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第30話 大和司と追跡者?

更新が遅くてすみません(--;


 基本的に、温厚(特に女子には)と思っているおれだが、流石に、文句を言わないわけにはいかなかった。何より鼻が痛い。


「あんた、ドアを人にぶつけておいて、謝罪もないのか?」


 少し腹が立ったので、文句を言っておく。


「なに、冒険者ごときが私になにか文句があるの?」


 やたら偉そうだな、この女。黙っていればそこそこかわいい顔をしているのにその言動が全力でダメにしている。


「……お」


 続けて文句を言おうとしたところでエミリーさんが割り込んでくる。


「ファルネーゼ様、どうされたのですか? 探索終了の予定はまだ先では?」


「様はやめてといったでしょう。 エミリー」


 エミリーさんとは仲がとてもよいようで、おれに向けていた表情と全く違う表情をエミリーさんに向けている。その顔は、良家のお嬢様というか、高原のお嬢様というか、穏やかな表情はどこか気品を感じさせて、その顔に思わず見蕩れ……てなんてないんだからね!?


「その件で報告にきたのよ。 ギルドマスターはいるかしら?」


「執務室にいるとおもうけど……」


 そういいながら、二人は建物の奥へと向かっていく。


ポツーン……


 なんだろうこのおいて行かれた感……


「そういえば、エミリー。 大爆発以降に登録をした冒険者っているかしら?」


「それだったら、そこのツカサさんが……あれ?」


 怪しい空気を感じて、おれはすでに冒険者ギルドを後にしていた。何か気づかれたのだろうか……


……


 翌日おれたちは、オオカミモドキを探して森へとやってきていた。ナーシャの感覚を頼りにあたりの気配を探る。


「ツカサ」


「うん、わかってる」


 どうも街をでてから誰かにつけられていた。最初は気のせいかとおもったが、森に入ってもその反応が離れることはなかった。


「どうしました?」


 リエルが、おれとナーシャの様子をみて声をかけてくる。


「リエル。 そのまま、後ろを振り返らず聞いてほしい。 どうやら誰かにつけられているみたいなんだ」


 リエルが息をのんだ。


「まさか、私のことが……」


 リエルの頭を軽くたたく。


「たぶん、そんなことはないよ。 どうやら相手も一人みたいだから」


「ツカサさま……」


 そうは言いつつ、不安はあった。リエルのことを知って追いかけてきた可能性も0ではないし、その場合、戦うことになるかもしれない。でも、魔物と戦うことはまだしも、人と戦うような事態は避けたい……うーん、どうしたものやら……


「ナーシャ相手のこととかわかったりしないか?」


「ふむ、昨日の生意気な嬢ちゃんじゃな」


 わかるのかよ!?にしても、ナーシャに生意気って言われるのもどうなんだろうね?


 追跡者は、昨日の女か……おれたちをつけてくるなんて、一体どういうつもりなんだろう?神魔法のことなんて、ナーシャはある程度分かっているのかもしれないが、リエルでさえ気づいてはいないのに……


「うーん、どうしたものか……?」


「ほおっておけばよいじゃろう。 人っ子一人が来たところで、なんでもないじゃろ」


 ほおっておくか……確かにそれは一理あるかもしれないな。さすがにおれたちに害を与えようというつもりは無いみたいだし、目的がわからない以上、気にし過ぎても仕方ないか。


「よし、あの女が何を考えているかはわからないが、とりあえずは気にせずにいこうか。 Tears of Dragonは使わないでいこう。リエルも精霊魔法は使わないようにしてくれ」


「わかりました」


「我はどうすればよいかの?」


「えー、ナーシャは何もしないでおいてくれ」


「ぶう」


 ナーシャがむくれている。


「ナーシャは強すぎるからな、能ある鷹もとい竜は爪を隠すっていうじゃないか?」


「むむむ、それなら仕方ないかのう。 オオカミモドキなんてサクサク狩ってしまうのじゃ」


 ククククク、幼女は単純でやりやすいぜ。と、冗談はさておき、ナーシャはいろいろと規格外っぽいし、変に目を付けられるのは避けるべきだろう。どうせ、あの女も普通の冒険者の姿を見せていたら明日には尾行なんてやめるにちがいない。


「へーい」


 とりあえず、おれたちは追跡者?のことを放置してオオカミモドキ狩りを始めた。オオカミモドキは、オオカミが魔物化したことによって、強さが増していることからか、オオカミと違い基本的には群れを構成することはないらしい。ナーシャの感覚共有はDragon of Tearsが鞘に入ったままでも身に着けている限り使用できるので、感覚共有をつかってオオカミモドキの位置を特定しながら狩っていく。


 おれが、感覚共有をつかって場所を特定すると、リエルがおおゆみを射かける。リエルの狙いはますます正確になってきており、先制の状態ではほとんど外すことがない。フローラさんもリエルのことを天才とか言っていたのがわかる。種族補正というものは、こんなにも大きいのだろうか?おっと、傷を負ったオオカミモドキがこちらに向かってきた。おれは、バスタードソードを構えるとオオカミモドキを迎え撃つ。


 飛びかかってくるオオカミモドキを一刀のもとで切断する。いきなりLv99になった村人の時とは違い、剣士のLvは今のところ徐々に上がっており、そのLvUPによる身体能力の向上がよく分かる。動作は、より早く、そしてより正確になっている。この調子だとオオカミモドキに負ける気は全くしない。


 ファルネーゼとか言っただろうか?あの女の反応はいまだに離れることがない。そちらに視線を送ってみても、こちらからは全く姿をみることができない。かなりの実力を持っているということだと思う。感覚共有でオオカミモドキを見つけすぎるのも不自然かと思い、ゆっくりと時間をかけて一体ずつ倒していく。これでおれたちのことは、Fランクにしては少々強い冒険者という認識になるだろう。


 その後おれたちは、毒消しきのこの回収も順調に行いつつ、オオカミモドキ10体を順調に撃破した。しかし、時間をかけて倒していたこともあって、時間もかなり遅くなっていた。夜には強い魔物が出ることもあるらしいので、この辺りで切りあげておいた方が無難だろう。


 オオカミモドキの証明部位はその肥大化した尻尾だ。丁寧にその尻尾を切り落として、胴体に関してはいつもどおり便利なアイテムボックスにしまっておいた。ちなみに、アイテムボックスの大半を占めていた携帯食料などは、少しずつルドマンさんのショップに売り払っている。ちょっとした収入にもなるし、さすがに荷馬車を占めるような量はおれたち3人では消化しきれない。


 順調に街道に戻り、そろそろ森を抜けようかという頃だった。感覚共有のエリアの中に、大きくこちらに向かってきた反応に気づく。その反応は一気におれたちとの距離を詰めてくる。これなんていうデジャブ……?そんなことを思っていると、街道の向うにその大きな影が見えてきた。


 その姿はオオカミモドキを何倍にも大きくした姿だった。その姿は大きく、その両手の先には、巨大な爪が生えているのが見えた。


「オオカミモドキクイーン……」


 リエルが、呟く。


「一体なんの冗談だよ!!」


 おれは、バスタードソードを仕舞うと、Tears of Dragonを取り出して、迫ってくるオオカミモドキクイーンを迎え撃つべく剣を構えた。


リアルがカツカツなので更新が遅れ気味ですが、週2~3のペースではいけるように頑張りたいとは思います!!


中盤の、ファルネーゼさんのセリフで

「ここ数日」と言っていたところを、「大爆発以降~」と表現を改めました。

更なる修文もするかもしれませんが、なかなか修正まで手が回らないので、とりあえず1部完くらいまではこのまま進んでいくつもりです!

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