


No042UC:岩石召喚 指定座標に岩を召喚する。


No057UC:一騎当千 対象は一定時間あらゆる攻撃を受け付けない。効果終了後10分間カードが使用できない。


No079UC:特製付与 対象に指定されたカードの効果を付与することができる。生物には無効。対象に触れてリリースのワードでカード効果を発動できる。使用された指定カードは付与された時点で消滅する。UC以下のカードのみ対象可。


No085C:水中呼吸 水の中でも呼吸ができる。


No099C:時限毒煙 黒球を作成する。黒球は一定時間後に破裂し猛毒のガスを発生させる。


No109C:対象拘束 対象を拘束する。


 さすがにもうSRはでないか。眠気に負けそうになりながらもカードを確認していく。


 42はそのまんまだな。場所によっては自分がペチャンコになりそうだから注意しないとな。


 57はまさかの無敵モードか。しかし10分間カードが使えなくなるのは痛い。できればあまり使いたくはないな。リスクがでかすぎる。


 79はカードを持たなくてもカードの効果をなにかにつけられるということか。これは非常に便利だ。つけるカードによっては奥の手になり得る。

 ペンダントなんかにつけて普段からそれをつけてればいざというときにも対応できるな。そうなると付加するカードの選択が大事になってくる。やはりそのためにもカードの種類を集めることが最優先事項だ。


 85は……これどっかで見たことあるんだよなぁ…なんか最後なのに最後にならない物語で没になったなんかで見たような…まぁ水中で息ができるってのはなんとか水中でもカードが使えるかもしれないってことだからいいか。あれ?でも水中に入る前にこいつ使ってないとダメだからあんま意味無くないか?


 99は完全に虐殺用だよねこれ!? 俺にどうしろと……


 眠気が最高潮に達したのでカードを全部ポケットに入れて俺はそのまま眠りについた。



















 昼過ぎ。気持ちよく寝ていたのに、おっちゃんにたたき起こされた。


「なんだよいったい」


「大変だ。ゴブリンが巣を作ってるらしい」


 どうやら先ほど依頼から戻ってきた[栄光の道]のメンバーが、森でゴブリンの巣を見つけたとのことらしい。緊急で村で会議が開かれるので俺にも出て欲しいとのこと。


「えーやだよ。俺が会議に出て何の意味があるの? 大々的に能力がばれてるんならわかるけど、村人からしたら俺はただの銅1の新人だよ? 会議で何言えって言うんだよ。ここで寝てるから結果だけ聞かせてよ。別に手を貸さないって言ってるわけじゃないんだから」


「それもそうか。わかった、じゃあ行ってくる」


 そういっておっちゃんは出て行った。手を貸すのはいい。でも例えば会議で俺が1人で殲滅してくるといって誰が信じるのか? まぁ赤毛や[栄光の道]の人達なら信じるかも知れないが、村人からしたら何いってんのこいつ?って感じだろう。こんな会議で課程なんか聞いてたってしょうがない。結果だけ聞いて後はどうするかを決めればいい。それにそんな場所にいったら赤毛に会う可能性が高い。ていうかあいつらまだ城に帰ってないのかな? そんなことを考えているうちに俺は再び眠ってしまった。


「おい、キッド、起きろ」


 再びおっちゃんに起こされた。日が高いことからあれから時間はそんなに経っていないようだ。とりあえずおっちゃんに会議の結果を聞く。

 赤毛達はすでに王都に帰ってしまったそうだ。その帰り際にも赤毛はなぜかうんうん唸ってずっと考え事をしていたそうだ。まだ考えてたのかあいつ。


 [栄光の道]の人達の報告によるとゴブリンの具体的な数は分からないが、普通ゴブリンの巣は最低でも100匹以上の集団とのこと。村から半日程南に進んだ所にある洞窟らしきところに住み着いているそうだ。村人達もその場所を知ってるが、先月にはそんな所にゴブリンはいなかったそうなので、まだ住み始めたばかりのようだ。


 とりあえず村の決定としてギルドに討伐依頼を出すとのこと。王都までいくため、最低でもハンターの到着は1週間は掛かる。その間に襲われる事を考慮して、[栄光の道]の人達を一週間程この村の護衛として雇う。


「以上、こんなとこだ」


 報告を聞いて俺は考え込む。まず、なぜいきなりゴブリンがそんな場所に巣を作ったのか? 村を見つけたから? それならいちいちそんな離れた所に巣をつくらないで村を直接襲うだろう。これが動物ならわかる。餌がないとか天敵が来たとかそんな感じで移動するだろう。だが餌がいらない魔物の場合はどうか? 魔物がどうやって増えるのか知らないが増えすぎたために移動した? 餌がいらないならすぐ近くに住むところ作るよな…そうなるとより強力な何かに追われて逃げてきたという可能性が考えられる。そう仮定するとそのやばいやつのその後の行動が気になる。元々そのやばいやつは


1,単にゴブリンの居た場所に住み着いただけ。


2,ゴブリンを餌として見ている。


 この2つが考えられる。1なら問題ないが2の場合がまずい。ゴブリンを殲滅したらそのまま巣に帰って行くのか、それとも新たな餌を求めて移動するのか。新たな餌場として村に来られたらまずい。あの熊みたいなやつだったらランクにもよるがハンター諸共、村が全滅する可能性が高い。

 2の場合、ゴブリンが居ても居なくてもどっちにしろ村に来るときは来るのでゴブリンの警戒をしなくて言い分、ゴブリンは殲滅しておいたほうがいいか。まぁこれはそのやばいやつがいたとした場合の仮定だが。


 そもそもゴブリン100匹が村を襲った場合に[栄光の道]の人達だけでなんとかなるのか? この間、戦っていない2人の力量を知らないけど100匹はきついだろう。あのおっとりさんが広域殲滅の魔法でも持ってるならなんとかなるかもしれないが。と、なるとやはり村の安全のためにはゴブリンの巣は駆除しておいたほうがいいだろう。


「おっちゃんはその洞窟って知ってる?」


「ああ、昔何度かいったことはある」


「そこっていろんなとこに出口とかある?」


「いや、外と繋がってるのは出入り口の穴1つだけだったはずだ」


 俺はいろいろと思考を巡らせる。


「おっちゃん、巣、つぶしに行くよ」


「できるのか?」


「まぁできなかったら逃げよう。一応手は尽くしてみるよ」


「わかった。いつ行く?」


「今からいけば夜には着くよね?できるだけ早いほうがいい」


「それじゃ準備してすぐ出発しよう。一応村長にだけは報告しておくぞ」


「わかった」


 そうして旅の準備を整えた後、俺達はゴブリンの巣へと向かった。途中何かに襲われるようなこともなく目的地に着いた。未熟な気配探知で何かがいることは分かるが真っ暗なためよく見えない。


「118セット」


No118C:夜目遠目 暗いところでもよく見えるようになる。


カードを使うとまるで昼間のようにはっきりと見えるようになった。巣は崖の下のような場所にポッカリと穴が空いておりそこの入り口にゴブリンらしき人影が3人程いる。見張りだろうか。


「ゴブリンは夜目が利くが別に夜行性ってわけじゃない。夜は寝てるから大半のゴブリンは中にいるようだ」


 つまり今、入り口の見張りをやってしまえば後は好き放題というわけか。例のカードは効果時間が分からないから、いざというときに使いにくそうなんでここで一度使ってみるか。まぁ攻撃するから時間は分からないだろうが。


「おっちゃん、俺が一番左のやつを倒したら、その隙に一番右のやつを倒してくれ」


「わかった」


 そして俺は2枚のカードを取り出した。


「59セット」

「62セット」


No059UC:無声無臭 対象の音と臭いを消す。攻撃を行うと効果は解除される。


No062UC:光学迷彩 対象を透明化する。攻撃を行うと効果は解除される。


 どうやら59で音を消してもカードは使えるようだ。まぁ使えなかったから解除もできないし大変だしな。姿を消し、足音も臭いもさせていないはずだが慎重にゴブリン達の後ろに回り込んだ。

そしておっちゃんからみて一番左のやつの頭を全力で殴った。まるでトマトのように簡単につぶれてしまった。

 その次の瞬間反対側の端っこにいたゴブリンの頭に矢が刺さった。驚いている最後の一匹の懐に潜り込んでそのまま腹を殴った。

 ゴブリンはお腹を抱えくの字に折れ曲がった。そのまま頭を両手で押さえてくるっと捻った。ゴキン!とゴブリンの頭は半回転してそのままゴブリンは動かなくなった。人型の生物を殺しても特になんにも感じることは無かった。俺はこんなにタフな精神してただろうか。

 疑問に思いつつも分かることなど無いので、そのまま辺りを警戒しつつ巣の入り口に向かった。

スキルのおかげで中は鮮明に見えるが穴が斜面になっているためゴブリンの姿は見えない。


「一応中に全部いるみたいだ。外には見あたらないな」


 おっちゃんにスキルで確認してもらった後、俺は仕事を始める。


「99セット」


No099C:時限毒煙 黒球を作成する。黒球は一定時間後に破裂し猛毒のガスを発生させる。


 すると黒い球が現れる。つかんでみるとゴムのボールのようだ。それを入り口から少し中に置いた。


「40セット」


No040UC:疾風怒濤 荒れ狂う水流を発生させる。


 とたんに台風の時の川の増水のような、もの凄い勢いの水が流れ出てそのまま黒い球を奥まで運んでいった。奥の方でゴブリンらしき悲鳴が聞こえてくるが水は勢いを増しどんどん出ている。1分程だろうか。水がようやくとまった。


「42セット」


No042UC:岩石召喚 指定座標に岩を召喚する。


 俺は入り口に向けていうと、全長30mはありそうな巨大な岩が入り口を塞いだ。これは岩というよりはもう岩山だ。


「後は入り口から離れたところでしばらく見張っていよう」


「なんかもうお前一人で軍隊でも相手にできるんじゃないかと思えるんだが」


「今の俺じゃまだまだ軍隊相手は無理だなぁ」


 広域殲滅のスキルでもないかぎり無理だろう。そのまま俺達は少し離れた場所で巣を見張った。少し経ったところでおっちゃんがスキルを使って確認したところ、洞窟の中に生物の反応はなかった。水だけでいけそうだったな。毒は一応保険で使っておいた。他に使い道が無さそうだったから。


「99デリート」


 毒の効果がどうなるかわからないので毒だけは念のため消しておいた。ずっと残ったままだった場合に危険だからだ。


「一応念のため、崖崩れでも起きたことにしてこの岩はそのままにしておこう」


「なんか明らかにサイズがおかしい気もするが」


 崖の半分以上の大きさの岩がいったいどこから崩れて現れたのかは永遠の謎だろう。


「ところでこれってハンターに出した依頼はどうなるの?」


「もう連絡用の馬をだしちまったからな。普通に受理されてハンターが送られてくるんじゃないか?」


「これってどうなんだろ。依頼達成になるの?」


「依頼内容がゴブリンの殲滅だからなるんじゃないか?100匹討伐とかだと証明に魔石が100個いるけど、殲滅なら依頼人を連れて行っての確認でいいからな。崖崩れだろうがなんだろうが用はゴブリンがいなくなりゃいいんだ」


 なら今回依頼を受けたやつはずいぶんとラッキーだな。何にもしないでも依頼達成とか。一応これで村の当面の危機は去ったはずだ。仮定通りやばいやつが襲ってこなければ。俺達はそのまま朝まで休んだ後、帰路についた。


 昼すぎに村に着くとなにか騒々しい。何事かと見てみると……赤毛がいた。見なかったことにして俺はおっちゃんの家へと向かった。

 家に着くと奥さんが出迎えて食事を用意してくれた。一応おっちゃんの家族にはゴブリンの殲滅をしてくることはいってある。食事をしているとおっちゃんが帰ってきた。律儀に赤毛の話を聞いてきたらしい。おっちゃんは真面目だなぁ。


 要約すると昨日王都へと徒歩で戻ったが、その途中で村からの連絡の馬に遭遇、そしてそのまま急いで村へ折り返してきたのだそうだ。元気だなぁ。

 食事を終え、俺は部屋に戻った。体がなんか夜勤明けのように怠い。日課のドローを行い、カードをポケットにいれてそのまま寝ることにした。


 寝ようと思った所でドタドタと階段を上がる音がした。ノックも無しに扉が開くとそこには……赤毛がいた。


「ゴブリンの話は聞いているな?」


「突然なんですか一体」


「退治にいくぞ」


「いってらっしゃい」


「貴様も来るんだ!」


 何を言っているんだろうこの赤毛。


「なぜです?」


「貴様はオーガを倒すほどの腕なんだろう? しかも今回の件は他人に力を誇示するようなものでもなく、村の安全のためだ。力を出し惜しみする必要もないだろう」


 言ってることはまぁ正論だ。もう行く必要がないことを知っていなければ付いていくだけいったかもしれない。


「なぜ私が村のためにそんなことをしなければならないんです? 私は別にこの村の人間じゃありませんよ?」


「きさまはこの家にやっかいになっているそうだな。ゴブリンに襲われてこの家の者がどうなっても良いのか?」


「良くはないですが、襲われたらその時はその時でしょう。それは自然の流れというものです」


「貴様!」


 赤毛は俺の胸ぐらを掴んで持ち上げた。苦しい。


「はあー、わかりました。行ってもいいですが条件があります」


「なんだと?」


「あなた方全員、俺がオーガを倒したこと、倒せる実力があるということを他人に言わないで貰いたい。

この条件を飲むのなら付いていってもいいです」


 赤毛はしばし考え込んだ後に


「いいだろう。シグザレスト第一王女の名にかけて約束をしよう」


 やっぱり王女様だったかこの赤毛。行くのは面倒なだけだが、こいつらの口を止められるのならいいだろう。この赤毛はもう口止めもできないと思っていたから好都合だ。ていうか王女様がこんなとこで何してるんだと問いたい、問い詰めたい。


「では行くぞ」


「今すぐかよ!」


 思わず敬語も忘れて突っ込んでしまった。


「村に被害が出てからでは遅いだろう」


 この姫さんは真面目なだけなんだろう。一応、国民のためを思って行動しているようだし、政治の世界には向かないだろうが上に立つにはいい人材だろう。

 汚い大人のやりとりは優秀な部下にやらせて、こいつは綺麗なままにしておけばいい指導者になれるだろう。まぁ体のいい御輿にされるのがオチだろうが。


 下に降りるとすでにおっちゃんが準備をしてくれていた。すでに予想していたんだろう。


「お前も大変だな」


「なら代わってくれよ」


「代われるもんならな」


 ガハハと笑うおっちゃんをにらみつつ俺は荷物を受け取り外に出た。またあんなとこまでいくのかよ。

赤毛達はすでに準備ができているらしく、俺達はそのまま出発した。




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