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第21話 大和司とピエール襲来。

前話を合併しました。

相変わらず今話も短めです。


 う~ん……朝は少し冷える……

 寝返りを打つと、枕に頭を押し付ける。暖かい。


「ツカサ様。そろそろ起きないと朝食に間に合いませんよ。」


 リエルのお母さんのようなセリフに意識が覚醒する。

 それと同時に目の前の枕から声が聞こえてくる。


「んっ、朝からか? 我は構わんぞ、男は朝、子作りに適した身体になるというしな」


 目を覚ますと、目の前には幼女がいた。リエルに言われて起こそうとしたナーシャを案の定?寝ぼけて捕まえていたらしい。


 ベッドから起き上がると下半身にまとわりついてくる幼女を左手で抑えながら、リエルに挨拶をする。


「おはよう」


「はい、おはようございます、ツカサ様」


 ナーシャも一晩寝て落ち着いたようだ。これだけ元気だったら問題はないだろう。


 後で聞いてみたところ、宝剣のそばにいるとほんの少しではあるが、徐々に力が戻ってくることが分かったらしい。


「なに、この調子であれば、100年もすれば、もとに戻るだろう」


 とのこと。う~ん、時間のスケールが違うぜ。


 寝癖がついた頭をぼりぼり書きながら食堂に入ってくいく。


「おうっ、昨日はお楽しみだったな。」


 おっさんが豪快に笑う。これって、宿屋のテンプレなんかよ……


 右手を振って否定すると、食堂のテーブルに着く。しばらく待っていると、ナーシャを連れたリエルがやってきて、向かいに座る。ナーシャの髪の毛を直してやっているリエルをみていると、まるで仲のいい姉妹みたいだ。


 おっさんが、朝食をもってやってくる。


「おおっ、なんだ!? 一晩でこんなに大きな子供を作ったのかお前たち。」


 おっさんが驚きの声を上げている。ナーシャが立ち上がって言う。


「人間、我は、ツカサの子供などではないぞ。我とツカサは、すてでぃというやつだな。」


「そうか~、すごいな~、嬢ちゃんは」


 そういって、おっさんに頭を撫でられているナーシャはどこか満足気だ。


「おっさん、この子は……」


「おう、深くは聞かんが、食事代は3人分払ってくれよな」


 口の中を食べ物で一杯にしたナーシャを見ながらおっさんがいう。


「はい……」


「うまいのー、うまいのー、これ」


 向かいでは、リエルがナーシャの口を拭ってやっていた。ドラゴンが形無しです、はい。


 時刻は9時を回ったくらい。おれは両手を伸ばして伸びをしながら、リエルとナーシャを連れて街を歩いていた。


9時といえば、現代というか、おれらの世界では、お店が始まるかどうかという時間だろう。しかし、こちらの街は、もう完全に動いていて、賑やかだった。きっと太陽の出ている時間を有効に使うのだろう。


 街を北側に向けて歩く。エミリーさんに聞いた話によると、服や武器防具といったような専門店は街の北側に集まっているらしい。


 北側のエリアに入ったからだろうか、あたりにちらほらと商店の看板が見える。エミリーさんから聞いた話だともうそろそろだとは思うのだが……


「ツカサさま、アレじゃないでしょうか?」


 リエルが指さす先をみると、平屋の石造りの建物に青、白、赤の布が屋根から地面に簾のように垂れ下げてある。


 ふ、フランス!?


 目立つ店だとは聞いていたが、確かにこれは目立っている……


 外套を脱ぎ、店内に入ると、広い店内いっぱいにカラフルな洋服が並べられている。それぞれの洋服はきれいにたたまれてあり、古着、男物、女物、下着とコンセプトごとにきちんと仕分けられている。この店内の様子が、店主のセンスの良さを物語っている気がする。


「いらっしゃ~~~い」


 声のした方をみると……前言を撤回させてもらってもよいだろうか?


 30歳の後半といっただろうか?


 がっちりした身体にぴっちり着込んだ、店の看板と同じ青白赤のストライプのシャツ。


 口には、いかにもムッシュという感じの口ひげを生やした男がそこにいた。


 なにより、立ち方がちょっとナヨってしているのが気持ち悪い……

 えっと……なんだか身の危険を感じるのでかえってよいでしょうか……?


「ちょっと、そこのボーイ」


 ピエール(仮名)が迫ってくる。とりあえず、後ろを振り向いて店から出ようとする。


 ガシッ


 とてつもなく強い力で右手をつかまれた。


 恐る恐る振り向くと、ピエール(仮名)が、絶対に逃がさないという感じでこちらを睨んでいる。

 ピエール(仮名)が、高速で正面に回り込んできて、おれのYシャツのボタンに取り掛かる。


 手慣れた動きで、ピエール(仮名、いい加減面倒なので、以後単に「ピエール」)が、

 Yシャツの一番上のボタンを外して、今度は襟首のあたりまで顔を近づけてくる。


 や、犯られる……!!


 なんだか、横にいる、ナーシャとリエルとが、何かキラキラしたまなざしでこちらを眺めている気がするのは気のせいか……


 その時、ピエールがピタリとその動きを止める・・・


「い、いいわーーーー!!! この縫製、どうなっているの、ちょ、ちょっと脱いで頂戴……そ、そのズボン、ハッ、そのベルトもどうなっているの? ちょっと、外すわよ。」


 い、イヤーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!


遅くなりましたが、一話戻っての21話です!

土日は、ともかく平日はなかなか時間が取れないこともあるので、じっくりお付き合いいただければ幸いです!

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