第17話 大和司が、街についたらすること。
ちょっと短めになってしまいましたが、投下しておきます。
さて、とうとう街の中に入りました。
ここに来るまで苦節17話、ドラゴン○エストでいうと、ラダ○ームにくるまで2日とか、遠いよ!転送 するなら、町中に転送しろよ!!
ナレーションのような、独白のようなものを一通り済ませておく。
とはいえ、ようやく人のいる街までやってこれたことは感慨深かった。
「やっと街までこれたな~」
「そうですね」
リエルが気のない相槌を入れる。ノリ悪いなこの子……
「街に入ったら、やることは一つだよな?」
「そうですね」
「よっし、では~」
リエルも分かっているようだ、おれたちは声を合わせて・・・
「宿屋にいって寝るか~!」
「冒険者ギルドに行きましょうか」
「ええっ?」
「え?」
いやいやいや、リエルは何を言ってるんだ?
「今日、かなり歩いたよね?」
「はい、歩きましたね?」
「疲れたよね?」
「疲れましたね?」
「じゃあ、宿屋だよね?」
「……」
リエルが、じっとこちらを見てくる。
いや、ボケもあったが、旅行の時はまずホテルにチェックインして荷物をおいて出かけるのが普通だと思ってこれまで生きてきたが……
「ツカサ様は、どこに宿屋があるのかご存じですか?」
「そのあたりの人に聞けばわかるんじゃない?」
「かもしれませんが、その人は信頼できるんですか? 案内された先が安全である保障もありません。 身分証を作った上で、ギルドに紹介してもらった方が安心ではないでしょうか?」
「かもしれません・・・」
「ということで、冒険者ギルドに行きますよ」
「はい」
どんどん、どちらが従者なのかわからなくなってきている気がする。
リエルが門にいる衛兵に冒険者ギルドの位置を聞くとこちらに戻ってきた。
おれの左手を引くと、街の中心の方へと先導していく。
女の子の手は、ほんとちっちゃいなぁ。そんなことを思い、つながれた手を見ながら、リエルに連れられて歩いていく。
女の子に手を引かれて、街を歩く。
これが高校生の頃だったら、リア充の名をほしいままにできただろう。
現実は、外套に身を包んだ二人組が手をつないで歩くという、少し残念な絵になっているわけだが……
冒険者ギルドに向かって歩いているわけだが、まだ完全に日が暮れているわけではないのに街を歩いている人は少なかった。
街には、石造りの建物と木造りの建物が混在していたが、そのどちらもよく街になじんでいた。
メインストリートと思われる、門からまっすぐに伸びるに道は大きな石畳がきちんとはめ込まれていて、 時折馬車が行き交っている。
なんというか、思った以上に綺麗で立派な街だった。
足元の石畳を見てみると、つなぎ目もきれいにはめ込まれていて、その技術の高さが伺われる。イメージしていたような中世の街とは少し違って、違和感を覚える。
立ち止まっていると、リエルが促すように手を引いてくる。
とりあえず、考えるのはあと回しにしておこうか……そう思いリエルに手を引かれるまま歩きだした。
メインストリートは、何度か途中で折れ曲がっていたが、徐々に街の中心へと近づいていく。すると、目の前には、また大きな壁が立っていた。きっとここが、街の中心部なんだろう。
その壁の少し手前、そこに冒険者ギルドは立っていた。
「おお」
軽く声がでるくらいに冒険者ギルドは、立派な建物だった。
4階建ての石造りの建物で、入り口は、大きなスイングドア(西部劇に出てくるようなドア)になっている。
……
おれは、おもむろに、スイングドアを開けると、両脇のホルダーから銃を抜き出すと店の中に向ける。「なんだ、お前!!?」驚いた声をあげ、立ち上がったガンマンに向けて発砲する。
BAAAAANG!!
……
なんてことはなく、おれは、リエルに促されて普通にギルドの中へ入っていった。
冒険者ギルドに入ると、カウンターの前に座っていた冒険者や、フロアのテーブルに座っていた冒険者達がこちらをちらりと見ると、興味がなさそうに会話に戻っていった。
きっと、多くの新人がくるんだろう。関心がない方がこちらとしては助かる。
建物に入って2人とも外套をかぶったままなのもどうかと思い、フードから頭を出しておく。もちろんリエルの外套はかぶせたままだ。
冒険者ギルドのカウンターには、ザ・受付嬢という感じの女性が座っていた。
緑色の髪が、肩のあたりで切りそろえられたメガネのよく似合うお胸の豊かな女性だった。お胸の豊かな女性だった。大事なことなので、一応、二度言っておく。
うん、正直タイプです。
元あるものにちょっと手を加えているだけなんですが、あっという間に時間が溶けていきますねぇ。
もうこんな時間(=_=)