リアルの都合により更新が遅れました。しかも中身薄っぺらいです。その分次の話くらい読み応えがあるものにしたいです・・・。
おはこんばんちは〜。
幻想郷最速かつ幻想郷一のブン屋、射命丸文で〜っす。
今日も今日とて取材の毎日。ネタ捜しはキツいですが、やりたい事をやっているのだから決して辛くはないです!
いやホントですよ?決して誰もまともに取材を受けてくれないからってあること無いこと新聞になんかしてませんよ?
高速で移動する私ならではの、一日に色々な場所へ赴いてはネタになりそうなものを手当たり次第に集める、なんてスタイルがお決まりなのですが、今日は少しゆっくりと辺りを観察してみようかと思います。
う〜ん、やはりあの疾走感が無いと物足りないですね。
今からでも元のスタイルに戻しましょうかねぇ。
そんな事を考えてると、ふと洞窟が視界に入りました。
あそこは確かにとりさんが機械を創るのに最適な環境を作り出した場所だった筈。
私が愛用しているこの一眼レフ、これだってにとりさんによる改良により通常の1.5倍の距離まで綺麗に撮れる様になったり、水に落としても壊れなくなったり―――河童である彼女が水の中で使えない物を創る筈も無いですが―――と、結構な恩があります。
普段外からも聞こえる機械音が聞こえていないのは、彼女が留守か単なる休憩か。
何にせよ今がチャンスです。これを機に取材でもさせてもらいましょうか!
洞窟の近くにまで移動し、着地する。
そこで気が着いたのですが、とても大きなトカゲが寝そべる様に倒れていました。
びっくりして声を上げかけましたが、いかんせんここで下手な刺激を与えるのは得策では無いでしょうし、反射的に口を塞ぎました。
でも冷静に観察すると、そいつは身体をピクリとも動かしません。
普通生物は寝ているなら呼吸による器官の上下によって、お腹にしろ肩にしろ動きがあります。
それがないということはつまり、こいつは死んでいる。
安堵感に胸を撫で下ろし、揚々と近づいていく。
うーん、本当に死んでいますね。ピクリともしないし、息をする気配もなし。
さて、問題も解決、早速潜入取材を―――
そう思った矢先に洞窟の奥から人の気配を察知したので、慌てて身を隠す。
影だけしか見えませんでしたが、そこにあった形はどう見てもにとりさんの形はしていませんでした。
どちらかと言うと、かなりの大きさの男。女性であんな体格がいたら引くレベルでした。
幻想郷の生き物は、基本外の世界の人間よりも背が小さいらしいです。
そんな情報を仕入れて来るのは、あの妖怪以外に想像つきませんが、信用は出来ません。
あの方は何を考えてるかまったく分からない。
まるで世捨て人みたいな生活をしてるかと思うと、それとなく幻想郷の異変に関しては敏感で博麗の巫女の手伝いをしていたりと、動きに脈絡が無いように感じます。
っと、そんなことを考えてる内に、影が姿を現しました!
―――驚いて声も出ませんでした。
その男は、身長180を超えてると予測される程の大男で、白髪のオールバック、西洋風の黒の鎧に、赤い外套。
顔立ちは整っており、一言で言えばそれなりに美形な部類に入るでしょう。
だがしかし、そんな事を気にしていては記者としては三流。相手が誰であろうと平等な記事を作成するには、私事など捨てるしかないのです。
………まぁ、かっこいい事に変わりはありませんが。
あの人は、恐らく外来人なのだろう。
あんな目立つ人が幻想郷に住んでいたのならば、この私が見逃す筈もありません。
彼はこちらに気づくことも無く、一本の木を見上げている。
何をするのでしょう、興味が湧きます。
その瞬間、彼はその高さ4メートルはあると予想される大木を、たった一回の跳躍でその頂点に足を乗せていました。
嘘でしょ?あんな事、普通妖怪にだって易々と出来るものではない。
飛ぶ能力を基本持ち合わせている妖怪は、意外と身体能力は高くない。
例外はいるが、基本人間よりも丈夫で長生きなだけで、極端に違いはない。
その常識を覆す決定的瞬間を、私は見てしまいました。
胸が、ドキドキしています。
こんなに取材しがいのありそうな人に巡り会えるなんて、あぁ神様!感謝します!
私は、興奮を抑えながら彼と同等の位置まで飛び、すぅ、と息を吸う。
『あやや、木の上に登ってる変な人がいるから興味本位で来てはみましたが………、面白そうな人がいますね』
わざと彼に聞こえる様に声を出す。
ちょっと人間からすれば遠い気もしますが、妖怪の視力的にはこれでも見えるのでさじ加減が取れません。
しかしそんな私の考えは徒労に終わり、的確にこっちの姿を捉えている。
その正面姿を、私の相棒であるこの一眼レフで何回も撮る。
不安定な足場にいるにも関わらず、彼は微動だにしません。
どれだけ身体能力が高いのでしょう。ますます興奮してきます。
ある程度撮り終わった為、今度は直接取材です。
自分の中で早く取材したいという気持ちが昂ぶり、そこに地面があるかの様に空を蹴り、私は爆ぜた。
一瞬で彼の目の前に立つと、彼は驚いた顔をしていた。
まぁ確かに、彼が本当に外来人だとするなら、こんな速く飛ぶ生物なんていないでしょうし。
―――そもそも、人間みたいな身体に羽が生えている生物がいないのだろうが。
それにしても、確かに彼は驚きはしていましたが、しっかりと私から目線を外さなかったことには疑問を感じます。偶然なのかもしれませんが。
『どうもー清く正しい射命丸と申します。あなたの事を取材したいんですが、よろしいですか?』
私は思考を止め、目の前にいる取材対象へと話しかけた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
『取材?』
『はい、取材です』
あっけらかんと目の前の少女は答える。
『何故私が取材を受けなければならないのだ?』
『貴方に興味が湧いたからです』
さも当たり前の様に答えた。
『……………………』
『では取材開始しますね、まず貴方の名前を―――』
『待て、私は取材をしていいとは言っていないぞ』
『いいじゃないですか、減るものじゃありませんし』
『減る減らないじゃない。それに私は、マスコミじみた事は好きじゃないんだ』
『そうなんですか?』
『あぁ。マスコミは確かに一部の場面では優秀な存在だろう。だけど私からすれば中途半端な存在だ。相手の事情などお構いなしに問い詰めるかと思えば権力にはつき従う。私からはそんな印象しか取れない』
『そう、ですか』
彼女が口を閉ざすと、辺りは一斉に静かになる。
少し言い過ぎただろうか。
しかし、彼女は何かを決意したかの様な瞳でこちらを見据える。
『安心して下さい!私は決して貴方を裏切るような事は書きません。
私の記者魂に懸けて!』
先程のどんよりした雰囲気は何処へやら。すっかり元に戻っている。
真っ直ぐな瞳だ。
『………分かった。だが君と私は初対面、かつ今の関係はこうだ。
全てを喋る気はないがそれでもいいか?』
『はい。私みたいな職業だと、人に信用されること自体が難しいから慣れてます』
自嘲気味な笑顔で答える彼女を見て、罪悪感を覚える。
だが、こう言った相手は警戒しておかないと、後で酷い目に会う可能性がある。
私みたいな個人が集団で群れを成している相手に下手に情報を与えると、もし完全に敵対してる相手なら恐らく何も出来ずに大群によって殺されてしまうだろう。
だからといって完全な拒否は相手への宣戦布告になる場合がある。
結果的に、譲歩するしかないのだ。
個人としての無力さが、私の理想を破壊した。
力無き理想など、只の徒労だ。
それは我が身を以って理解している。
絶対的な力なぞ存在しない。
1が大軍に匹敵する力を備えていても、それ以上が相手になれば負けるのは必定。
数は力なり、まったくもってそのとおりだ。
だから私は臆病になるしかない。
こんな平和そうに見える世界でも、何があるかは分からない。
可哀相だが、彼女を信用するにはまだ時間が足りなさ過ぎる。
でも、信じることが出来ない訳ではない。
彼女の真摯な瞳は、少なくとも嘘を言ってる風には感じなかった。
だから、要点だけなら問題ないだろう―――
そう思い、私は話し始めた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
あれから十分程度。彼は当たり障りの無い程度の内容を公言してくれた。
『では、纏めるとこんな感じでしょうか』
名前はエミヤシロウ。彼は外来人で、死ぬ寸前に謎の声に導かれて幻想郷へと辿りついた。丁度守屋神社の屋根に落ちてそれを修理した彼は、その礼に守屋神社に居候させてもらっている。
『あぁ、そんなものだ』
………なんですかこのフラグ男。
偶然に偶然を重ねた結果が、女三人(二人は神だが)の住居に居候だなんて、世界中のモテない男性に二つの音叉の間に縛られて只管鳴らし続ける刑に処されてもおかしくはないですね。
しかも本人はそれを全く美味しい状況だと理解していない時点で度し難いです。
まぁ私には関係のないことですが。
『まぁいいでしょう。今日は取材にご協力いただき、ありがとうございました』
ぺこりとお辞儀をすると、彼もそれに応えた。
では、これで失礼させてもらいましょう。
『では、また会えることがあれば会いましょう!そのときはもっといろんなことを教えて下さいね〜!』
それを最後の言葉にして、私は飛び去る。
空を切る音が心地よい。
やはり飛ぶのはこの位速くなければいけませんね。
さてさて、これをどう記事にしましょう。
内容的にも大々的な記事にするのは難しそうですし、しかし腐らせる訳にもいかない。
誇大発言も考えましたが、今回は止めておきます。
彼の真剣な気持ち。
嫌い、というきちんとした理由を話してくれた。
私そのものにではなく、私の行為の否定。
今まで取材を断られた理由の大半は、私のせいと言われていました。
記事にするとあること無いこと書かれる、と。
否定はしません。記憶が曖昧なときはよくやってしまいますから。
でもそれは恐らく本当の理由ではない。
自分の弱みを晒け出したくないが故に他人のせいにする。
その矛先は、最も敵として認識され易い存在。
つまりは、私だ。
汚れ役だと理解していても、心は痛む。
それを承知でこの仕事に就いていても、辛いことに変わりはない。
風は気持ちいいけど、心はブルー。
やはりネガティブになるのは性に合いませんね。
突如、視界が歪む。
正確には、視界内の空間が歪んでいる。
空間が裂ける様に横に開いていく。
あれは、幻想郷の住人ならば誰もが見た事があるであろう"境界"。
誰もがあれに巣食う者の正体を知っているであろう。
幻想郷で最強と謳われている妖怪。
私が先程思考した、世捨て人じみた妖怪。
その姿が露になっていく。
体を表す様に紫を基調としたドレス、何の為に所持しているか不明の傘、たなびく金髪の中に伺える読めない笑顔。
まごうことなきその正体は―――
『八雲、紫―――』
最悪だ。
彼女に会うときは大抵ロクなことがない。
偶然鉢合わせになったとは思えない。
彼女の能力を知っている者なら誰だってそう思う筈。
だからこそ、最悪。
意図的な事なら尚更質が悪い。
彼女と会ったのは久しぶりだ。よって怨み関係ではない、はず。
それにあの妖怪が個人に対して動くと言うのは滅多にない。
心当たりが全く無い。
考えごとをしてる内に、彼女の目の前まで移動していた。
一瞬、そのままスルーしようかとも考えたが、無駄なので止めておいた。
たとえ私が本気で逃げたとしても、彼女にとっては止まっているのと同義。
それにそれがきっかけでつきまとわれるのは迷惑極まりない。
私は観念して、八雲紫の眼前で停止した。
『ご機嫌よう、鴉天狗』
『………貴女に出会った事で気分は最悪ですけどね』
やり場の無い憤りをぶつけてみたが、本人は全く気にしていない様子。
くそ、この余裕が神経を逆撫でさせる。
『私に何か用ですか?忙しいんですから、後にして下さい』
『私の用はね、貴女のその忙しい行為に関係するの』
何を言っているんだ?
『貴女、先程取材した男の事を記事にするのは止めなさい』
先程までの悠々とした目付きではなく、威嚇に近い目付きが私を捉えている。
『正確には、止めてもらえないかしら?が正しいわね』
『―――何故です?』
あの人間と彼女がどういう関係かは知らないが、こちらも易々と引く訳にはいかない。
『彼と言う存在は、まだ幻想郷全ての人に知られる訳にはいかないのよ』
『理由になっていません』
『今は分からないでしょうけど、これは充分すぎる理由よ』
『話になりません』
そんなその場凌ぎな言い訳、聞く耳持ちません。
『どうしても駄目かしら』
『こちらも仕事なもので』
『―――そう』
諦めか落胆か読めない表情。
でも私は確信していた。
こう言った意見の相違が起こる事、それはつまり―――
『なら、闘って貴女の口を封じます』
―――闘いのゴングが鳴る瞬間だと言うことを。
今回の紹介は、巷で人気のある射命丸文です。
射命丸文<しゃめいまる あや>
種族:天狗(作品によって微妙に変化)
能力:風を操る程度の能力
二つ名:伝統の幻想ブン屋
見た目:髪色は黒。その頭には頭襟が乗っかっている(被っている?)。
頭襟とは山伏がしている格好のひとつで、天狗は山伏の格好をしているとされている。
他にも梵天袈裟と呼ばれるものがある。
腰には天狗の象徴とも言える葉団扇が差してある。
これは風を操る程度の能力の大本となっているもの(のはず)で、恐らくこれがないと発動は出来ない或いは威力が激減するかなるかと思います。
もちろん足には天狗下駄(一本歯下駄)を履いている。
因みに風神録で着ているYシャツは神主(作者)のものからきているとかなんとか。
首にはカメラ(作者によってデジカメとか古式なものと様々)を下げており、ネタ帳は常に忍ばせている。
性格:真面目だが融通が利かない。記事のポリシーは「真実だけを客観的に」というだけあって特に記事のネタの信憑性にはこだわりを見せる。その割りにいい加減な記事が多いのはご愛嬌。
新聞屋という仕事の性格上誰に対しても人当たりが良い。他の天狗たちと違い他種族の出来事も積極的に記事にするため人妖双方に極めて顔が広い。
妖怪の山に住む鴉天狗はゴシップ好きな種族であると言われ、鴉天狗たちは自分たちで新聞を作りその内容を競う大会を開いているらしい。彼女自身も幻想郷に住む少女たちの噂を集めるのが大好きで情報収集のためなら三日三晩の張り込みも辞さない。文は「文々。新聞」(ぶんぶんまるしんぶん)という新聞を発行しており、東方文花帖(現実で売っているよ!)では彼女の記事と言う形で幻想郷の日常が語られている。
物凄い機動力を持ち、幻想郷最速の座を欲しいままにしている。
物凄い酒飲みで、鬼と同等の飲兵衛である。
その鬼の一人からは、『強い者には下手に出、弱いものにはきつくあたる。強いのに惚けた振りをする』という評価を貰っており、その性格故に嫌われている面もある。
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