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セーブ&ロードのできる宿屋さん ~カンスト転生者が宿屋で新人育成を始めたようです~ 作者:稲荷竜

十七章 アレクサンダーの生誕

227/249

227話

 憧れるのは古いゲームの主人公。

 彼らには自主性がなく、彼らにはモチベーションがなく、それでいて彼らは当たり前のように世界を救う。
 言われるまま旅に出て、先々で頼まれるお使いをこなして、大した決意もなく命懸けでダンジョンに挑んで――負ければ『セーブ地点からやり直し』。

 理想的な人生だ。
 特にモチベーションがないあたりに共感できる。

 夢のような毎日だ。
 どこに行こうとも用意されている『お使い』は、よだれが出るほどうらやましい。

 たどり着く結果も素晴らしい。
 言われるままに、自主性なく、機械的に命を懸け続けて――あっというまに英雄だ。

 迎えるエンディング。
 画面に映し出される平和になった世界。
 それぞれの人生に戻り、それぞれのその後を過ごしていく仲間たち。

 主人公はその光景を見てどう思うだろうか?
 よかった、と思うのか。
 安心した、と胸を撫で下ろすのか。
 寂しくなるな、と哀愁を噛み締めるのか。
 ひとしきり複雑な感情をもてあまして、自分も他の仲間のように新しい人生を始めようと『主人公』ではない未来を思い描き――

 そして主人公は気付くだろう。
 ゲームが終わって、すべてを達成したあと――

 どうやって生きればいいのか、わからない自分に。
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