工藤新一が生まれたのは、GW
誕生日だからって特に良い思い出は無い
どこに行っても人、人、人
遊園地に動物園に水族館
今まで色々な所に行ったが、ちっとも楽しめずに終っていた
しかし、18歳の誕生日は
今までの誕生日と比べ物にならないくらい
―幸せな日
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―5月3日 阿笠邸
明日で18歳になる俺はいつもと違ってウキウキしていた
こんなにはしゃいでる名探偵なんてなかなか見れねぇぜ☆
だって、明日はパーティーをしよう!!って
蘭が言ってくれたんだ〜♪
新一と蘭の関係は、はっきりいって進展していない
相変わらず、みんなに夫婦だとからかわれて
それをうるさいと否定している関係である
新一は、今年こそは発展させてやるとやたらニヤニヤしていた
「何ニヤついてるのよ、気持ち悪いわね。」
「うっせぇなー志保。」
「感謝しなさいよ、去年の冬に私があなたを元に戻してあげたこと。」
「感謝してますよ、志保お姉さま。」
「な・・。」
去年のクリスマスに、俺と志保は無事に元の姿に戻れた
組織を破壊し、やっと平和な日々を過ごせる様になった
志保は帝丹高校の3年生として学校に通い始めた
本当はもう大学に入れる年だが、高校に行きたいという
彼女の願いを叶えるために、博士が頑張っていたのを良く覚えている
帰国子女として、転入して来た志保
学校一のクールな美少女として誰からも慕われている
ツンツンしていた彼女も、次第に高校生らしくなったもんだ
「もう10時なんだから帰りなさいよ。」
「いいじゃねーか。」
「明日は・・・大事な日でしょ?」
「はいはい。じゃあな、志保。」
「ええ、おやすみなさい。工藤君。」
新一が部屋から出て行くのをジッと見つめる志保
何でこんなにも切ないのかな??
きっと私は、工藤君のこと―――
志保はペチペチと手のひらで頬を叩く
それはもう過去のことよ・・・・
志保は何度もそう言い聞かせる
そして、空を見上げた
「頑張ってね、工藤君。」
神様
私はあなたを信じていません
けど、たった一つのお願い
叶えてくれませんか???
「・・・。」
どうか彼が・・どうか工藤君が幸せになれますように―――
゜・。+☆+。・゜・。+☆+。・゜・。+☆+。・゜・。+☆+。・゜・。+☆+。・゜・。+☆+。・゜・。+☆
―5月4日
いつもより1時間くらい早く目が覚める
きっと心が弾んでいるからだろう
早めに朝食を済ませた新一は部屋の掃除を始めた
ほこりっぽい本棚にはたきをかける
掃除機に細かいチリやゴミを吸い込ませる
とびきり綺麗な部屋で、盛大に盛り上がりたい
ピンポーン
まだ朝9時だというのに・・・早ぇよ蘭
新一は苦笑いで玄関の戸を開ける
「新ちゃん!!!」
「母さん!?」
玄関には有紀子が笑顔で立っていた
すぐに愛しい一人息子を抱きしめる
新一は嫌そうな顔をしている
が、ここで突き飛ばす程新一はひどい男では無い
久しぶりに会えたのだから、喜んでやろう
「新一に、プレゼントがあるのよぉ。」
「え、何々??」
「出てきていいわよ♪」
パンパンパン
新一は唖然としている
そんな新一の頭や服には色とりどりの紙テープ
大成功!!と笑い合っている少年探偵団に志保に服部に和葉ちゃんに
・・・純白のドレスを着た蘭
「どうゆうことだよ。」
「おめでとう、新一!!!!」
「おめでとう、新一さん!!!」
「おめでとさん、工藤。」
「おめでとう、工藤君。」
「・・・おめでとう。」
えっと・・・つまり
俺は驚かされたってことですか??
良く分からないまま、とりあえずみんなを家に招いた
みんなは次々と新一の家へ入っていく
「蘭、何だよこれ。」
「みんなが驚かせたいって。」
「そうじゃねぇよ!!」
「?」
蘭は首を傾げた
新一はポリポリと頭をかきながら
照れくさそうに言葉にする
「どうして・・そんな可愛い格好してんだよ。」
「え?新一のお母さんが着させてくれたの。」
「・・・。」
母さんめ・・・
蘭のドレスは本当にかわいくて
まるでお姫様の様だった
いつもと違って髪をあげている蘭
それがまた可愛い
「それより新一・・今可愛いって。」
「!?・・・そ、それは・・。」
アタフタしている新一の目に入ったのは
玄関で微笑んでいる志保だった
今なら言える
頑張って言うんだ・・・
「蘭。」
「何・・・?」
「俺・・・蘭のこと・・・。」
神様へ
私の願いは叶いました
ありがとうございます
本当は、私も彼と幸せになりたい
そんな気持ちをどこかにしまい込んでいた自分がいた
けど、今ね
彼は彼女と幸せに笑っているから
その笑顔を見るだけで私も幸せになれる気がするんです
「志保ー乾杯するから来いよ。」
「ええ。」
幸せそうに笑う彼
志保は定番なあの曲を口ずさんだ
「ハッピーバースデートゥーユーハッピーバースデートゥーユー・・・
ハッピーバースデーディア・・工藤君」
「ハッピーバースデートゥーユー。」
最後にはみんなも一緒に歌ってくれた
幸せそうな笑顔で、幸せそうに笑って
一番幸せなのは・・・工藤君
だけど、なぜか私も凄く幸せなの
周りに楽しそうな人がたくさんいる
それだけで、幸せになれるの
「かんぱーい!!!!」
カツンッ!!
コップとコップがぶつかる音が響き渡った
志保は、ガヤガヤと騒がしい部屋を出て書斎の椅子に腰掛けた
さっきの歌
小さい頃、自分の誕生日に一人で歌っていたの
きっと・・お姉ちゃんも歌ってくれることを望んでいたんだ
遠く離れていても、お姉ちゃんの優しい声が聞けるかもしれないって
思っていたんだ・・・・・・
「志保、さっきはありがとな。」
誰もいないはずの部屋
志保の後ろには、歯を出して笑う新一がいた
志保はいつもの口調で彼に聞いた
「何のこと?」
「ほら、玄関で微笑っていてくれただろ?あれでなんか緊張ほぐれた。」
「・・・そう、良かったわ。」
「・・・俺、今日幸せだ。」
「・・・私も。」
志保は、涙が零れそうになったので
上を向いて、涙が零れない様にした
初めてなの、幸せで泣いたのは・・・・
お互い、幸せの形や色は違うけど
二人共、笑顔が輝いている・・・・
今日は、とってもとっても幸せな日
Happy day―――
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