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第19話 大和司と竜の息吹亭。 その2

えー、特に深い意味なくタイトルをつけてきましたが、早くもネタ切れ感が(笑)

統一取れていないところもありますし、そのうち直すかも知れません。(なおさないかも?)

 おれとリエルは、テーブルを挟んで、お互い向き合っていた。


「これ、うめぇぇぇーーー!! おっさん、これうまいぜ!!!」


 厨房の奥にいるおっさんにそういうと、おっさんは厨房からサムズアップをしてくる。

 おれは、おっさんに向けてサムズアップを返す(グッ


「……」


 リエルからの視線はいつもどおり受け流しておく。


 にしても、あのおっさん、受付だと思っていたら、メインはコックだったらしい。

 テーブルに並べられているのは、香草でシンプルに味付けされた肉料理、野菜たっぷりのスープと付け合わせのパンというシンプルで、いわゆる田舎料理といった感じの料理だった。


 シンプルな味付けの料理は、材料の素の味がでる素朴な料理だが、その分、コックの腕がものをいう。


 肉料理の次は、なんという種類かわからない謎の鶏肉っぽい肉を出汁にして作られた野菜スープを一口味わう。すると、その味付けは、大胆にして繊細……このほんのりと身体が温まる感じは……これは隠し味にジンジャーを使っているのか。


 !?


 なんということでしょう、あんなごつい身体をして、しかも禿スキンヘッドなのに、この味付け。

 シェフだ、シェフを呼んでくれ!!

 

 そんなテンションで、また立ち上がり、おっさんにサムズアップを送っておく。

 

「ツカサ様……それは、いつまで続くのでしょうか?」


 リエル、敬語だけど、セリフからまったく敬意を感じないのはなんでだろうか!?


 まあ、こちらも半分ノリでやっているだけなんだけどな!!


 じー……


「うん、もうやめます……でも、リエル、この料理かなりおいしくないか?」


「はい。でも、この料理を、あんな大男が作ったかと思うと、驚愕に値しますね……」


 外套の下から無表情で淡々とそういうことをいうリエルさん。

でも、リエルも先ほどから、料理を食べる手がまったく止まっておらず、本当においしいと思っているんだろう。


 こちらも料理が冷める前に食べ切ろうと思い、パンをスープにつけて食べる。本当においしい。この宿屋を教えてくれたエイミーさんには、明日お礼を言っておかなければならないな。エイミーさんか……たぶん、年上なんだろうけど、いい感じだったなぁ……

 長身ですらりとした身体。肩より上でまっすぐに切りそろえられた髪の毛に、理知的な顔を覆う眼鏡。眼鏡女子はいいなぁ、眼鏡。異世界で眼鏡女子に出会えるとは予想外だった。そして……なによりその母性あふれるお胸がすばらしい、うん。


 なんだか、リエルがこちらをちらりと見て、自分の胸のあたりを見ていたような気がしたが、きっと……こちらの考えが読まれているわけでもないし、たまたま、たまたま。


 口の小さなリエルは、料理を食べるのにも少し時間がかかるようだ。ここぞとばかりにリエルが食べている姿をじっとみる。


 おおきくなれよ~


 いろんな意味でそんなことを思いながら、ニコニコしながら、リエルを見ていると……


「あの、あんまり見ないでくださいますか?」


 怒られた……(´・ω・)


 仕方ないので、ちょうど厨房での作業が一区切りついたのだろう、おっさんが一息いれにこちらに来ていたのでおっさんと話をしておく。


「お、兄ちゃんどうした?」


……

 

 ちょうどよかったので、街に入ってから気になっていたことを聞いてみた。

 街全体を覆っている壁や、メインストリートの石畳など、正直、中世レベルの技術を超えていると感じていた。おっさんに聞いてみたところ、答えはシンプルだった。

それは、「魔法」とのこと……あ~、なるほどファンタジーですねぇ……

 でも、それで、違和感に納得がいった。この宿屋にはあまり多くはないようだが、魔法を使ってつくられた、色々と便利な魔道具があるようだ。冒険者カードもその一つであるということ。この辺りも今後調べる必要があるなと、心の中にメモっておく。


……


 おっさんと話しているうちに、リエルもようやく食べ終わったようだ。それを確認して、おれはリエルに話しかけた。


「明日のことなのだが、冒険者ギルドの研修に行く前に、服と装備を見に行こうと考えているのだが、どうか?」


「よろしいのではないでしょうか?ツカサ様も、洋服の替えを持たれていないように思いますし。何か鎧のようなものも揃えた方が、より安全だと思います」


「いや、リエルの分も必要だろう」


「いえ、私は、いまお借りしている服がありますし、装備も魔法が使えますので、何もなくてもお役には立てるかと思います。私の分は、もっと余裕ができた時に改めて考えていただければと思います。」


 お金に対しては、なかなかうるさいな、リエルも。いいお嫁さんになれそうな気がする、いろんな意味で……


「いや、今日は臨時収入もあったし、余裕がある今のうちにうちに、最低限揃えておこうとおもう。」


 多少、断定をして、強めの口調で言っておく。こうしないとリエルも納得をしないだろう。


リエルがこちらをじっと見てくる。少し考えているようだ。


「……ありがとうございます。」


 ふー、なんとか納得してくれたようだ……


 ということで、明日はリエルにかわいい服を買ってやろうと思います。

結構何を着せても似合うと思うんだよなぁ……いやいや、子供とか、妹の服を着飾らせてやりたいという、父性本能的な何かからですよ?ロリコンとか、そういうのは一切ないですからね?いや、ないですから!ほんとのほんとに!!

 おれの、正当性を正しく伝えるために、しっかりと説明をしておいた、これで誤解もないだろう。


 おっさんが、そろそろ、食堂を酒場として開くことを伝えてくる。異世界のお酒に興味はあったのだけど、今日のところは明日に備えて早めに撤退をしておこうと思う。


 宿屋の受付カウンターまでいくと、おっさんと入れ違いでカウンターに座っていた奥さんから明かり(カンテラというのだろうか?)を借り、また、奥さんにお願いをして、銅貨5枚で、布の切れ端を数枚売ってもらった。


 部屋に戻ると、リエルに銅貨3枚と桶を渡して、お湯をもらってくるようにお願いする。

風呂には入れないが、昨日野宿をしたこともあって、体がべたべたしているので拭いておきたかった。

 実際、初日の魔法の影響で、腕とかには、まだすすが残っていたりするしな……


トントンッ


 扉がノックされたので、ドアを開けてリエルを迎えてやる。リエルが、お湯でいっぱいになった桶を、もって部屋へと入ってくる。桶を部屋の床に置かせると。さっき買っておいた、布の切れ端をリエルにも渡す。


「これで身体を拭いたらいい」


「はい、ありがとうございます。」


 そういうと、リエルは外套を脱いで壁にかけて、上着に手をかけると一気に上着を脱いだ。


 部屋は、カンテラの明かりだけで、薄暗いとはいえ。いまだに破れたままの服から除くリエルの白いお腹が目にまぶしい。


 リエルがさらに残った服を脱ごうとする。


「とりあえず、後ろを向いてやりなさい」


 そういってリエルに後ろを向かせると、こちらもリエルを見ないようにして後ろを向いた。


 チャプ・・・ギュ、コシコシ


 お互いが身体を拭く音と、布を縛る音だけが聞こえる。


 ちょっと気まずいので、あえて声を大きくしてリエルに話しかける。


「う~ん、大分気持ちいいけど、こうなると頭も洗いたいなぁ・・・」


「そうですね。すみません、もうお湯が汚れてしまいました。ツカサ様が洗い終わった後で、私が洗えばよかったです。もう一度、お湯をもらってきましょうか?」


 ふむ、確かに頭は洗いたいが、酒場にはほかの客ももう来ているだろうし、もう今日はやめておいた方がいいだろう。


「いや、酒場も始まっているだろうし今日はやめておこう。」


「申し訳ありません」


 リエルが、恐縮をしてしまった。そういうつもりではなかったんが……う~ん。


「リエル、じゃあ、背中を拭いてくれるか?」


 こういう時は、何か仕事を与えてあげた方がよいと思い、身体が固くて、自分では届かない背中をリエルに任せる。


「はい、畏まりました。」


 そう言ってリエルが近寄ってきくる。

 服を羽織った音もしなかったので、今、リエルの上半身はきっと裸なんだろう。


 おれは、リエルの方を見ないようにしっかりと壁を見つめ、壁のシミを数える。(いや、数えないけどもね)


 リエルが布きれを桶に浸して絞っている音が聞こえた。すると、リエルが、その細い手で、布きれを俺の背中に当ててくる。

 決して力は強くないのが、しっかりと拭ってくれていて、ちょうど気持ちいい感じだった。


 グッ、グッ


 部屋に、リエルがおれの背中を拭う音だけが響く。


……


「ツカサ様。では、次は私の背中を拭っていただけますか?」


 空を覆っていた、雲も晴れたのだろう。窓から入ってきた、月明かりに、リエルの背中が白く映える。


 ゴクリッ。


 おれは、思わず唾を呑み込むと、そっとリエルの背中に手を添える。


「んっ」


 リエルが小さく、うめき声を上げる。


「リエル……」


「ツカサさま……」


 思わず、おれはっ


……

…………




「ツカサ様。ツカサ様っ!」


「ん?」


 おれは浅い眠りから目を覚ました。


「終わりました。」


 リエルがいつものペースでこちらに告げてくる。

 ちょっと、眠っていたらしい。


 リエルも自分の身体を拭き終わったようで、すでに自分の服を着込んでいた。

 上着は、しわになるからか、羽織っておらず。白いお腹がこちらに顔を向けている。


「やっぱり、明日は服を買いにいこうな?」


「そうですね。1枚買っていただけると助かります。さすがに、これでは人前にはでれませんので……」


 いや、一枚といわず、何枚も買っておこうよ……


「さて、では、まだ少し早いようだが、そろそろ寝ようか。おれは、ちょっと厠にいってくる。ちょっとカンテラを借りるな」


「かしこまりました。では、ベッドを整えておきます。」


 そういって、カンテラをもって、寝る前のトイレへとおれは向かっていった。


……


 そうして今、おれとリエルは、ベッドを挟んで、お互い向き合っていた。


ということで、第19話です。

ストーリー始まってまだ2日も始まっておりません……

夜が明けるまではもうしばらくかかるようです。


なんだか、司くんが自分の想定以上にノリのいい人間になっていってます……

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