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第13話 大和司は、準備を整える。

街に着くのはまだもうちょっと先のようです。

 お互いに落ち着いたところで、リエルが話しかけてくる。


「ツカサ様、この後はどうするおつもりなんですか?」


「あー、とりあえず、この先に街があるらしいから、そこに向かっていたんだった」


 予定らしい予定ではないが、とりあえずの考えをリエルに伝える。


「アステリアの街ですね」


「リエルは、知ってるの?」


「はい、本で読んだ程度ですが。アステリアは、竜が住むアステリア山脈の麓にあり、交易の中継地として栄えた街で、多くの商館があると聞きます。 また、竜や迷宮を狙って冒険者が集まるために大きなギルドがあるらしいです。それらから採れる素材や、魔石が名産のようですが、他には、特に目立った産業はないようです」


「な、なるほど……」


 一を聞いたら十を答えられた感じだ……


「ギルドというのは、冒険者ギルド?」


「はい、冒険者の斡旋というのでしょうか?冒険者ギルドが、依頼人からのクエストの受注と、冒険者へのクエストの発注、報酬の支払いを取りまとめることによって、冒険者の暮らしを安定させていると話を聞きます」


「ふむ、じゃあ、とりあえずは、冒険者になって生活費を稼ぐというのが妥当な線か?」


「そうですね。」


 なんか軽い相槌……

 まあ、従者として、こちらの判断に従うということなんだろう……と思っておこう……


 うんうん、そう一人でうなずいていると……


「ツカサ様、この服ですが……」


 リエルがいま着せられている、おれの背広の胸元あたりをつかみながら、遠慮がちに尋ねてきた。


「ああ、もちろん、何かいい服が手に入るまで着ておいてくれ。 ごめんね、女の子用のものじゃなくて」


「いえ、もちろん……ありがとうござい……」

 

 最後の方で、声が小さくなっている。少し照れてるのかな?

 では、いざ出発!!の前に……


「じゃ~、まずは、あの馬車から何か使えるものを探してみようか?」


「ああ、奴隷商の馬車ですね……ツカサ様の話を聞く限り、生きているものもいないですし、中のものを持って行っても大丈夫でしょう。 持ち主の居なくなった荷物に関しては、その荷物に関して特別の遺言等を聞いていない限りには、基本的に拾った者の物としていいことになっています」


「うん、聞いてないな」


 おれが馬車を見つけた時には、誰もいなかったしな。

 リエルとともに、馬車の中身を確認する。


 ちっ、金目のものはありゃしねぇ・・・


 おっとっと、別にお金が欲しかったわけじゃないですよ!


 馬車はリエルの運搬がメインだったようで、食糧や水など野営用の荷物が積まれていた。


「アイテムボックス オープン」


 街までどれくらいかかるかわからない、空いているスロットに食糧や水を中心にめぼしいものをあらかた入れておいた。


 また、何があるかわからないので、リエルにも見つけたバックパックを渡し、重くならない程度の食糧と水、毛布を渡しておく。


 また、小ぶりのナイフを見つけたので、同じく見つけたウェストポーチのベルトにつけておく。


 リエルが着れそうな服を探したのだが、おっさんたちがつけていたであろう肌着が見つかっただけで、いろんな観点からそれは遠慮しておいた。


 その代りというか、外套というのだろうか?

 頭まで覆いかぶせるようなマントがあったので、ありがたく2人分もらっておく。


 アイテムボックス内の食糧や水の保存状態がどうなるかわからないので、おれのバックパックにも食料と水を追加しておいた。


「アイテムボックスですか・・・」


 リエルが胡散臭そうな声を上げている。


「アイテムボックスってみんな使えるものなんじゃないの?」


「いえ、アイテムボックスは、空間魔法を使える魔法使いか、商人などで神から加護を受けた人くらいしかつかえるものではないと聞きます。 昔、話を聞いたことがある冒険者も加護を得るため、しばらく商人をやっていたことがあるように言っておりました」


 アイテムボックスは普通じゃなかったのか……ステータスボードと同じようなものかと思ってたが、これから使うときには少し気を付けないといけないかな。


「あー、どちらかというと後者のほうだと思っておいて」


「でも、アイテムボックスというのは、こんなに量が多く入るものなんでしょうか……」


 さすがに、容量もほとんどいっぱいになってはいるが、馬車内の食糧とかのほとんどを、アイテムボックスにいれたのもまずいのか……


「ま、まあ、いろいろ事情があってね……あまりほかの人にはいわないように頼む」


「……かしこまりました」


 少し首を振っているように感じるが、一応リエルも納得はしてくれたようだ。


 最後に、放置されていた財布と思われる小袋や散らばっていた貨幣をあつめると、金貨が2枚、銀貨が18枚、大きめの銅貨が120枚、小さめの銅貨が12枚ほどみつかった。

 いま手元にある冒険者パックについてきた貨幣が、銀貨5枚と銅貨20枚なので合わせたらそこそこの額にはなっている気がする。


 二等分してリエルに渡そうとしたら、お金は主人が持つものだと固辞されたので、はぐれた時用だと、なんとか説得し、冒険者パックについていた分はリエルに渡しておいた。


 小袋に入れているだけだと落としそうだったので、ウェストポーチに小袋ごと入れて持つようにした。


 貨幣の関係と価値についてリエルに確認したところ、またもや半眼でみられつつ(なんだか癖になりそうな気がしてきた)……


「小銅貨が10枚で、銅貨になります。銅貨は100枚で銀貨に、銀貨は20枚で金貨になります。 また、金貨の上には、白金貨があり、金貨10枚で白金貨となりますが、白金貨は通常の取引ではほとんど使われることはないように聞きます」


 とのこと。また、貨幣の価値については、


「私も実際に買い物をしたことはないのですが、街で一食すると、大体銅貨で5枚~10枚くらいの間だと聞いたことがあります」


 ふむ、話を総合すると、誤差はあるだろうが大体の目安としては、


 小銅貨1枚が10円

 銅貨1枚が100円

 銀貨1枚が10000円

 金貨1枚が20万円

 白金貨1枚が200万円


 くらいの価値があるということになるのかな。


 合計で、金貨が2枚、銀貨が23枚あるので、総額を計算すると60万ちょっとくらいか……とりあえず、少なくとも2~3か月は、これでやっていけそうだな。でも、なるべく早く、お金を稼ぐ手段を確立しないといけない。


「あの、ツカサ様。ナイフをお借りしてよろしいでしょうか?」


「うん、いいけどどうするの?」


 リエルにさっき馬車で見つけたナイフを渡しながら聞くと。


「はい、地竜の牙や爪、鱗は、高値で取引されていると聞いています。 人間が簡単に倒せるようなものではありませんので……」


 そう言って、地竜の死体の解体に取り掛かる……

 

 が、刃が地竜の皮に入らずに苦労しているようだ。危なっかしい手つきだなぁ……


 おれも動物(竜を動物って言っていいのか?)の解体なんてやったことないが、素人目から見てもリエルの手つきは怪しかった。きっと刃物を扱ったことがないのだろう。


「ちょっと貸してみて」


 リエルからナイフを借りると、こちらも若干怪しい手つきながら、強化された力を使って無理やり気味に解体をしていく。

 犬歯?ではないか、尖った大きめの牙、人差し指の大きな爪、背中の大きくて形の綺麗な鱗を中心に布にくるんでアイテムボックスにしまっていき、肉についても綺麗にばらせる部分は、解体してこれもアイテムボックスにしまっておく。


 ほとんど食糧ではあるが、これでアイテムボックスが9割がた埋まった感じであった。


 アイテムボックスのサイズは大体荷馬車1台分くらいと思っておけばよいようだ。

 どういう仕組みになっているかは正直わからないが、空間に現れる板のようなものが区分けされており、その区分に手を突っ込むとドラ○もんの四次元ポ○ットのようにアイテムが呑み込まれていく。


 一つの区分けには1種類のアイテムしか入らないようだが、袋に入れたり布で包んだりすると、どうやらひとまとめにして一つのアイテムと認識されるようだ。つまり、爪と牙と鱗とをばらばらにいれると、3つの区分を使ってしまうが、それらを1つにまとめて包んでからいれると、1つの区分に入れられる。

一つの区分に入れれるサイズは、大体1㎥くらいだということがわかった。


 ナイフについた血を布で拭うと、鞘に入れてそのままリエルに渡しておく。

 従者が武器を持つことに反対したが、護身用に持っておくように説得して納得をしてもらった。


 ずいぶん時間がかかってしまったが、あらかた必要なものは確保したので、最初の街、アステリアに向けて、おれとリエルは歩き出した。

日間ランクが7位になっていましたっ!

我ながらかなりびっくりです。

お気に入りに入れてくださった方も500人を超えていました。


みなさま、ありがとうございます!!


だんだん、こんなのを投稿していいのかとちょっとプレッシャーを感じてます・・・プロットをもう一度見直しておこう・・・


お暇つぶしくらいにはなれるように引き続き頑張ります!



投稿時のチェックですぐに誤記に気づきます・・

貨幣の価値は、調整をするかもしれません。


5/6

誤記直しました!

多い>覆い


誤記をさらに修正。多くてすみません^^;


6/10

文章の体裁を少し修正


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