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第15話 大和司と初めての転職。

毎日投稿するつもりがいきなり途絶えておりました。

まだ途中ですが、ここで一旦投稿しておきます。

 断片的にだが、これまでにリエルから聞いた話や馬車が移動手段であることから、この世界の技術レベルは中世くらいなのだろうと思っていた。そのため、街といっても、決して大きなものではないと思っていたけれど、いい意味で予想を裏切られ、街はかなり大きなものだった。


 街全体を覆う壁は、3~4m位はあるだろうか。感覚的には、街と言うより、城塞都市という言葉がぴったりな気がした。


 街の外に目をやると、街道が四方に伸びる間に畑が広がっている。

さらに、その畑を囲むように1mほどの低い壁が、また張り巡らされている。


 横にいるリエルが静かなのは、リエルもまたこの風景に感銘を覚えているからだろう。


「すごいな~」


 そうリエルに話しかけると。


「はい、街を外から見たのは初めてです」


 珍しく素直な感想が返ってきたような気がする。


「街ってどこもこんな感じなの?」


「辺境の街は魔物の侵入を防ぐため、街を壁で囲むことが普通らしいです。 ただ、アステリアはこの辺りでも、最も栄えている街と聞きますし、その分、壁も立派なものなのだろうと思います」


 なるほど、魔物の侵入防止ということであれば、こんな壁も必要になるのかねぇ。

 戦争にでも備えているのかと少し警戒したが、どうやらそんなこともなさそうだな。

 戦争にでも巻き込まれるのは勘弁してほしいので、その辺りの国や戦争のことについては、あとでリエルに確認をしてみよう。


 さし当たって確認が必要なのは、このまま普通に街に入って大丈夫かということか?何も考えずに街に入ろうとしたら投獄されるなんて事態になったらしゃれにならないし。


「リエル。街に入るにあたって何か注意しておくことってあるか? 例えば、街に入るために必要な条件とか」


 リエルが、少し考えた上で返事を返してくる。


「昔、冒険者をしていたという人に聞いた話になりますが、冒険者カードなどの身分証を提示すれば、どの街にでも入れるといったことをいっておりました。 ソーゴジョーヤク?というらしいのですが、各国間で身分証は共通のものとするという約束がされていると言っておりました」


「相互条約か……国同士が互いに結ぶ国際的な約束のことだね。 にしても、身分証明なんてないな……」


 取得して以来全く車に乗っておらず、身分証にしか使っていない運転免許ならあるんだがね……


「ソウゴ ジョウヤクですね……覚えておきます。 私も奴隷でしたので身分証はありません。 ですが、身分証明のない者でも、関所で入街料にゅうがいりょうを払って、ステータスボードを提示すれば入れるというように聞いています」


「街に入るだけなら特に問題はなさそうだな。入街料にゅうがいりょうってどれくらいかわかる?」


「この街ではどうかはわかりませんが、身分証をなくして銀貨1枚を支払わせられたといったような話をしていたように記憶しています」


「ふむ、それなら問題ないか……」


「あ、入街料にゅうがいりょうについては、身分証を作った後で、保証金を支払った場所に身分証を提示すると返金してもらえるそうです」


 いわゆるデポジットのようなシステムになっているのか……


「身分証は冒険者ギルドで作れるってことでいいかな?」


「はい。冒険者ギルドの他、商人ギルドなど各種ギルドで作成してもらえるはずです」


 なるほど、大体の方針が固まっていく。


「ほかに何かある?」


「はい……実は相談したいことがあります。」


……


 リエルの相談の内容は、エルフという種族の希少性についてだった。

人間がエルフを奴隷にする方法を発見して以降、エルフと人間との関係は非常に悪くなっていて、おれの想像が及びつかないほど、エルフを人里で見かけることは無くなってきているらしい。

逆に、その希少性からエルフを狙うものは多いので、リエルがエルフであることは極力隠した方がいいであろうこと。

 また、エルフを連れられるような人は、一部の冒険者が仲間として連れているか、貴族や大金持ちが従者や奴隷として連れているケースにほぼ限られ、いずれの場合も自衛手段が用意されているので誰かが手をを出すということもめったにないが、そのような後ろ盾がないことがバレてしまうとこれまた誰かに狙われる可能性が大きくなる。

 ステータスボードを提示しなければならないところでは、どうしてもリエルがエルフであることを明かさないといけないので、不審がられてしまい、下手をすると後ろ盾のようなものがないことが他の人にバレてしまうため、何らかの対処が必要であるということだった。


「なるほど……まあ、容姿については外套を着ていればなんとかなるだろうから、問題は、ステータスボードを見せる時の対処か……」


 今のステータスがあれば、リエルを守ることは不可能ではないとは思われるが、確かに面倒事は極力避けていきたいところだった。


 この格好は……金持ちには見えないわな……とするとあとは冒険者か貴族というわけだが……


「冒険者ということで行けないかな?」


「それなんですが、街にいるようなエルフの冒険者は皆一流の冒険者であるらしくて、私の職業は奴隷ではなくなったのですが、村人しかありませんので、疑問は持たれてしまうように思います」


 これは、なかなか厳しいな……


「ツカサ様は、本当に貴族ではないんですよね?」


「うん、貴族ではまったくない普通の生まれだな……生粋の村人と思っておいてくれ」


 なんせ、村人Lv99だし、過言ではないだろう、うん。


「職業も村人なんでしょうか?ほかに何かの職業をお持ちじゃないでしょうか?」


「うん、村人だね。って、ほかの職業って何?」


 そう答えると、リエルが、おかしなものを見るような目でこちらを見てくる……


「ステータスボードの職業のところで確認をできると思いますが……」


 いやいや、そんな目で人をみたらダメですよ?主におれが癖になるから……などと馬鹿なことを思いつつ。


「ステータスボード オープン」


 ステータスボードを開いた。

 言われてみると、リエルの言うとおりで、よく見てると職業の文字のあたりがアイコンのよう四角い縁でどられていて操作できるようになっていた。

 さっそく、職業の文字を押してみると、職業のリストが表示された。


<職業一覧>

村人:Lv99

魔法士:Lv1

剣士:Lv1

格闘士:Lv1

料理人:Lv1


 リストに魔法士と剣士と格闘士、あと料理人が表示されている。

 魔法の使用、剣の入手、素手での攻撃、料理か……どうやら特定の行動によって職業の転職条件が満たされるということなんだろうと思われる。


「あるな、今は、剣士と格闘士、あと料理人というものが選択できるようだ」


 ちなみに魔法士は、一身上の都合により黙っておく。


「では、次のようにするということでどうでしょうか?」


……


 リエルの提案によると、貴族などの良家の子息とその従者(兼ボディガード)という設定にすることはどうかとのこと。貴族でも家を継がない次男などには、冒険者を目指したりするものもいるらしい。要はおれが、貴族の道楽息子で、リエルがそのお目付け役という設定らしい。なんだか納得がいかない……

 貴族なんで語ったらダメなんじゃないか?といってみたが、相手が勝手に誤解する分については問題ありませんとのこと……とはいえ、やはり面倒事はごめんだし、こちらには特に代案もなかったので素直にリエルの案に従うこととする。


「では、剣士に転職をしてもらえないでしょうか?」


「OK~」


 軽い感じで返事を返すと、リエルのいうとおりに、剣士を選択して職業を変えてみる。


『職業が剣士Lv1に変更されました。』

『スキル我流剣術が、Lv1に上昇した。』


 メッセージの表示とともに、背負っていた剣(Tears of Dragon)が急にその重みを増して膝が沈む。

 どうしたのかと思い、ステータスボードを見てみると……


--------------------------------

名前:ヤマト ツカサ

年齢:23

性別:男性

職業:剣士

Lv:1【非表示】


能力 【非表示】

HP:(60+232)×2

MP:(20+189)×2

力:(18+22)×2

知力:(12+26)×2

精神:(14+20)×2

器用:(20+21)×2

敏捷:(25+27)×2

体力:(17+21)×2

運:3


スキル 【非表示】

神魔法Lv10

我流剣術Lv1


称号 

神の暇つぶし(ステータス2倍)【非表示】

【無効】最強の村人(運+10)【非表示】

無慈悲な一撃(一定確率で即死攻撃発動)【非表示】

歩く災害【非表示】

ドラゴンスレイヤー(特攻:竜族、スキル成長ボーナス)【非表示】

大魔王(笑)【非表示】


【カスタマイズ】

--------------------------------


 ステータスを見てみると、ステータスが大幅に下がっていた。

 なにかのボーナスが付いているようで、数値自体は、決して低くはないのだろうが、少しの不安感を覚える。

 また、スキルが増えているのに気付く。さしずめ、誰にも習ってないので我流剣術ということなんだろう。

 そして、村人でなくなったからか、称号『最強の村人』が無効になっている。

 運のボーナスがなくなるのは少し痛いな……

 まあ、ボーナスについては、またイシュアちゃんにでも聞いているか……

 当面の目的は、街に無事に入ることなので、とりあえずはこのままでいいだろう。


「どうかしましたか?」


 おれが、考え込んでいるのを見て、リエルが声を掛けてくる。

 

「剣士に転職したよ。」


 おれは、リエルを心配させないように、考えていることを棚上げしておいて、転職が終わったことを伝える。


 リエルは少し首を傾げたあと、言葉をつづけた。


「すみません、ありがとうございます。 では、あらためて、ツカサ様は、遠くの地方の名家の息子で、私は、ツカサ様のご両親に雇われた従者兼ボディガードということでよろしいでしょうか?」


「おれに言わせれば、正直リエルの方が綺麗でお嬢様っぽく見えるけどねぇ……」


「い、いえ、エルフに仕える人間なんて聞いたことがありません」


 リエルが早口で言葉を重ねてくる。うーむ、完全否定か……


「まあ、これで街に入る準備も整ったってことかな?では、今度こそ、いくとしましょうか!?」


「かしこまりました」


 そうして、おれとリエルは改めてアステリアの街を目指すこととした。街道を道沿いの少し先に見えている関所|(?)を目指して歩いていく。

 

 関所までの行程の四分の一は歩いただろうか?街の壁に設けられた大きな門から馬に乗った一団がこちらに向かってきているのが遠くに見えた。

 その一団は、結構な速度で移動しているようで、おれたちが歩いている間に、関所も通り過ぎて、あっという間におれたちの目の前まで迫ってきていた。

 

「前の者たち、道を開けろ~!!」


 一団の先頭を走る白馬に乗った女が声を張り上げる。


 馬に蹴られて死亡とか……どこかで聞いたことのある諺|(?)的な状況ならある意味うれしいが、まだ馬に蹴られて死ぬ状況にもいかないっ!

 

 ということで、リエルとともに普通に街道の脇に逸れておく。


 俺たちの前を一団が通り過ぎていく、大体80人はいるのではないだろうか?騎士や兵士と思われる者たちを先頭に、後ろの方には装備のバラバラな者たち(きっと冒険者だろう)が続いて、その後ろには馬車が続いていた。

 きっと、調査を行うための一団なんだろう……心当たりが有り有りだったが、ここはもちろん知らないふりをしておく……

 

 先ほど声をあげた先頭を行く女騎士がきっと隊長なんだろう。一瞬で通り過ぎていったが、よく整った凛々しい顔立ちをしていて、なかなかの美人さんだった。すかさず、リエルに気づかれないようにガン見しておいた。


 今、顔の横あたりにあたっている視線はきっと気のせいなんだろう。うん。

投稿おそくなりました!!

少々、以前書いたものに手を加えておりました。

熟考できていないところもあるので、甘いところがありましたらご容赦ください。


転職時のステータスの変更の方針をさる方とも相談させていただいて、

変更しました(大勢に変更はありません)。


転職後もステータス維持の予定でしたが、

一定の条件(単純ですが)に従って弱体するようにしました。


次話でやっと街に侵入できる予定です。

進行が遅くてすみませんm(_ _)m


三点リーダ使いだしてみました!


5/24

ステータスの補正値を若干修正しました。


6/10

一団の人数を50人→80人に修正。

兵士が50人、冒険者が20人、後衛の積荷を運んでいる馬車に10人ほどの内訳です。

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