第11話 大和司の決断。 その1
前後編に分けました。実家から東京にもどりますので、後半は東京でUPします。
子供のころ、両親から言われていたことがある。
万が一、奴隷にされてしまうことがあれば、
酷いところに売られてしまう前に、
信頼できる人を見つけてその人に自分をささげなさい。
そういって、奴隷の主人を決めるための必要な儀式を教えてくれた。
奴隷は、その左手に奴隷である印をつけられる。
その印は、契約の儀式を経ると、魔法の力で奴隷の命とリンクして、
契約に基づいて、奴隷のルールを破れないように強制をされる。
奴隷は複数の主人に仕えることはできない。
主人の許可なしにほかの者に移譲されることはないし、
万が一主人が死んでしまった場合、
本来奴隷には許さない、自ら死を選ぶ権利が与えられる。
本来、あまりにも扱いがひどい場合、
その奴隷には主人を見限ってほかの主人につくことが許されている。
しかし、そのような機会を見つけることはほぼ不可能といっても過言ではない。
例えば、外にでれないように、閉じ込めておけばそれだけで済んでしまう。
奴隷にされてからの6年間、今まで、こんな機会すらなかった。
本人が平民といっているので、社会的な強さはもっていないかもしれない。
でも、地竜をあんなに簡単に仕留める強さ、
人気のないところで、女奴隷を拾っても、丁寧に扱ってくれる人としての人格。
この人なら自分を守ってくれる。
会ってから間もなくて、会話もほとんどしていない。
でも、理由はわからないけど、私には確信めいたものがあった。
もしかしたら、精霊様が教えてくれたのかもしれない。
私は、その自分の確信を疑うことをしなかった。
私は、立ち上がって、ツカサさん、いや、ツカサ様に、その思いを伝えた。
「私をあなたの奴隷にしてください。」
ツカサ様は、どうしたのか少し上の空で返事をする。
「うん」
「う・・・ええっ!?」
話の内容を理解したのか、少し驚いている。なぜか、頬も少し赤い気がする。
女としての勘とでもいうのだろうか、私は、ここで譲ることはできないと思い、話を進めていく。
「ありがとうございます。」
「ちょ、ちょっと待って、奴隷にするってどういうこと?」
そうは言いつつ、ツカサさまはこちらを見てこない。
真剣に私の話を聞いてくれていないのだろうか。
横を向いているツカサ様の正面へと回る。
「ちょっと」
ツカサ様がさらに赤くなる。
視線が、私の顔ではなく、どこか少し下を見ている。
その視線を追いかけて、ゆっくり下に向けていくと、ツカサさまが何を見ていたかがはっきりとした。
奴隷の館で着せられていた服は、大きく裂けており、
お腹というよりは、胸から下の部分が大きく開いている。
顔が一気に熱くなる。
どうしたんだろう?
奴隷になってから裸を見られることなんて、
今まで何回もあることだったのに・・・
両手でむき出しになったお腹を覆う。
ツカサ様が慌てて後ろを向く。
「ごめん、わざちじゃないんだ」
その慌てた姿をみると、私は、とっておきのことを思いついて、
心の中で笑みを浮かべた。
ランキング100位に入れたので、お気に入りに入れてくれるかたが増えてきましたっ!みなさま、ありがとうございます。
自分のできる範囲で頑張っていこうとおもいます。
ここの最後のセリフだけは誤記ではありません、
本人あわてて噛んだ設定になってます!
その実、文字打ってる時に普通に打ち間違ったものの
それっぽいので、そのままにしておりますっ!
他の記載は十中八九誤記ですので、お暇でしたら、容赦ないツッコミをいただけると幸いです……
本人恐縮しますが……