「??宮野さんだ・・・」
夜もふけ始めた頃、僕の携帯電話がなる
「もしもし?」
『・・・・あの、宮野です。えっと・・・武藤先輩に相談があって・・・』
「良いけど、どうしたの?」
電話の相手は部活の後輩の宮野さん。何か大きな問題なのかいつもより声が沈んでいる。
側に妹がいるのでベランダに出る。
『実は、もうわたしは仮引退なんですけど3年が引退した瞬間、1、2年生がまじめに練習していないみたいで・・・・それに、同じパートの後輩なんですけど副部長でパートリーダーがまじめにやってないって話もあって・・・・京太・・部長もお手上げなんです・・・それでどうしたら良いかなって』
「どうしたらってどう言う事?」
『仮引退したからあまり口出しないほうがいいのかどうかと思って・・・』
僕も去年経験した。けど後輩が練習をしてないと聞いた時に僕は何も言わず様子を見るほうを選んだ
けど、今回は副部長だし・・・・少し考えつつ空を見上げると綺麗な満月が浮んでいた。
「うーん・・・先輩離れする時期でもあるんだけど・・・・副部長でパートリーダーがやっていないのは返ってしかったほうが良いかもしれないね。そう言うことできるのは君だけなんだから」
僕は浮んでいる月を見ながら答える。電話の向こうでも暫く沈黙。
『・・・・・・・そうでしょうか?』
「まあ、最終決定は君がしなよ。叱るんだったら、しっかりやらないとね。練習しないんだったらそれなりに反抗心もあるはずだから」
『そうですね・・・・でも暫く様子見ます。まだはっきりした証拠もないし、京太も何とかしてみますって言ってましたから』
「うん、様子見も良いかもね。小暮部長に期待しよう。上手くいけばこの先部活は安泰だし」
『・・・上手くいけばいいんですけど・・・・でも、小暮に掛けます。じゃあ、もう遅いんで切りますね。あ、相談に乗ってくれてありがとうございます』
「ううん。また相談があればいつでもどうぞ」
『はい。では』
そう言って宮野さんは電話を切った。僕は携帯を閉じて、暫く月を見つめ、
「果たしてどうなるかな。小暮君はしっかりしてるときはしっかりしてるんだけど」
独り言に聞こえない独り言を言い、また月を見つめる。
月明かりを見つめながら。
「兄さん、早く中に入れって。風邪引くよ」
「判った」
妹に呼ばれ、部屋の中に入る。
電気の消えた部屋の中、部屋に入っても月は僕の事を照らしていた。
私は電話を切る。
そして電話している間ずっといた自分の部屋の窓の縁から体を出して月を見上げる。
体を出すと言うか、縁に座り足を外に投げ出す。
窓際は月明かりでほのかに明るかった。
「小暮次第・・・・か・・・・賭けてみよっと」
独り言に聞こえない声で独り言を言って、月を見続ける
私の事も月はほのかに照らしていた。
月は平等に2人を照らしていた。 |