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9話
 クラトの放った技ヒートブレイクは自らの命を捨て何倍にも威力を上げる必殺技だ。その斬撃は一直線にアグマに襲い掛かる。
 アグマに相対する者は自分が最も大切にする教え子達のために命を放り捨てた。僅かだがアグマに対し勝算はある。例え自分が死んでしまっても最愛の者達を守れれば本望だとクラトは心底思った。
 彼の繰り出した強力なその一撃は触れたもの全てを滅ぼす程だ。クラトの剣から白いまばゆい光が壁のタペストリーや天井のシャンデリア、調度品やトール達全部を包みこむ。全てに光の帳がおりた。トール達はクラトからヒートブレイクの説明を受けていた。この技を使う時は君達と別離の時だと。君達三人を心の底から愛している……そうクラトは呟いた。トール達は先生が死んでしまうと悟り涙を流しながら異口同音に

「「「先生!!」」」

 一際白くまばゆい光が辺りを埋めた。その後に待っていたのは森閑だった。トール達三人は涙を目元に溜めながら意識を失う。それから数時間後気絶していたトール達は兵士達に発見され救助されることになる。幸い彼らはどこも負傷していなかった。
 しかしクラトとアグマの姿はどこにも無い。そのため生死は定かではなかった。クラトとアグマの最後に激闘した場所には巨大なクレーターが出来ている。


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