前回のあらすじ
なのは「枕投げはしませんでした」
はやて「なぁ、なのはちゃん。なんで枕投げなん?」
なのは「お泊りって言ったらこれなのかな、って思って」
梓「ちょっと、なのは!お泊りってどういうことよ!?」
なのは「えっと、奏君が私に話があるって言って、でももう遅かったらお泊りになったの」
梓「ソウちゃんこれどういうことよ!!」
奏「いや、そのまんまの意味だ」
はやて「なんや、奏君わたしの家から帰った後そないなことしとったんか」
梓「な、なんですってー?!ちょっとソウちゃん!どういうことよ!!」
奏「いや、どういうことってそのまんまの意味だ」
梓「私の家には泊まりに来ることも、寄ることもほとんどしてくれないのに!!」
奏「いや、だって用事なんてないだろ?」
梓「私はあるわよ!!」
フェイト「ひとまず本編始まります」
第13話 最後のジュエルシード争奪戦
第13話 最後のジュエルシード争奪戦
4月も終わりに近づいているというのにまだ肌寒く、霧が立ち込める早朝の街中を奏は歩いていた。
その肩に座るのは言わずと知れた半身、ロンギヌスことローズ。
ローズは1人溜め息をつきながら自らの主の様子を窺っていた。
その心中を知っているからこそだろう、余計深くなる溜め息に、つかれた本人である奏は苦笑いしながらローズへ視線を向けた。
「やっぱり気に入らないか?」
「当たり前だ」
間髪入れずに答えたローズは、その肩から離れると中空に浮遊しながら奏の眼前に漂いさらに言葉を紡ぎだす。
「別に主がそこまでやってやる必要などあるまい?」
第一現状でも危険だというのに、と恨みがましい視線を向ける。
その冷たい視線、というよりも咎めるような視線に奏も小さく溜め息をつくと解ってるよと呟いた。
「これが俺のエゴだってのも理解してるし、世の中にはもっと不幸な目に遭っている人もいるって知ってる」
例えばそれは飢餓に苦しむ人々。
例えばそれは病に苦しむ人々。
例えばそれは争いに巻き込まれた人々。
例えばそれは全てを見失い絶望してしまった人々。
「俺1人のちっぽけな力じゃその全てを助けることも出来ないし、その全てを助けたいと願ってもそうやすやすと叶えられるような願いじゃない」
「・・・・・」
「でもな。せめて俺は、俺の知る人ぐらいは助けたいと、幸せにしたいと、思ってるんだ」
「・・・例えそれが"押し付ける幸せ"であっても?」
その言葉に一瞬顔を顰めるも奏の願いは変わらない。
例えそれが自分勝手な"幸せ"の形だったとしても、これが"偽善"と呼ばれる行為だったとしても。
その心情を察したのかローズは「そうか」と呟き再び奏の肩に腰掛けた。
2人の間に再び沈黙が訪れる。
しかしそれは先ほどまでの沈黙とはまた一味違ったもの。
覚悟を決めた者が己の意思を固持するためのものだった。
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なのはは同じ部屋に異性が居たためか、上手く眠ることが出来ず結局朝も本来では在り得ない時間に目を覚ました。
普段のなのはであれば朝に弱い、というスキル(?)で8時すぎになるまで起きてくることもないが、ふと手元のケータイを確認しそこに表示されている時間をみて溜め息をついた。
表示されていた時間は5:20分。
気持ち程度に開けられた窓辺から差し込む光や風、そして聴こえる鳥達の囀りが春ののどかな1日の始まりを演出している。
・・・窓なんていつ開けたんだろう?
そしてふっと気付く。昨夜と比べ部屋の雰囲気が微妙に違うことに。
その違和感を確認するためベッドの下で寝ているはずの奏へ顔を向けると、そこには誰も居なかった。
慌てて視線を彷徨わせると部屋の隅には綺麗に折りたたまれた布団が目に入り、続けて自分の机の上に置かれている小さな置手紙に気付くと慌ててそれを手に取った。
『なのは、ユーノへ』
出だしにそう書かれていた小さな置手紙は間違いなく奏が残していったものだと確信出来た。
普通の人であれば宛名にフェレットのユーノの名前を書くわけがない。
そんなことを考えながら手紙を読むと次第になのはの目が見開かれていく。
「ユーノ君!ユーノ君!起きて!!ねぇ、ユーノ君!!」
「ぅぅ?・・・?!」
寝ていたユーノをまるで握り潰さんばかりに両手で掴み上げ、ブンブンと振り回すなのは。
振り回されるユーノ、見ていて非常に哀れである・・・が、この場にそれを咎めるものは居ない。
「な、なの・・・ぐぇ・・・」
「起きて!ユーノ君!大変なの!奏君が、奏君が!!」
ユーノは最初に握り締めた時点ですでに目を覚ましていたが、なのははそれに気付かない。
例え相手がフェレットだとはいっても顔色が悪くなっているのがよくわかった。
これは非常にヤバイ状況だが、寝起きで少しパニックになっているなのはから瀕死のユーノを救出するのは困難を極める。
ご冥福をお祈りしておこう。
「なの、は・・・わかった・・・わかったから・・・」
ちッ。
なんとかなのはに届くよう声を絞り上げるユーノ。
しかし神は残酷である。
「ユーノ君!大変なの!奏君が1人でフェイトちゃんを探しに行っちゃったの!!」
よほど焦っていたのだろう、なのはは手加減なしでユーノのことを握り締めた。
「ぐぇえ」
「ユーノ君?!」
その言葉を最後にユーノの意識は途絶えた。
なお、そのことで再び眠ったと勘違いしたなのはがさっきよりも激しくユーノを振り回し、ユーノの回復がさらに遅れたのはまた別の話である。
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「ジュエルシード、封印」
木々が鬱蒼と生える森の中、奏は本日何度目かの封印を行う。
「ローズ。これで何個目だ?」
「これで合計11個。高町なんとかが5個、黒い少女、フェイトだったか?が4個。残るジュエルシードは1個のみ」
投げ渡された手に入れたばかりのジュエルシードを危なげなくキャッチしたローズが数を読み上げる。
すでに日は高く上り、本来であれば奏も小学校へと通わなければならない時間だが、今日は学校をサボりジュエルシードを集めに専念することにしたためこうして森の中を歩いている。
始めに落ちてきたその時にすべて回収してしまえばよかっただろうに、と悪態をつくローズを奏は苦笑いすることで切り抜けた。
幸いにもその時ローズが全てのジュエルシードの魔力を感知し、記憶していたためこうして1日に何個ものジュエルシードを発見出来ている。
「っていうか、高町なのは、な。なのは。ちゃんと覚えてないと後で酷い目に遭うぞ」
「ふん・・・。あんな小娘、高町なんとかで十分だ」
非常に機嫌が悪い様子のローズ。思い当たる節はいくつもあるが、しかし現状どうしようもない。
「・・・最後のジュエルシードは?」
「・・・。ここから南西に10キロ行ったところ。発動までは程遠いようだが」
何か気になることでもあるのだろうか、ローズは神妙な顔で言葉を止める。
「ならさっさと回収しちまおう。そしてアイツのところに行かなきゃな」
そんなローズの様子に気付きつつも奏は先を急ぐために歩み始める。
向かうはそのジュエルシードの場所。
「・・・」
ローズは無言でその後に続く。
その先に待ち受ける"ある可能性"に危惧しながら。
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「フェイト、今日はあの人のところに報告しに行くんだろ?」
アルフはソファーに座りながら何やら忙しなく動く自分の主に問いかけた。
その体にはもうほとんど傷はなく、人の姿になって胡坐をかきながら自分の主を見つめている。
本来であればアルフも何かしようと思うのだが、過保護(?)なフェイトの言いつけでこうしてじっとしている。
しかし耳や尻尾がぴくぴく動き、『動いていたい!』という気持ちがひしひしと伝わってくるようだった。
「うん。・・・でもその前にちょっとお土産を買いに行きたいんだ」
はにかみながら答えるフェイトにアルフは愛しさから笑みを浮かべ、その目的が誰のためかを考えると悲しさと、悔しさに顔を顰めた。
「それじゃアルフ。ちょっと買い物に行ってくるから、留守番お願い」
「・・・はいよ」
そういってフェイトは家から出ようとした、その時――――
「ッ?!」
「フェイト!!」
一瞬感じた気配にアルフはすぐさま体を強張らせたフェイトの側に駆け寄る。
今のは間違いなく―――
「・・・。アルフ、行こう。ジュエルシードだ」
「もちろん!今度はあんなヤツに負けないよ!!」
アルフはまだあの魔導師に一瞬で負けたことを気にしているらしい。
幸いにもバルディッシュは夜通し修復作業を行っていたため、すでに修復は完了している。
フェイトはいつもの黒いバリアジャケットに身を包むと人目につかないよう空を飛ぶ。
こうして最後のジュエルシード争奪戦が始まろうとしていた。
流歌「ドンドンドン、ぱふーぱふーぱふー。流歌ちゃんのお役立ちコーナーにようこそ」
奏「姉さん。思いっきり台詞棒読みだね」
流歌「・・・でもこれはこれで楽しいかも」
奏「そう・・・なのか?まぁ姉さんが良いって言うなら別に良いけど」
流歌「(カンペ)このコーナーは今までこの話に出てきた各オリジナルキャラクターの設定をややネタバレチックに紹介するコーナーです。・・・だってさ」
奏「いや、ネタバレはだめだろ?」
流歌「でもカンペに・・・」
奏「それでもダメなものはダメ」
流歌「・・・奏のいじわる」
奏「いや、そんなこと言われても・・・」
梓「でも流歌さん。オリジナルキャラクターって私とソウちゃんしか居ませんよね」
流歌「そうだよね」
奏「いや、あとローズもいるだろ?」
嵐「ヒャッハー!!俺様を呼んだか!?小僧!!」
奏「お前は本編に出れるかも解らないくせに・・・やけに最近出てくるな」
流歌「(カンペ)お答えしよう!それはこの先の話の見通しが少しずつ出来てきたからなのさッ!・・・だってさ」
奏「姉さん。いくらカンペに書かれてるからってそういうことは言っちゃいけない」
流歌「でもカンペに・・・」
奏「それでもダメなものはダメ」
流歌「・・・奏のいじわる」
奏「またこの流れかよ!!」
物語もいよいよ佳境に入ってまいりました!
ここから先は怒涛の超展開でお送りいたします!!
それでは次回予告!
「わたしはどないすればええんやろ?」
突然の事態に困惑するはやて。
「待ってろ、はやて!今助けるから!!」
先陣を切る奏。しかし相手はあまりにも強い。
「奏君!ディバインシューター!シュート!!」
「・・・フォトンランサー・マルチショット、ファイア!!」
駆けつける白と黒。
そして―――
「ロンギヌスの本当の使い方、見せてやるよ」
明かされるロンギヌスの本当の使い方、逆転の一手は?!
詠う少女と少年の詩
第14話 神殺し
なおこの話はフィクションです。
奏「嘘なのかよ?!」
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