吸血鬼と狼女
私のフィアンセはラアギ家の次男、吸血鬼のディール様です。
ラアギ家の人たちは全員吸血鬼。しかも、吸血鬼の中でも高位貴族らしいです。
私と婚約したディール様は次男なので、家を継がなくてもいいみたい。
「ミア、スープが口からこぼれてるよ」
そう言って、私の顎から垂れているスープをディール様は真っ赤な舌で舐めとった。
「あ、・・・ありと、あ、りがとう」
上手く発音できなかったから、変な言葉になってしまったけど、ディール様は気にしていない様子でにっこり笑う。
金の髪に赤い瞳の綺麗なディール様。
うっとりと見つめていると。
正面の席から、ごほんと喉を鳴らす音がした。
今はディール様のお屋敷で夜ご飯をご一緒させていただいているのだけど、ご飯の席には私とディール様の2人だけではなく、長男のジーン様と三男のダーニア様を含めた合計4人でご飯を食べていた。
ちなみにディール様のご両親は旅行中だ。
「目の前でいちゃつかれると腹が立つから止めろ」
長男のジーン様は不機嫌さを隠すこともなく、私達二人に向かって苦情を言った。
「独り身の兄さんには目に毒だったかな?ミア、しかたないから静かに食事しようか」
ディール様の言葉に無言で頷く。
その私達のやり取りも何か気に障るものがあったらしく、ジーン様はわざとらしく長いため息を吐いた。
でも、そんなジーン様のため息に、私は気をとられている暇はないのだ。
ディール様との会話がなくなった今、この空間はとても静かなものになってしまった。
という事は些細な音でもよく聞こえるということで、誰がどうしてその音を立てたかなんて丸分かりになってしまう。
ディール様はもちろんだが、長男のジーン様と三男のダーニア様も食べ方がとても綺麗なのだ。
立てる音といったらパンをかむサクッという音やフォークやスプンを置くカチャッとした小さな音ばかり。
対して私はというと、ズズっとスープをすする音や食べ物を噛む時のグジュグジュとした汚い音。
同じ食べ物を食べているのに、何故こうも違うのか。
一度ディール様が食べるのをずっと観察していたことがあるのだけど、どうしてそんなに綺麗な食べ方が出来るのかという謎は解けなかった。
いっそのこと開き直って、狼の姿で食事をするのはどうだろう。多少、お行儀が悪くても、獣ということで許してはくれないだろうか。
いやいや、駄目だろうな。
「ミア、もう食べないの?」
音を気にしすぎて普段以上に食べることが出来なかった私に気づいてディール様が声をかけてくれた。
「ん。うん」
私の歯切れが悪い答えと、下を向いてうな垂れている態度に、ディール様はまだお腹が一杯ではないと察してくれたようだ。
「ほら。ミア、あーんして」
一口大にちぎられたパンが口元まで運ばれる。とってもいいにおい。
「あーん」
もちろん我慢できませんでした。
一口のサイズだったので、そこまで音はならないけど、僅かだけど、グチャグチャと音がなっているような気がする。
目をぎゅっとつむって、恥ずかしさに耐えていると、横から色気満々のディール様の声が聞こえた。
「あぁ・・・。なんて可愛いんだ。何でこんなに可愛いんだろう。僕を殺す気なのかい?」
目を開けると、ディール様が瞳を潤ませて、頬を染めている姿が見えた。
その色気にあてられて、こちらの頬も染まってしまう。
ドンッ!!
完全に2人の世界にはいっていたのに、正面から発せられた机を殴る音で、他者がいたことを思い出す。
「いいかげんにしろ!・・・お前ら2人の行儀の悪さは目に余る!」
長男ジーン様の言葉に、私達2人はジーン様に視線を向けた後、またお互いに視線を合わせる。
ディール様はやれやれといった感じで、ジーン様をなだめるように話し始めた。
「ジーン兄さん。僕はラアギ家を継がないから、行儀のことは身内のこととして放っておいてくれないかな。ミアと結婚したら、この家を出て行くつもりだし。
吸血鬼の気取った作法なんてミアと僕には無縁になるんだからさぁ」
ねえ。とディール様は私に向けて同意をとってきたので、勢いよく数回頷く。
ディール様のご両親が戻ってきたら、正式に結婚をして、それから、2人で私の実家へ移ることに決めていた。
私の実家も狼族では大貴族なので、ディール様の生活水準を落すことなく暮らしていける。
しかも両親は、力ばかり強く、わがまま放題だった1人娘に頭のいい婿が来てくれる事を両手を挙げて喜んでいる。
「無縁になる?本当にそうかなあ。そうなるのかなあ」
ディール様の言葉に疑問を持ったのは、先ほどまで黙々と食事をしていた三男のダーニア様だ。
「どういうことかな」
ディール様が首をかしげると、ダーニア様はワインをグラスに注ぎながら答えた。
「僕とジーン兄さんがこのまま独り身なら、家を継ぐ可能性はディール兄さんにもあるんじゃないの?そうなるよねえ」
ダーニア様の答えに、ジーン様も頷いた。
「まあ、そうだな」
その言葉に、ディール様はちょっと困った声を出す。
「う~ん。その可能性は考えてなかったな」
ディール様のピンチ?に私は立ち上がる。
「じ、ジーン様、も、だ、ダーニア様、も。伴侶いる!だいじょうぶ!」
「「「伴侶?」」」
私の言葉に3人ともが驚いて反応する。何か間違えただろうかと椅子に座り、身を低くする。
そんな私をディール様は「かわいい」と呟いて、抱きしめてくれた。
「伴侶じゃなくて、彼女なら要るけどねえ。複数人。一人に絞ると、戦争になっちゃうから、僕は結婚したくても出来ないんだよ」
絞る気も無いけど。と、軽く答えたダーニア様。ダーニア様の彼女は私が知っている範囲で言うと、大魔女が2人。メデューサが1人。吸血鬼が3人いたはずだ。
確かに、この人たちがダーニア様の妻の座をかけて争ったら、大地が広範囲で砂漠と化してしまいそう。
「じゃ、じゃあ、ジーン様、は?」
ジーン様は昔からの許婚がいると、ディール様から以前聞いた事があったのだ。
が。
「オレには誰もいない」
「嘘!」
驚いたことで出てきた獣耳と尻尾をピンと立てて抗議すると。冷めた瞳で睨み付けられてしまった。
尻尾を内股に入れてプルプルしていると。ディール様が頭を撫でて慰めてくれた。
「兄さん。ミアに当たらないでくれよ。そもそも縁談を断ったのは兄さんなんだから」
「ほ~んと。なーんで断ったのか謎なんだけどお」
なんと、婚約者がいた事は過去の話になっていたようだ。
ダーニア様も理由を知らないようで、何故断ったのかを言葉と視線で促していた。
兄弟2人とミアからの視線に耐え切れなかったのか、そもそも隠すつもりがなかったのか。
ため息をつくと、簡潔に理由を教えてくれた。
「あの女と一緒にいても、面白くないからだ」
「・・・そ、なのですか」
ジーン様の回答にそれなら仕方ないかなと、納得した私とは違い。
兄弟2人は理解できないようだった。
「それだけ!?それは。初めからそうだったじゃないか」
「貴族の結婚は愛が無くても出来るみたいなスタンスだったのにねえ・・・」
ディール様とダーニア様の言葉にジーン様は反論する気は無い様子で、黙々と食事を再開するだけだった。
「兄さんは、婚約者に対して面白いとか面白くないとか、そんなことを求める人じゃなかったはずなんだけどな」
食後、私とディール様は居間に残って、大きな窓から覗く夜景を楽しんでいた。
4人ほど座れそうな長くて大きいソファーの真ん中にディール様が座って、そのディール様の膝上で私が横座りしている。
「ディール様は、別れる時、何も?」
私の言葉足らずな問いかけでも、ディール様はしっかりと内容を把握してくれるから、安心して話ができる。
「僕と別れる!?ミア。何言ってるんだ!悪いものでも食べたのかい!?」
私の両頬に手を添えて、真剣な表情で私の瞳を覗き込むディール様。
訂正。
私の言葉足らずな話し方はディールさまであっても、誤解を与える。
「ち、違う。さ、さっきの話!」
「さっきの話?」
頬に伸びていた両手が、首のほうへ移動していた。
「そそそう。ジーン様、婚約者、別れた話!」
首の血管を親指で確認されていたが、私の言葉を聞くと、直ぐに離してくれた。
「ああ。なーんだ。兄さんの話か。よかったー・・・」
ディール様は力を抜いて、背もたれに体を預ける。
「ディール様は、ジーン様、別れる話、した時、何も言わなかった?」
「なんで、ミアは兄さんのことを気にかけてるの」
それは、なんたって、私たち2人のことにも関係してくるからだ。
他の兄弟2人のどちらかが結婚しない=家を継がない、のであれば
ディール様に話が回ってきてしまう。
そうなるとどうなるのか、狼族とは違い、吸血鬼の家を継ぐということは吸血鬼の純血を守るということ。
つまり、ミアとは結婚できなくなってしまうのだ。
そういったことを伝えようとすると、ディール様は自分の人差し指をミアに見せてきた。
「そんなことよりもさ。僕のことを気にしてよ。ほら、ここ見て」
促された部分を見ると、人差し指のつめが少しかけていた。
「ディール様!綺麗なディール様の爪!」
「そうなんだよ。せっかくミアが綺麗に磨いでくれたのに。気分が落ちるよね」
「待って。ど、道具、持ってくる!」
ディール様の膝からぴょんと飛び降りた私は、狼の姿に変身して、爪とぎを取りに大急ぎで廊下を走った。
結局続きの話をするタイミングも無く、その日の夜はディール様の爪を磨いて、ついでに私もディール様にブラッシングをしてもらって終わった。
吸血鬼3兄弟は見た目だけで言うと、優雅な事だけをして暮らしているような、とっても綺麗な人たちだけど、実際は朝から晩までお仕事三昧だった。
昨夜のように3兄弟揃うのは珍しいことではないけど、毎日というわけではない。
そんな忙しい3人に対して、私は朝から晩まで特にやらなければならない用事も仕事も無かった。
朝食をディール様と食べた後、玄関までお見送りして、そのまま庭の芝生へ飛び込む。
ぽかぽかした気持ちいい日差しを浴びながら目を閉じ、日向ぼっこをしながらまどろんでいた。
「薄汚いわんちゃん」
誰かに呼ばれた気がして、上半身を起こして周りをきょろきょろと見渡すと、上空からまた話しかけられた。
「こっちよこっち。上を見て」
言われたとおりに上を見上げると、ほうきに乗った魔女がいた。
「ねえ。結界があって入れないから、柵の外まで来てくれない?」
「・・・はい」
眠気を覚ますために、目を両手で擦りつつ、庭の端っこまで来ると、魔女は真っ白い封筒を渡してきた。
「これ。ダーニア様に渡してくれる?」
どうやら目の前にいる真っ赤な髪をした魔女は、ダーニア様の知り合いらしい。恋人だろうか。
「分かりました」
頷きながら両手で手紙を受け取る。
「ねえ。一つ聞きたいんだけど。ダーニア様。何かあった?例えば、1年ぐらい前とか」
魔女の言葉に、1年前のことを思い出そうとして首を傾げる。
1年前といえば、私がこの屋敷に住み着くようになった頃だろうか。
でも、住み着く数年前からダーニア様にはディール様の恋人として紹介されていたし
私のことなんて、ダーニア様には関係ないだろう。
だとしたら、他には何も無い。
首を横に振って知らないと伝えると、魔女は期待していなかったのだろう。他に追求されることはなかった。
「そう。じゃあ、やっぱり手紙はちゃんと渡してね。よろしくね、わんちゃん」
犬ではなく、誇り高い狼族なのだけど、わんちゃんという響きは可愛かったので訂正はせずに頷いた。
受け取った手紙をなくすといけないので、両手でずっと抱えてその日は過ごした。
夕食の席に付くと、今日はジーン様以外は一緒に食事ができるようで、ディール様は私の左隣の席へ座ってダーニア様は私の斜め前へ座った。
「ミア。両手が塞がってると、ご飯が食べられないよ?」
ディール様が私に手を差し出しながら、手紙を受け取ろうとする。
「うん。これ、ダーニア様へ」
席を立って、ダーニア様へ手紙を渡そうとすると、いきなり凄い力で腕を掴まれた。
「まってミア。それは僕にくれるんじゃないの?僕のために書いた手紙なんでしょう?」
なぜか、ディール様は自分宛だと疑っていない。よく考えるまでも無く家の中に引きこもっているミアに他者が中継ぎを頼むとは思わないからだ。
「違うの。こ、これは、ダーニア様に」
「へえ。うれしいなあ。狼族の恋人ははじめてなんだよねえ」
ダーニア様が茶化すように会話に入ってくる。
だけど、それがディール様の癇に障ったようで、私が持っていた手紙をひったくるようにして奪い、手紙を破いて開けてしまった。
「内容次第では、ミアの事許さないから」
何時もより数段低い声で恐ろしいことを宣告した。
ディール様が手紙を読んでいる間、ミアはプルプルと震えているしか出来なかった。
でも、きっと内容を読めば直ぐに誤解は解けるはず。ミアが書いた手紙じゃなくて、魔女が書いたダーニア様への手紙だと。
そう思っていた。
「これは、ミアの可愛い字じゃ・・・な・・・」
ミアの読めなくて解読不能な字をディール様はいつも可愛い字と言ってくれる。
今読んでいた手紙も、なかなか読めなくて一つ一つ文字を追っていったところ、途中で私のものではないと気付いたらしい。
やっと誤解を解いてくれた様子なので、何時もどおり、謝罪の言葉付きで抱きしめてくれるのかと思っていたら、予想外な言葉をディール様は口にした。
「愛しいカリンに会いたい・・・」
「へ!?」
私の名前はミアだ。カリンなんて名前じゃない。
「で、ディール、様・・・?」
様子のおかしいディール様の両手を掴んで目線を合わせようとしたら、掴んだ手を振り払われてしまう。
「え・・・」
今までに無いことをされたショックで、払われた両手を見つめる。
「ちょっと、ディール兄さん何してるの」
「・・・カリン。愛しいカリン」
「カリン?あの赤髪魔女のカリン?」
「カリン!カリンを知っているのか!?是非会いたい。会いたいんだ!」
ディール様とダーニア様の方を見てはいなかったけど、2人の会話が頭の中で大きく響く。
ディール様はカリン様が好きなの?
愛しいって事は、愛してるって事?
私よりも?
私の手を振り払ったって事は、そういうことなの?
私のこと・・・・・・もう・・・いらない・・・?
元からあまり無かった理性がどこかに消えてしまった。
目の前が真っ暗になったかと思うと、無意識の内に3mもある大きな狼の姿に変身していたようで
その姿のまま、ディール様の腹を押さえつけ、そのまま首から肩までの場所を牙で突き刺す。
口の中にディール様の血の味が広がった。
うめき声を上げたディール様は先ほどまでのうつろな様子から、目の奥に光が戻ってきたように思えるけど、そんなことはどうでもいい。
ただ、目の前の愛している人をこのまま殺してしまいたいという欲求だけがあった。
大きく口を開けて、今度は腹に牙を埋めた。
「ミア。ミア」
大好きな人の声で、目を開けると、白い天井が見えた。薬品の匂いもするから、ディール様の家で治療室とされている部屋だろう。
「で、ディールさ、ま」
何故だか声を出すのがつらくて、起き上がれない。
「ミア!よかった」
きょろきょろと視線を動かすと、隣のベッドでディール様が寝転んでいた。
包帯まみれの格好で。
「ディール様!?」
起き上がれないけど、気持ちだけでも傍に行きたくて両手を上げると、自分の腕も包帯まみれだった。
「???」
「ミア。ごめんね。ミアの怪我はダーニアがやったらしいんだ。起き上がれたらすぐに決闘を申し込みに行くよ」
「で、ディール、様、の、は・・・」
話している途中で気付いてしまった。思い出してしまった。
「ま、待って、て。ディール、様。すぐ、殺す」
痛いのを気にせず、起き上がろうとすると。ディール様に慌てて止められる。
「待って!待って!ミア!あれは僕であって僕じゃなかったんだ!」
荒い息を吐きながら、ディール様を見る。
「ディール様。違った?」
でも、他の人が好きだと口にしていたのは確かにディール様だった。
疑っている目線に、ディール様は強く頷く。
「魔女に操られていたんだ。あの手紙にはそんな魔法がしかけてあったみたいだ」
「ま、魔法」
「そう。僕らはとんだとばっちりを受けてしまったみたいだよ」
ダーニア様と赤髪の魔女の恋愛ごとに、関係ないディール様と私は巻き込まれてしまっただけ。
そう脳が理解すると。とたんに視界が歪んだ。
「う・・・ぅ。よ、よか、った。よか・・・っ」
「ミア」
ベッドに突っ伏して、涙が止まらない私をディール様が上から優しく包み込んでくれた。
ディール様は包帯まみれで、歩くのだってつらいはずなのに、私が怪我をさせたのに、こちら側まで歩いてきてくれた。
私のために。
そう思うと一層涙が止まらなかった。
「ごめんなさい」
同じベッドの上で、手紙を書いて渡すという、近距離手紙交換をし合っていた私たちに、ダーニア様が謝罪をしにきた。
「ダーニア。元気になったら久しぶりに剣を交わそうじゃないか」
さわやかな笑顔で言うディール様に、ダーニア様は顔を引きつらせる。
「だ、だいたい。ミアが知らない人から手紙を貰ってくる事が間違いなんじゃないかなあ。何のために結界が張ってあると思ってるの」
私を攻めるダーニア様だったが、ディール様ににらまれて口を閉じる。
「お前のせいなんだから。ミアに当たるんじゃない」
「だ、だいじょぶ。私、大丈夫」
理性を失った私を止めるために、ダーニア様はしかたなく攻撃したのだろうから、これ以上、ダーニア様にもディール様にも気を使われるのは申し訳なかった。
「駄目だよ。もうこんなことがないようにきっちり叱っておかないと」
「でも、意識戻った。ディール様。また。同じこと、あっても。私、怪我大丈夫。止めて、欲しい」
「ミア!」
「で、ディール、様!」
お互い酷い怪我を負っているのにもかかわらず、相手が痛がるのも承知の上で、きつく抱きしめあう。
お互いの名を呼びながら。
そんな、甘い雰囲気の中で硬い声が、小さく聞こえた。
「納得ができない」
「・・・なんだって?」
「全部僕の責任にされるのはやっぱり納得できない!元はといえば2人のせいなんじゃないの。ジーン兄さんのことも。ぼくのこともさあ!」
逆切れしたダーニア様は、そういい捨てた後、足音を大きく鳴らしながら、扉を勢いよく閉めて出て行った。
「僕らのせい?どういうことだ」
「??」
見つめあった私たちは、お互いに?マークを飛ばしていた。
私たちのせいで、愛の無い結婚に疑問を持ったジーン様。私たちのせいで、もっと愛が欲しくなったダーニア様。
そんなことを知る由も無い私たちは、今日も明日も明後日も、2人の前で愛をささやきあうのであった。