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第25話 大和司と冒険者初心者講習。 その1

とりあえず、ここで一旦投稿しておきます。

 冒険者ギルドについたのは、13時の15分前だった。ちなみに、時間はスマートフォンで確認をしている。魔法の力を使った時計もあるようだが、それらは非常に高価で、街の人たちは、教会からの鐘の音で時間を判断しているらしい。日が出ている時間帯に、1時間ごとにその時間の数の鐘、また30分に一度だけ鐘が鳴っているようだ。

 この世界でも、1日は24時間で、1年は365日でおれの世界と都合よく一緒になっていた。


 竜の息吹亭に戻っている間に、リエルの職業を村人から狩人に転職させておいた。弓を使わせたことで転職が可能になったらしい。リエルはエルフなのでその特性として精霊魔法が使えるので、最初から魔法使いに転職することも可能ではあったが、魔法使い自体少ないので、リエルがエルフであることを気づかれる可能性を減らすためにも狩人を選んだ方がいいと判断をした。

 ちなみに、身に着けているスキルは、職業特有のものでは無ければ、基本的にはどの職業でも使えるし、成長もするらしい。ただし、成長率や効果は、そのスキルに関係した職業に比べて落ちてはしまうらしい。

 なお、この辺りは、アイテムボックスにしまいっぱなしの異世界取扱説明書や、イシュアちゃんからメールで確認した知識でもある。


 今、ナーシャはトカゲ?の姿に戻ってリエルのバックパックの中に入っている。幼女を連れて冒険者ギルドに行ったときの注目を考えたのと、岩窟の金槌亭にいた時からすでにナーシャは船をこいでいて、眠そうにしていたのもある。特に文句も言わず、元の姿に戻ってくれた。


 スイングドアを開けて冒険者ギルドの中に入る。


「ツカサさん」


 カウンターからエミリーさんが手を振っているのが見える。そして、他の冒険者から睨まれている気がしなくもない……あんまり他の人と目を合わさないようにカウンターへと向かう。


「時間どおりですね、あと少ししたら講習が始まりますのでこちらでお待ちください。 叔父さんの宿屋はいかがでした?」


「叔父さん!!??」


「はい」

 

 そういって、エミリーさんは笑顔を浮かべる。


「全っっ然似てないですね! あのおっさん……すみません、叔父さんの血からエミリーさんみたいな美人が生まれるなんて……」


「ふふ、ありがとうございます。 お上手ですね、ツカサさん」


 ナチュラルにお世辞を言ってしまった、ちょっと恥ずかしい。 


「で、でも料理はすごくおいしかったです。 服屋……も、よかったです。 装備も教えてくれたところで買ったんですよ。 なあ、リエル?」


 隣にいたリエルにも同意を求めてみる。


「ツカサ様、よろしければ、今のうちにクエストの話を聞いてみたいのですが」


 あら?

 まあ、それもそうか?


「エミリーさん、今から話を聞いて間に合いそうですか?」


「ん~、ちょっと時間が足りないかもしれませんねぇ。 講習が終わった後にご説明させて頂きますね」


「はい、それでお願いします」


 エミリーさんの傍に、他のギルド員がやってきた。何か話を聞いたエミリーさんがこちらを振り向いた。


「ちょうど、準備ができたみたいです。会場まで案内しますね」


 エミリーさんに連れられて、冒険者ギルドの奥へと向かう。身長はヒールを込みにして165cmくらいだろうか?すらっとしてスタイルもいいが、女性的なスタイルの良さというのだろうか?どちらかというと華奢なリエルとは違った良さがあるな、うんうん。


 ギルドロビーの奥の扉を開けると、ギルドの裏庭に続く通路といくつかの部屋があった。エミリーさんはその一つに案内をしてくれた、そこは長机がいくつか並べられた教室といった感じの部屋で、きっとここで講習が行われるんだろう。


 そこには……「お前らはウジ虫だ!」なんていう、軍曹はおらず、なんだか冒険者とは思えないような、おじいちゃん、デブとやせのおじさん、そして、おばさんがいた……


 こ、これが教官……

 

 なんか、高まっていた冒険への思いが音を立てて崩れていく。


 リエルと部屋の後ろの隅に座るとあたりを見渡した。部屋には俺たちのほかにもう一組、男2人と女1人のパーティがいるようだった。


 おじいちゃんが、中央に立って、どうやら講習が始まるようだ。


「うぉほっん、わしが、このギルドで、教官長をしているアーノルドじゃ。 そこ、こんなじじいがとか思ったじゃろう?」


 ドキッ

 爺さんの視線は、3人組の方を見ていた。危ない危ない……


「安心してよいぞ、こう見えてもわしゃー、元Sランクの冒険者だからのう。未だに、アステリア最強の看板は下ろしたつもりはないぞい。 まずは、冒険者になったお主たちにわしから一言いわせてもらおう、冒険者にとって最も大切なこと、それは……」


 新人たちの視線が爺さんに集まる。


「生き残ることじゃ!」


 そういって爺さんは、右手に持った杖を上にあげる……


 ピシッ


 そんな音が聞こえたかと思ったら、爺さんが右手を挙げたポーズで固まった……そして、そのまましばらくしたと思うと、何かに気が付いたおじさん二人に運ばれていった……一瞬いいことを言うじゃないか、このじじいと思ったおれの感動を返せ!


 おじさん2人が帰ってきた。


「まあ、なんだ……あれは放っておいてだな。 ここにいる教官は全員元冒険者ですでに引退をしている。 しかしだな、それは、逆にいうと冒険者として生き抜いたということだ。 冒険者にとって、生き残るということは思っている以上に難しい。 お前らは、新しく冒険者になった新人が、1年間で何パーセント死んでいるか知っているか?」


 向こうのパーティの男が答える。


「30%くらいですか?」


「じゃあ、その30%というのは高い数字だと思うか?」


 教官がもう一人の男に尋ねる。


「高いですねぇ?」


「ふむ、そうか。 実際のところだな、新人の70%は死ぬか、引退を余儀なくされる怪我をして、2年目以降に冒険者を続けられるものはわずか30%しかいないというのが事実だ。 そのため、お前たちは、まず生き残る方法を学び取る必要がある」


 そんなに死んでいるのか……危険だとは思っていたが、これは気を引き締めていかないといけないな。


「だが、おれ達が、1年目で死ぬなんてことはないようにこれから指導をしていくからな、覚悟しておくように。 教官の紹介もしておこう。 主に近接戦闘に関しては、元Aランクのこの俺、ライネスが、遠隔戦闘、魔法に関しては、元Bランクのフローラが、野営や鑑定などの戦闘面以外のことについては、同じく元Bランクのルドマンが担当する。 講習は、今日は基本的なことについて教えるが、お前たちがEランクへの昇格試験に合格するまでは、毎週月の曜日の講習に参加をするように! わかったか?」


「「「「はいっ」」」」


 返事を返しつつ、あのおばさん、その体でフローラかよ……フローラ、ルドマン……どこかで聞いたような?


「では、これから、講習を始める!!」

GWで作ったストックがほぼ使い切って、あとはプロットしかないのでほぼ全文書いてますが、これで3000字弱……

なかなか、いい時間がかかりますねぇ^^;多筆な方がうらやましい(><


リエルのステを書こうとしてさくっと流してしまいました……

少なくとも運は司君より全然上だったようですよ。

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