自分の小説を読み返してみると、昔の方が厨二っぷりを発揮してたという事実にションボリ。取り敢えずこういったパートは厨二っぽく書きづらいと言い訳しておこう。
曇り無き蒼天の下で優雅な暮らしを満喫している天界の住人。
天候は常に曖昧で、お世辞にも優雅な暮らしをしている者など稀にしか居ない地上の住人。
身体が豊かであるが故に心は貧しく在り続ける天人。
身体が貧しいが故に助け合い心に実りをもたらす地上の生物。
私は、そんな者達の狭間に潜む者。
視界は常に薄暗く、気質は常に台風。静電気も常に辺りを覆い、酷い時には常に雷鳴が轟く。それは、そこが雲の中心部に位置しているから。
天候の作用を一身に受けるここは、生活するには不便極まりない。
だが、私は存外ここを気に入っている。
だって、私は―――――
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
『―――ふぅ』
地上から遥か上空。雲すら突き抜ける程の世界に私は今腰を降ろしている。
太陽を遮断するべき雲を超越した場所にあるにも関わらず、それに対する対処などは行われていない。曰く、天人の皮膚ならばこの日差し位気にもならないらしい。
堕落した毎日を送っている存在にも関わらず身体は丈夫と言うのも、不条理な気がします。
『総領娘様には相変わらず困ったものです』
彼女が起こした異変が解決されて暫く経ちます。
その事件をきっかけに私は彼女のお目付け役として本格的に任を任される様になりました。
仕事が増えたこと自体に不満はありません。
………しかし、上の方から貰える給金はその仕事内容の何分の一にも満たないものです。
彼女の我が儘により振り回される毎日。心安らぐ機会がまるでありません。
他の仕事もあるのに、こんな状態ではいつか倒れてしまいかねません。
溜め息を吐きつつ思い腰を持ち上げる。
せめて今の時間だけでも安らぎたい。そう思った私はいつもの場所へ向かおうとする。
私以外の存在は滅多に来ないあそこなら、誰にも邪魔されることなく過ごすことができる。
そう思っていたのだが―――
その場所へと辿り着くと、見覚えのある人物―――いや、妖怪がこちらにひらひらと手を振っていた。
『何か用でしょうか?』
安らぎの場を荒らされた多少の憤りを無視して彼女へと語りかける。
『えぇ。貴女にちょっと朗報があるのよ』
『朗報、ですか』
私の彼女への第一印象は、読めない人だ、でした。
彼女の行い全てがまるで柳の様に受け流しつつ、でも常に何かに捕らわれている、そんな感じ。
彼女が何をしたいかなんてのは、私には到底わかりません。
面倒でも聞くしかありません。何よりも自身の安息の為に。
『そう。とは言ってもまだ可能性の話ですけれど』
妖しく微笑む妖怪。その動きひとつひとつが、計算されたものにしか感じ得ないのは恐らく気のせいではないのでしょう。
朗報の内容も、自分で仕込んだものに違いありません。
『まず………貴女。貴女は今の状況に多少なりとも不満があるのではなくて?』
『………何が言いたいんです?』
『あの天人に手を焼いているのでしょう?
本人が行った行動であるにも関わらず一番損をしているのは自分だなんて、不満が起こらない訳がない』
やはり、彼女は全て見透かしている。そしてそれを理解して尚、私と総領娘様を利用しようとしている。
彼女は総領娘様―――いや、天人と言う存在を嫌悪しているのに関わろうとするんだから、それ程の事なのだろう。
『………まぁ、確かに総領娘様の我が儘には困り果てていますが、それと貴女の目的と何か関係があるのですか?』
『あら、やはり気づいてたのね。
なら単刀直入に答えるわね。ここに一人の人間がやってくるわ。あくまで確率の話ですけれど』
『何の目的でそんなことを』
『その人間の為よ。その為に貴女達を利用させてもらうわ』
利用すると言う時点で最早遠慮の無さが伺える。
ならば、こちらも少しは反抗しても罰は当たるまい。
『利用、と宣言する威勢の良さは理解できましたが………それを易々承諾するとでも?』
それを聞いた妖怪は、今度は愉しそうに笑う。
どうやら、この行動もあちらにとっては予想通りのもののようでした。
『先程も言いましたけど、これは貴女にとっても益のあることなのよ?
―――そうね。彼がここへ来る名目が、あの子の家庭教師というものだからよ』
『なっ――――――――』
驚愕する私の顔を覗いて、彼女は満足そうな笑みを浮かべる。
『これなら貴女が都合の悪いときだけでも彼を雇うことで少しは負担を減らせるって、ことよ』
『………仕事ならば、上を通さないといけないのではないですか?』
天人を嫌う彼女が、そんなことを行うとは思えないが。
『それは貴女の給料から差っ引くわ。貴女からすれば不満な金額でしょうけど、アルバイトとして少し抜いたところで払うには法外だと思わない?』
明らかな嫌味を混めたそれは、やはり天界の生活への不満が見え隠れしている。
………確かに、通常の仕事感覚でならその金額は目を見張るものがあるでしょうけれど。
『なら、貴女も嫌と言う程理解してるでしょう?彼女のその呆れるほどの我が儘さを』
そう。その仕事を割に合わないと思う理由の大本として、その部分が露呈しているのです。
あれは余程精神力が強いか、どれだけ彼女の我が儘を受け流せるかの技量かのどちらかがないとストレスで胃に軽く穴は開きますね。経験者は語る。
因みに私は半々です。
『えぇ、だからこそいいのよ。
言ったでしょう?これはその人間の為の行動だって。それに、彼なら遣り遂げるわ。確実にね』
先程までの飄々とした雰囲気が削げ落ち、私の瞳を同じもので貫いている。
ただの人間に彼女が興味を持つ筈がありません。とすると、その人間とやらも異端の類なのでしょう。
『―――因みに確定事項みたいな言い方をしてますが、私がこの件を断ったらどうするんですか?』
『殺すわ。天人に関わる存在すべてを』
黒い旋風が私達を中心に発せられる。
それは辺りに立ち込めた暗雲が彼女の発した霊圧による衝撃で起きたもの。
ビリビリと感じる私に向けられた明確な殺意。冷徹なまでのそれは、否応無しに身体を強ばらせる。
『………脅しですか?』
『そんなつもりは無いわ。貴女が承諾しても彼が来ないなら契約は無意味だし』
『でも、貴女はここにいる』
それほどまですると言うことは、つまりはそういう事だ。
『―――まぁ、そんなに脅されてはこちらも承諾せざるを得ないですね』
彼女が脅しを否定しても、その嘘が肌から離れない。少なくともこうでもしない限りは。
『ありがとう。彼は来るとしたら妖怪の山頂上―――つまりは天界への昇り道に来るわ。
暇な時に顔を出してくれればそれでいい。その時にその彼がいれば事を運んで頂戴』
あれだけ脅しておいて、私達はただの布石でしかない。それは暇な時と言う時点で丸分かりだ。
しかし彼女のその必死さ故に、どうにも真意が掴めない。
我々は布石程度の役割でしか無い筈なのに、彼女が出した殺気はそんな事実を容易く打ち砕く。
その矛盾した事実のせいで、彼女の目的が分からない。兆しが見えれば多少反撃の余地はありそうなものなんですが。
何にせよ、私がここで要求を否定したところであちらにとっては不利な状況足り得ないと言う姑息な手段を盾にされてはこちら側としてはどうしようもない。
彼女は天人に関わる者全てを殺すと豪語した。
それは言葉にする容易さとは反比例する物である。
彼女があの状況であの条件を出したのは、あわよくば言葉通りの事実を起こしたかったからなのだろうか………。
『はぁ………。それにしても、その彼と言う人物は何者なんですか?貴女がそこまで固執するのには理由が?』
重苦しい程の殺気が収まり、先程と変わらない空間が訪れたことによりやっと質問を投げ掛けれる。
面倒な人を相手にしている事を、嫌でも認識させられる。
『―――英雄よ。理想を追い求め、人間としての自身を殺し、最後にはその理想に溺れた、哀れな"えいゆうさん"よ』
彼女のその言葉は、今までの語りで最も感情が見えなくて、最も哀れんでいる様なものだった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
『そろそろだろうか………』
裏から回り道をすること約二時間程。見たことの無い景色に僅かな既視感を覚えるが、それが間違いだと気付くのに大した時間はかからなかった。
見覚えのある感じのしたそれは、見ていた世界は違えどとても見覚えがある景色でもあった。
胸元で動く感触に目を向けると、相変わらず上海がシロウの腕に抱かれているのが分かる。
彼自身、どうにか離れて貰える様試行錯誤を繰り返し実行していたが、彼を父親と呼ぶ小さな娘はそれらを頑なに拒んだ。そして最後には、彼が折れてしまう。
もし自身が普通の生活をして、普通に子供がいたのなら、今みたいな状況に悩まされたのだろうか。そんなアリもしない状況で逃避したくなる程に、彼は己の甘さに呆れていた。
だが、しかし―――
『どうしたの?おとーさん』
仮初めとはいえ、シロウのことを父と慕う少女がいる。
普通の生活には戻れないし戻る気も無いが、結果的にそれと変わらない状況下にあるのだから、結果は恐らく別の自分が何度繰り返そうと不変に等しいのだろう。
ならば、それに甘んじてしまってもいいのでは無いのだろうか。
何事かと見つめる少女の頭を撫でる。
その頭は、撫でるにしてはあまりにも小さなものだが、不器用ながらもその手は少女の頭を優しく撫でる。
少女はそれでも十分過ぎると言わんばかりにシロウに全てを委ねていた。
気持ち良さそうに頬が緩んでいるその姿に、シロウの手はその動作を止める気配を見せない。彼自身も悪い気分にはしていない様だ。
………その感情は、父の愛情か、動物を愛でる感情か。それは本人のみぞ知るが。
『さぁ、行こうか』
撫でている手はそのままに再び歩き出す。
頂上までの距離は見た目程のものではなく、あっさりと辿り着いた。
その視界には、遠目に守屋神社が見える。
裏手に回る機会が無かったから知らなかったが、こんな広い土地があったとは思わなかった。
これではアリスが役割を果たしていないと簡単に見つかってしまう。
彼女のことを信じ、目的の場所で待機する。
ここら一体だけ、山とは思えない程の草原と化している。
誰にも侵されなかったこの空間に、私と言う異物が混入している事に、多少の背徳感を覚えたが、過ぎたことを悔やんでも意味がない。
ならばせめて、この一瞬だけでもここと共にあろう。
―――体は草で出来ている。
血栓は維管束、心は根。
幾度の季節を越えて腐敗。
ただ一度の伐採もなく、ただ一度の蹂躪もない。
彼のものは常に在り 草の原にて天の恵みに酔う。
故に、その生涯に意味など問わず。
この体は、無限の草で出来ていた。
『くっ――――――』
我ながら、即興だがそれなりのものとなったと思う。
こんな莫迦みたいな事を考えてしまう程に、私は暇を持て余していると理解してもらえれば幸いである。
―――あれから数十分。私は何もすることが無いままその場に立ち尽くしている。上海は私の腕の中で眠ってしまった為、そっと草の上に寝かせておいた。
太陽が暖かい。風が心地よい。自然が音色を奏でる。微かな土の匂いが癒しを与える。
―――ぶっちゃけると、眠いのだ。
こんなに睡眠に適した空間であるのに、それに反逆するというのは、拷問に近いと言っても過言では無い。
草の絨毯に腰を降ろすと、一気に体中の力が抜けて、眠気に相乗効果をもたらす。
欠伸を何度も繰り返し、その度に両手で自身の頬を叩く。
―――いつの間にこんなに平和ボケした身体になったのだろう。
魂から全てが緩み切っているこの堕落した一瞬。それがとても幸福に感じて。
でも、根底では自身の在り方に疑問を持ち続ける。これで良いのだろうか?と。
それが自身の根源から溢れる物なのか、自身に侵食し拭えない程に侵されてしまったこの身体が反応している物なのかは分からない。
凛に言われた言葉を思い出す。
幸せになって欲しいと。
いや、正確には口にはしていない。
私が勝手にそう解釈しただけ。
幸せの定義とは、何なのだろうか。
誰かを救いたいと躍起になっていた者の思考とは思えないだろう。
救い=幸福が一般的な理論なのだから、幸福の全てを理解しているからこそ、全ての者を救いたいと思えるのが普通なのだから。
そんなこと、今更になって考える時点で終わってる。
やはり私は空虚だ。行動理念に中身が伴っていない。
孔の空いた杯が利用価値が無い様に、私自身も孔だらけ。
雫を注ぐ労力も、その杯に対する期待も、全てが溢れ落ちる。
仮に他人がその価値を見出した所で、杯<わたしじしん>が価値を見い出せ無いのなら、それは意味のないこと。
自分自身が認められないことを、他人に期待しようとも思えない。いや、期待した所で実感が持てない。
悲しいかな。結局は他人を優先し続けたが為に自分自身を捨てた結果、優先したものが一番手の届かない所にまで遠ざかってしまい、省みない自身には何も残らない。
握る手の平は、何も掴めやしない。いや、私が握り絞めたいものは本当に掴めるものなのかすら分からない。
今の私は、産まれたばかりの胎児と何が違おう?右も左も分からず、ただ泣き叫ぶことで自身の存在を実感し、何かをしたくても能力と知能が及ばず、他人にそれを求めてもそれを伝える術があまりにも稚拙で難解なもの。
子を産んだ母親でさえ、普通そこらの存在と変わらない理解力しかないのなら、誰が胎児<わたし>を理解してくれる?
―――私は、理解されたいのか?
自問自答した結果、新たな疑問にぶつかる。
理解されたからと言って何かが変わるとは思えないし、こんな私を誰が理解しようと思う?
そんな面倒なこと、誰が好き好んでやろうと思う?
でも、そうしなければ一生ここで足踏みしか出来ないまま終わってしまう。
私は、きっかけが欲しいのかもしれない。
私の存在意義を確立してくれる何かを与えられるきっかけを。
他人の言葉が納得のいかないものでも、最早それしか矯正する手段が無いのかもしれない。
知らず、溜め息を吐く。考えれば考える程深みにはまってしまう。そうなればただのいたちごっこだ。
思考を振り払い、おもむろに仰向けに倒れこむ。
『きゃっ!』
その視界に収まる筈だった太陽は、謎の影によって阻まれる。
その影は、まるで何かに触れようとした時にその何かが動き出し、思わず腕を引っ込めた様な形を取っている。
『あの………』
影から声が聞こえる。それでようやく、私は倒れたばかりの身体を持ち上げる。
そこに居たのは、天女だった。
髪は深海のような蒼。黒の帽子に付いたリボン。そして何より、身体中に纏っている薄桃色に赤のフリルがついた羽衣が、目の前の女性を天女だと認識させるには十分な材料だった。
『もしかして、君が―――』
『もしかして、貴方が―――』
二人の言葉がシンクロして響き渡る。
二人して目を開かせ、僅かな沈黙の後お互いに軽く笑う。
彼女の微笑みが、先程の禅門等を繰り返していた私の頭をほぐしてくれる感じがした。
『初めまして。私は永江衣玖と申します。
お互いの勘違いでなければ、貴方が今回家庭教師を名乗り出た―――』
『あぁ、そうだろう。私はエミヤシロウ。よろしく』
お互いに握手を交わす。
その時気のせいか、多少だが手に違和感を感じた。まるで、たわしを軽く握っているような痛み。
握手が終わった後すぐに手の平を確認してみるも、外傷はなし。
やはり、気のせいだろう。
『では、行く前に少し確認させて下さい』
そう切り出してきた彼女の言葉に耳を傾ける。
『まずひとつ。貴方は何故ここを希望したのですか?』
『………これは面接かなにかかね?』
『いえ、こちらとしての好奇心です』
面接があったら、多少怖いな。なにせこちらは学生時代の練習以外、そんなものには縁がなかったからな。その頃の曖昧な記憶など、当に果てている。
―――寧ろ、面接がないことを前提に動いていた私って………
『理由、か。
そうだな、手軽に出来そうだったから、とでも言っておこうか』
『―――そうですか』
衣玖の表情が、同情の籠もったものになる。しかし、それに彼は気づかない。
『ふたつ。貴方は天界をご存知ですか?』
『………天界?』
『もしかして、知らないのですか?』
正直に頷くと、彼女は苦笑する。
『………えっと、その家庭教師をやってもらいたい相手が、天界―――つまり、遥か上空の国の住人なんです』
『――――――は?』
遥か上空に国?そんなものがあるなんて、そんなところに行くなんて、誰が想像出来よう。
出来る奴はとんでもない誇大妄想狂だ。
『一応、空を飛べない人の為の道はありますけど。そんな物好きは少ないですし、何よりそんな物好きの大抵は空飛べますし』
『………そうなのか』
『あの、無理なら仰ってください。私に強制する権利はありませんから』
私を心配してか、彼女は様子を伺いつつそう告げる。
確かに天界という、予想だにしなかった場所への勤務だが、そんなことだけでは私の決断は揺るがない。
何より、私は早苗のことでは何もできないのなら、せめて他のところで彼女達の助けになりたい。その為なら、多少の苦労くらい安いもの。
『大丈夫だよ。多少の苦労なら慣れているからな』
『そう、ですか』
不安を拭えない表情が数秒続いたが、目を閉じ一呼吸すると、彼女は引き締まった表情になる。
『わかりました。では、今から案内しましょう』
彼女が草原の一画へと進むと、そこが光となって道らしきものが現れる。
『これは、ある一定の条件の下出現する特別な道です。
この条件に合致していない者には触れることはおろか、視ることすら叶いません』
彼女が説明を続けたまま歩くにつれ、階段を上るように斜めに軌道を変えていく。
私もそれに着いて行く。私の足元は光の粒子のみで構成されており、踏み外せば恐らくはそのまま落下するか、何かしらの措置が施されるか。
どちらにせよ望んでそれを確かめようとは思わないが。
段々と上るにつれて、空気が薄くなっていくのが分かる。
ふと、後ろを見ると初めて幻想郷に訪れた時のことを思い出す。
あの時もこれくらいの高さ、いやそれ以上から全景を見下ろしたんだった。
違いは、これほどまで余裕がなかった位だ。
私が居た世界とは異なり、やはりここは美しい。その事実を再認識させられる。
視界に大量に収まる緑。人工的なものは必要最低限のものしか存在せず、その僅かな物も逆に景色を彩る重要な一端になっている。
全てが言葉通り自然に存在しており、全てが均等に世界の一部としてそこに在る。
人間には創造出来ない神秘が、穢れることなく存在しているという事実だけで、感動を呼び起こすには十分だろう。
更には、今私が踏み締めているこの道。近くでは分からないが、それはまさに天の川だった。
この道は、私達以外には認識できないのであれば、何と勿体無いことかと思う。
私と彼女だけが、今この瞬間の景色を見る権利を与えられている。
何の偶然か、ここに来る選択をしなければ私は一生拝むことは出来なかっただろう。
そんな一瞬を、瞼に焼き付ける。奇跡に等しいこの一瞬を。
今回は、近所にいたら幸せになれるお淑やかな女性、永江衣玖さんの紹介。
永江衣玖〈ながえ いく〉
種族:妖怪(竜宮の使い)
能力:空気を読む程度の能力
二つ名:美しき緋の衣
見た目:青色の髪、黒色の帽子に付属された赤のリボン、体中に巻きつかれたピンク色で赤のフリルがついた羽衣。
性格:いたって温和な性格であり、争いを起こすのも巻き込まれるのも好まない性格。
龍の世界と人間界の狭間にすむ妖怪。
普段は雲の中を泳いで暮らし、龍神の様子を見守っている。龍の言葉を理解し、重大な内容だけ人間や妖怪に伝えるといわれる。龍神の言葉の伝え方が本当に「伝えるだけ」であり、悲劇的な内容であっても事務的で淡々としている。幻想郷に大きな地震が発生することを感知してそれを伝えるために幻想郷に現れたとき、幻想郷の住人の一部からは誤解され戦闘になってしまった。
彼女の地震予知は地震そのものを無条件で察知するのではなく、緋色の雲の空気を読むことで地震発生を予測するというものである。そのため、天子の起こした人為的な局地的地震には気づいておらず、「これから起こるであろう大地震」に関しては前準備として気質が集められていたため察知はできたものの、人為的なものとは気づいていなかった。
空気を読める能力故に、KYキャラとなってしまった。
羽衣は武器になる。鞭っぽく使ったりドリルにしたり。ガトチュゼロスタイル!
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