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勘違い
作:宝玉


「お帰り、遊戯」
「ただいま、恵梨」
 遊戯とあたしは同居している。ただひとつの理由、「いとこ」という理由だけ。

 あたしは遊戯が二重人格だって事を知っている。遊戯のことなら何だってわかるとおもう。遊戯と杏子さんが付き合ってるんだってことも・・・。あの二人はもともと仲がいいから。
 あたしはいつだってやさしい遊戯が大好きだった。一人ぼっちのとき、何にもいわないで抱きしめてくれたね・・・。雷のなる夜に、一緒に寝てくれたね。あたしはその「暖かいぬくもり」が小さい頃から大好きだった。


けれど・・・
遊戯のことを考えると、杏子さんといっしょのほうがいいのかな?なんて、たまに思ってしまう。
まだあたしは小学5年なのに対して遊戯は高校2年生。背の高さは同じくらいなのに、どうして心はこんなにも離れてるの?
 悲しいよ、悲しいよ・・・遊戯。ってのはあたしの勝手な思い込み。



「どうした、恵梨。お前らしくないぜ?」
 遊戯、か、顔が近いよ。
「ななななんでもないよ、遊戯」
あたしは、高まる鼓動と赤くなる表情を抑えられなくなった。
「どうしたんだ、本当に。顔が赤いぜ」
 遊戯はあたしのおでこに自分のおでこをくっつける。なななにしてんのョ遊戯! は、恥ずかしい。
もう、遊戯の体温すら伝わってきて、倒れそう。
 ・・・ほ、本当に倒れる? もう限界です。



「おい、おい!大丈夫か、恵梨!」
 目が覚めると、そこはベッドだった。遊戯が運んでくれたのかな?
 こんなにやさしいひとを、やっぱりあきらめられないよ・・・。よーし、こ・く・は・く・!
「遊戯、話があるの・・・」
「なんだぃ?」
「あのさ、杏子さんと付き合ってるの?」
「?」
 ・・・ああああああ! 言いたくない言葉を言ってしまった! 遊戯は、なんて答えるんだろう。
「付き合ってないけど。なんかあるのか?」
 うっしゃ、一安心だよ。
「あたし、ね」
「?」
「ゆ、遊戯がすきなんだ!」
「何・・・言ってんだ!」
「へ?」
 もしや、他に付き合ってる人がいるとか・・・?
「そういうこと・・・」
 元からあたしに勝ち目なんて合ったのかな?
「お、おい、泣くなよ・・・」
「っ・・・ううっ」
「おまえさあ、勘違いしてるだろ?」
「へ?」
「俺も、お前が好きだよ、恵梨」
「遊戯・・・」
 あたしは、涙をぬぐって遊戯に抱きついた。
「遊戯、一緒に学校、途中まで行こうよ」
「ああ、いいよ」




     続く・・・














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