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ニーソっていいね。ていうか靴下全般。リリンが産み出した文化のキワミアッーーーー!

幻想に惹かれた者達
父親として
窓から入り込む少しだけ肌寒い風がカーテンを靡かせ、私の身体へと吹き抜ける。
私はベットに座り込んでた身体を持ち上げ、窓を閉じて外界との接点を絶つ。これで、今本当の意味でこの空間に居るのは私だけだ。

フランドールがこの場から去ってから三十分は経っただろうか。静かすぎるこの部屋へ訪れる影の気配は無く、同時に私はこの場から動くべきかどうか思案していた。
正直言えば、あのヴワル魔法図書館での出来事以来あそこが今どうなっているかが気になっていた。

記憶に残っている凛としていた趣のある構造は最早存在せず、言葉通り地震が発生した後の屋内と大差ない惨状が出来上がっていたのを、鮮明に憶えている。
あれを造り上げてしまったのは、他でもない私だ。私には片付ける責任と義務がある。
しかしフランドールが言うには、今は午後を過ぎて暫くが経過している。とっくに片付けられていてもおかしくは無い。
―――だが、私はあの図書館の全てを見た訳ではないからそう思えるだけで、目に見えないところではそれこそ見るに堪えない惨劇が出来上がっていた可能性だってある。それならば通して作業していたとしても終わるかどうか怪しいもの。

『………悩んでる位なら行動したほうがいいかもしれんな』

答えを導けない禅門答程無意味なものは無い。私は一旦思考を振り払って出口へと足を運び、ノブに手を掛ける。
しかしそのまま押し出すつもりだったドアはいきなり前へと進み、掴んでいた手ごと身体が引っ張られ踏鞴を踏む。

『あら、どこへ行こうとしてたのかしら?』

目の前には、此方を訝しげな目で見つめているパチュリーの姿があった。どうやらお互いに偶然ドアを開けようとしていた様だ。

『図書館の様子を知りたくて、今から向かおうかと思っていた所だ。何せあの始末だったからな、心配にもなる』

『あぁ、図書館なら現在進行形で修復中よ。ったく、派手にやってくれたわね本当に』

明らかな棘を含んだ物言いが心に突き刺さる。彼女にとって、あそこは聖域に等しい場所だったに違いない。そう考えると心苦しさが増大する。

『私も手伝わせてくれ。あれを造り上げたのは他でもない私だ、手伝うのは当然の義務だと思うのだが』

『まぁそうでしょうね。でも結構よ。もう大半が終了してるし、何より貴方には怪我が治った暁には給料分足して壁の修繕費分働いてもらうつもりだから、早く治って貰わないと此方としても困るのよ』

抑揚の無い声に覇気の無い瞳。儚そうなイメージが漂う彼女だが、言動はアグレッシブそのもの。
ここまで元気なら、後ろめたく感じる必要性もなさそうだ。

『そうか、なら今は休ませてもらうとしよう』

私は再びベットの傍に戻ると、そこへ腰掛ける。とても柔らかに沈むそれは、見た目相応の高級感を漂わせる。

『身体を休ませてるついでだから、幾らか質問させてもらうわよ。少しは心当たりがあるんじゃない?』

『―――む』

『順を追って質問するわ。まず貴方―――一体何者なの』

『言っただろう、エミヤシロウだ。人間だよ』

予想と違った質問をされて内心戸惑うが、冷静に返す。
サーヴァントと答えても理解されないだろうから、一応人間ということにしておく。矛盾は残るだろうがそれはその時だ。

『少なくとも、ディルムッド・オディナではないと信じていいのかしら』

その名前が出てきたことに驚いた。私はてっきり、あの時使った槍の事を質問されるとばかり考えていたから。

『―――ほう。君は知っているのか、彼の英雄を』

『舐めないで貰いたいわ。私は知識を識る事に関しては誰にも劣るつもりは無い。そういった知識に関しても例外では無いわ』

ふん、と鼻を鳴らして誇らしげに胸を張るパチュリー。
しかし、私が驚いたのはそこでは無い。ディルムッド・オディナと言う存在を知らしめる物が幻想郷に存在する事に、だ。

私はこの世界と私の居た世界との接点の低さの程度を知らない。
境界線があるというだけで、どこまで情報が届いていないなんてのは知る由も無い。

だが、これで理解したのは、彼の名を彼女が知っている―――つまり、神話時代の文献や書物、情報がこの世界には浸透していると言うことだ。
程度の差こそあれ、恐らくは有名なヘラクレス、アーサー辺りなら誰もが知る所だろう。
そんな英雄の中からあの槍を一瞬見ただけで特定出来た彼女の記憶能力と知識は、確かに賞賛に値するかもしれん。

『あぁ。私はそんな大層な人間では無いよ。歴史に身を列ねる価値もない』

『随分と謙虚―――いえ、卑屈なのね。まぁいいわ。ならあの槍の事を説明して貰えるかしら。貴方の言動から、あれが破魔の紅薔薇(ゲイ・ジャルグ)だと言うのは確信したから、ならそれを何故貴方が所持しているかを聞きたいわ』

『………分かった。君は知識がある様だから、詳しく説明しなくても理解してくれるだろう。あれは投影というものを行使して作成した贋作だ。本物よりも性能は幾分か劣化している』

『投影………?あの槍が贋作?』

当然とも言える驚きを見せる。だが彼女自身も理解はしてるだろう。そうじゃないとあれが今ここに存在する証明にならない。原物を所持してると言うより、造り出したと言った方がまだ信用出来る。

『嘘ではない。ほら』

瞬時に徒手空拳だった右手に投影した破魔の紅薔薇(ゲイ・ジャルグ)が出現する。
パチュリーは興味深そうにそれを品定めするかの様に眺める。

『投影、と言ったけれど。こんな瞬時に造り出すなんてまるで―――』

『魔法、か?』

続きに出るであろう言葉を、同じ言葉で遮る。
パチュリーは口を紡ぐと、少し考える様な表情をする。

『でもこれだけの奇跡を体現するのには、大魔法クラスの媒体、魔法陣、魔力、時間、知識を必要とするわ。でも貴方はその内の媒体、魔法陣、時間をカットしてる。にも関わらず貴方の手にあるそれはまるで本物と変わらない見た目、魔力を内包してるわ。はっきり言って目茶苦茶よ』

『目茶苦茶、か。そんな事は理解してるつもりだよ。確かにこれ程までに再現出来るのは私以外には無理な話だろうな。だがそれと同時にそれ以外の魔術は扱えない半端者さ』

『………魔術?魔法じゃなくて?』

キョトンとした表情で私の顔を見詰めるパチュリー。
見開いた彼女の目は意外にも幼さを醸し出しており、先程までの隠鬱な雰囲気はそこからでは読み取れない。

『魔術を知らないのか?てっきり知っているものだと思っていたが』

『投影ってのは貴方が付けた魔法式の字<あざな>だと勘違いしてたわ。魔術と魔法は異なるものなの?』

興味深そうに身を乗り出して質問をしてくる。ここの住人は興味を示した事柄に対して子供の様になる傾向が強い気がするのだが、気のせいだろうか。

私は、持てる知識の中の魔術の存在、魔術と魔法の違い、投影魔術の詳細を要約して話した。
それにも関わらず、彼女は大体を理解してくれた様だ。流石は自分で言うだけあって脳内で纏めるのも得意なのだろう。

『取り敢えずは理解したわ。あと、貴方がここの住人じゃないことも、ね。まぁ確かに、貴方程の異端がここに最初から居れば間違いなく何かの拍子に噂にはなるでしょうからね。知らない訳がない』

『それは褒めてると受け取っていいのか』

『変人扱いしてる』

ぴしゃりと正される。まぁ当然だが。

『それはいいとして、初撃は一体何で防いだの?流石にその槍では貴方の身体全てを守れる訳が無いし、何よりあの時の貴方はまるで無防備で構えも取っていなかった。貴方、あの時も投影魔術を使ったんでしょ?』

『あぁ。あの時投影したのは熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)という名の投擲に対する絶対の耐性を持った概念武装だ。彼女の使った魔法に対して効果があるかは不安だったが、どうやらギリギリ互角らしい』

『見たことがあるわ。トロイア戦争でアイアスが用いた青銅の盾に7枚の牛皮を重ねた盾よね。英雄ヘクトールの投槍を防いだって理由で耐性があるってこと?』

『まぁ有り体に言えばそうだが、先程も述べたが熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)は概念武装と呼ばれるもので、儀式や積み重ねた歴史、語り継がれる伝承などにより付与された概念に依って特定の能力を発揮する強力な武装の内のひとつだ。歴史上でヘクトールの投擲を唯一防いだ、という事実が浸透されたことにより、対投擲に関しては一級の概念武装と変貌するのだよ。因みに私が纏っているこの外套も、外界に対する一級の守りを持つ聖骸布で出来ている』

『凄いわね………。それ、私用にも作れないの?』

『別に問題はないが………身体のサイズを知らないことにはどうにもできんよ。
それとも君は会って間もない男にスリーサイズを教えるような女なのか?』

その言葉に、明らかに不機嫌な様子になる。怒らせたのはわざとだが。そうでもしなければ色々と強請られそうな気がしたから。

『………考えさせて頂戴』

『それがいい』

ようやく一段落着いたと思い息を吐こうと思った瞬間、再びこの部屋のドアが乱暴に開かれる。
あぁ、またか―――と内心呟く。
この部屋はいつになれば先程までの静然とした雰囲気を取り戻せるのだろうか。

『シロウ~!』

『フランドールか。どうしたそんなに必死になって』

息を乱しながら現れた少女は、私の顔を見た途端顔を俯かせ、服の裾を力強く握り締めた。

『あ、あのね………?シロウにお願いがあるの………』

何かに脅えるように問いかけるフランドールは、俯いた姿勢のまま此方を見向きもしない。
断られるのを恐れているのだろうか。

『なんだ?私の出来る範囲でなら幾らでも聞いてやるが』

『妹様には喜び勇んでお願いを聞くくせに、私の願いは一蹴するのね』

『あれは私の出来ない範囲だ』

嫌味たらしく茶々を入れるパチュリーの発言を受け流し、私は再度脅えた少女の方へと目線を向ける。
しかし少女は先程までとは違い、俯かせた顔を上げ決意の宿った瞳で私を見つめ返していた。

『わ、私の―――お父様になって下さい!!』

刹那、空気が死んだ。

『――――――は?』

聞き間違いだろうか。今どうにも父親になって欲しいと言う言葉が聞こえた気がしたが。
傍らにいるパチュリーも、呆然とした顔でフランドールを見詰めている。
『す、済まない、どうにも混乱してるみたいだ。もう一度言ってくれないか?』

『お、お父様になって下さい!』

―――何ということだろうか。結果先程のは聞き間違いでも何でもなく、ただそうあってほしかったと望んだが故の悪足掻きだったに過ぎなかった様だ。

『………何故そういう結論に行き着いた?』

『お姉様にね、シロウがまるでお父様みたいな雰囲気を出してた~って話をしたら、じゃあ頼んでみたら?って言われて』

思わず頭を抱える。何だか胃も痛くなってきた。

『あのミニマム吸血鬼、余計なことを………』

ぼそりと悪態を吐く。そうでもしなきゃやってられない。

『間違いなくレミィは楽しんでるわね』

『そうだな………』

全身の力が抜け欠けている私を尻目に、フランドールは期待する様な目でじっと見詰めてくる。
やめてくれ、物凄く辛い。

『―――だいたい、どうやって父親になれと言うんだ。私は雇われ執事で、配属一日も経っていないんだぞ。君とも出会って間もない。そんな私が父親になれる訳がなかろう』

これに関してはフォローが出来ん。流石に道徳や常識的に考えて有り得ない。
彼女が私に対して父性を感じたと言うのは、間違いなく気の迷いだ。突拍子のない話なぞ得てしてそうだ。
彼女には悪いが―――、

『駄目、なの―――?』

涙目を浮かべるフランドール。狙ってやってはいないと分かっているからこそ、心に来るものがある。

『あぁ、私は君の父親にはなれん』

『ふぇ………』

心を鬼にして再び宣告すると、彼女の涙腺が今にも崩壊しそうになっていた。

何故そこまでして固執する?
私にはそれが理解出来ない。出来る要因が存在しない。

こんな理不尽にさえ思える状況の中でも、私は私らしい。
目の前でこの少女が泣くのだけは嫌だ。でも彼女の要求を呑むことは出来ない。
そんな矛盾が螺旋となり、交わることなく形を成す。
くそっ、なんだってこう―――!

『―――だが、そう呼ぶのだけなら構わんが。パチュリーがレミリアをレミィと呼ぶ様に、字<あざな>としてそう呼ぶのなら私に拒む理由はない』

『へっ―――?』

彼女がこれで満足出来るのかは分からないが、私にはこれが精一杯の譲歩だ。

私は彼女の父親には決してなれない。
しかし、父親の贋作なら勤められるかもしれない。
格式も繋がりも一切無い、見栄えだけの関係。

私にとっての父親の記憶は、普通の親子の生活とはかけ離れたものだろう。そんな家族という常識の無い男に出来ることなんて程度が知れてる。
―――それでも、この少女が涙を流さなくてもいい様な結果が造り出せるのなら、私はその為に精一杯努力したいと望む。

『いい、の?』

弛まった涙腺は未だに引き締まることなく、堪えてるつもりなのだろうが、端から漏れだしている。
先程までの悲しみの涙の続きなのか、私の言葉によっての嬉し涙なのか―――どちらにせよ彼女次第だ。

『形だけのものだがな。とは言っても、君が望めば遊んであげたりだってする。約束もしたしな』

『――――――――!!』

そう言うが否や、少女は私に向かって飛びついてきた。
衝撃が全身に伝わる。前とは違い、今度は受け止めることができた。
少女は泣きじゃくった笑顔を私へと向ける。憂いが晴れた、いい笑顔だ。

『有難う、お父様』

フランドールの頭を帽子越しに軽く撫でる。それを彼女は気持ちよさそうにしてそのまま私に身体を預ける。

こういったことは、親父にもしてもらったっけな。不器用で、少しごつごつした、まさに大人の男っていう手で。
当時の俺はそれがなんだか恥ずかしくて、事あるごとに振り払ってた気がする。それでも、親父は何度も撫でようとしていた。
子供ながらに変な羞恥心があったせいで、満足するまで撫でさせたことは最後まで無かった。決して嫌ではなかったのも、親父は分かってたんだと思う。そうじゃなきゃそんなに繰り返すとは思えない。
本質が似ているから、何となく理解わかってしまう。同じ正義の味方に゛なりたかった゛者同士、血が繋がってなくてもそれ以上の繋がりが俺達には存在していた。



『フランドール、ひとつ聞いていいか』

『フラン』

私の腰に顔を埋めたままの少女に問いかけると、鸚鵡返しするかの様に自身の名を答えた。
私はその意味を理解出来ず、少し呆然とする。

『フラン、って呼んで。他人行儀みたいで嫌だから』

―――あぁなるほど。
私は納得し、彼女に言われるままその言葉を紡いだ。

『フラン』

『なぁに?お父様』

今度はきちんと答えてくれた。確かにこんな曖昧な関係なのだから、どこかで矛盾を矯正しておけば変に思われることも少ない。
―――いや、そんなことしても腐るほど矛盾は残るが。

それよりも、私達の姿を見て愉しそうにしているパチュリーが何だか腹立たしい。すまきにして転がしたい衝動に駆られる。

『で、なぁに?』

少し思い耽っていた所をフランが戻してくれたことで、再び意識を少女に向ける。

『いや、至極どうでもいいことであり、かなり重要なことでもあるんだが………。―――私は父親と呼ばれる程に老けているのか?』

これはある意味沽券に関わる質問だ。
自分の生前の歳なぞ忘れてしまっていたが、若いつもりではあった。
やはり白髪か、これがいけないのか。

『老けてはいないと思うけど………私が今まで出会った人達の中では一番肉体年齢が高いかもしれないね。で、でもそれが理由って訳じゃないよ。何だかこう、雰囲気が、ね?』

後半しどろもどろになって、手が右往左往と落ち着きなく動いている。
雰囲気、か。そんなじじくさい雰囲気でも醸し出してたのか。
こんなにショックを受けたのは久しぶりだ。
何だか鬱になってきた………。

と言うかパチュリーが顔だけを後ろに回し、口元を押さえてるその姿を見て、すまき転がしからすまき吊るしにしようと内心誓う。

『とにかく!お父様は若いよ!』

『そ、そうか………』

先程までの名残故か、そう言われても説得力が無い。
私は項垂れた姿勢のまま負の余韻に浸る。

『まぁいいじゃない。私達自身男性に会う事が稀だから、基準がイマイチ掴めないのよね』

細々と笑っていたパチュリーがいきなり真面目な表情になり語りかけて来る。その切り替えの速さは無意味に凄かった。

『男が―――?』

ふと、私自身の記憶を遡る。
確かに、ここに来てから未だに私以外の男を殆ど見ていない。見た男は人間の里と天界にいた者だけで、直接関わりがあった訳じゃないから考え方によってはノーカウントだ。
それらを切り捨てた場合、私は女性としか会っていない事になる。

『いったい、どういうことなんだ?』

拭えぬ疑問を再びパチュリーへと返す。

『そこまでは知らない。けれど何故か能力を所持しているのは殆どが女性ね。あくまで私が出会った範囲でだけど』

『………意味が分からないな』

『別に気にすることでも無いでしょ、困る訳でもないし。でも貴方の場合なら、確かに男性との巡り合わせも必要かもしれないわね』

前に一度思った、男が恋しいと言う言葉を思い出す。
女性が苦手な訳ではないが、ここまでいくとそんな考えに到ってもおかしくはないと思う。
好きな食べ物を食べ続けても、いずれは飽きてしまう。何処かに違う食べ物、なんなら飲み物でもいいから落ち着かせないと意味が無くなる。

『そうね………だったら行かせてみようかしら』

ブツブツと独り言を呟いてるパチュリー。いつの間にか本人の中では話が進んでいる模様。

『貴方どうせ今は何も出来ないだろうし、そんなに壊したりした責任を気にするんだったら、私の頼みを聞いて貰えないかしら』

『頼み?』

『魔法の森の中にある、香霖堂って店に行って来て欲しいの。彼処は外から流れてきた色々な物を商品として扱っててね、そこに何か面白いものがあるかを探してきて貰いたいの』

慧音が話していたものと符合する言葉が幾つか当てはまる。つまり慧音が言っていた店とは、彼女が言う香霖堂のことらしい。

『その店に関してはある人物に聞いている。私も興味があったから、君の頼みは都合がいい』

怪我が治れば暫くは紅魔館での仕事に明け暮れる筈。そうなれば時間の都合がまた掴めなくなるのは明らか。
怪我の功名とはまさにこの事。私はこの機に感謝しつつ、まだ見ぬ異色の店に思いを馳せた。

『そう、なら頼むわ。お金なら後で渡すから。
もし足りなかったら店主に置いてもらうよう交渉して頂戴』

『了解した』

話を終えるとパチュリーは舞う様に身を翻して出口へと歩き出す。

『じゃあ私は行くけど、貴方は暫くそこにいなさい』

『何故?』

私の疑問に彼女は、自身の真下を指指す。
その軌跡をなぞると、そこには微動だにしないフランドールの姿があった。
静かだと思ってはいたが、どうしたのかと思う。

『妹様、寝てるから一緒に居てあげなさい。貴方が擬似的な父親になると望んだところでこの子にとっては紛れもなく貴方は父親なのよ。貴方がこの子の安眠を妨げずに移動すればいい訳でも無い。起きた時に居ると信じていた存在がいないと知った時の絶望感と言うのは、幼稚ながらも深いものだわ。吸血鬼だからって生きた年数相応の成長が果たせる訳じゃあない。そんなの貴方だって理解してるんじゃない?』

少女の微かな寝息を聞きながら、今言われた事を反芻する。
私は彼女が何歳かは知らない。でも少なくとも私なんかよりも生きているのは確か。

しかし、それはあくまで人間の定義でしかない。
幼い身体同等、中身もまた幼いまま。私は似たような人物を身近に置いていたからか、彼女の言葉からは深い重みが感じられる。
生きた年数相応に全てが成長するとは限らない。当たり前、なんて言葉は魔術士として在る限り決して有り得るものでは無い。異端として渡り歩くというのは、得てしてそう言うこと。

少女の見た目は本当に幼い。心もそうならば、この時期は不安定になる傾向が強い。
安定した情緒が育まれるには、まず暖かみを知る事から始まる。その大役を担うのが親だ。
この子は私を父親代わりにすると言うことは、本当の彼女の父親は―――だから、その空白の時間、唯一の肉親は恐らくは姉だけ。
家族が恋しいであろう時期に、甘えるべき対象がいないと言うのは辛すぎる。全てを担える程、彼女は成長していない。

そんな中手にした"親"という存在。それは私が感じる以上に嬉しいものだったのだろう。あの過剰な敬愛加減も多少は納得がいく。
パチュリーの言う通り、その最中私が彼女に言われた様な行動を取ると言うことは、心を喰い破る様なもの。
私にはそんなことは出来ない。でも彼女に言われなければそれをやってしまう所だったのだ。

『―――そうだったな。済まないパチュリー、私が軽率だった。本当に感謝するよ』

感謝の意を出来る限りの笑顔で示す。動けない以上、これくらいしか出来る事が無い。

『………取り敢えず、貴方はもっと父親としての自覚を持ちなさい。口頭上の関係だなんて勘違いは、今すぐ撤廃すること』

ぶっきらぼうな口調で私に説教をする。彼女へ感じていた苛立ちは最早消え失せ、逆の感情が芽生え出す。

『あぁ。私が出来る範囲でフランの成長を助けるよ』

『それでいいわ。―――じゃ、妹様が起きるまでの間、ゆっくりしていってね』

それを最後に、パチュリーは部屋から出て行った。

私はフランの被っている帽子を外し、直に彼女の頭を撫でる。触れてる方も気持ちよくなれる様な、とても触り心地の良い触感が感覚を刺激する。
人間と吸血鬼。非なる存在同士がこんな関係になるというのは傍から見ればおかしなことなんだと思う。でも当事者からすればとても真剣なもので、そんな目で見られる筋合いなど欠片も無い。

―――私は、世間がこの関係を嘲笑しないような立派な父親になれるのだろうか。
彼女の為にそうなりたいと誓ったのだから、決して悲しみを負わせる訳にはいかない。

空いた掌を強く握り締める。決意を胸に、少女の寝顔を見つめる。
これは正義の味方としてではなく、エミヤシロウ個人の意思のもの。誰にも曲げれない絶対的な意思。
この子がせめて父親という存在が居なくても生きていけるまで、出来る限り共にあろう。そう誓った。
今回くそも話進んでませんね。ごめんなさい。
お詫びに私の性癖を少し暴露します。

前書きにも書いたけど、ニーソっていいと思う。正確にはニーソを履いた女性の脚。
ただ履いてるだけもよし、靴等を履いて蒸れたそれを、嗅いだりはみはみしたかったり。
素足だけよりも、靴下類を履いているというだけで扇情さが億万倍に跳ね上がる。

合切普通な服を着ていようと、ニーソがあるだけで何でもエロスに感じる。
因みにパンストやタイツもGood。あれってパンツとかも透けて見えるから単品だけでエロいのにもうね、至って健全な絵とか見ててもそんな風に見えるからそろそろ末期かもしれない。
足の指とかがこう折れ曲がってたりするとグッときます。
ルーズソックスは邪道です。あれはなんか違うんだよね。だるんだるんだからか、靴下としての醍醐味が一切発揮されていない。ぶっちゃけると不潔な感じしかしない。

友達に靴下の良さを布教したら一人信者になりました。やったね!
日々そんな紳士を生産するよう少し努力してます。なんなら皆さんも(ry

えーと、上記の発言ですが、全て『ただし二次元に限る』を付けた元読んでください(遅






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