更新が遅れた理由は、携帯を修理していたから。え?パソコンでやれって?いやぁ〜まいったな。パソコンを開くとゲームばかりやってしまってうわなにをするやめ(ry
お久しぶりです。毎度お馴染み射命丸です。
さて、あれから私がどうなったかと言うと、目覚めた時には永遠亭の診察台の上にいました。
その永遠亭に住まう幻想郷いちの天才薬師の八意永琳氏曰わく、私はその場所にいきなり現れていたとか。
それで八雲紫の仕業だろうと踏んでいたのでしょう。特に詮索はしてきませんでした。
彼女もあの時ボロボロだったにも関わらずこんな事をしてくれたと言うこともあり、私は彼女が住まう土地、マヨヒガへと向かいました。
勿論お礼をする為です。
そして今、マヨヒガの中にある八雲家の前に到着しました。
『ごめんくださーい』
横引き戸にノックをしてすぐに、それは開かれました。
しかしそこにいたのは八雲紫本人ではなく、彼女が使役する九尾の狐の式である八雲藍氏でした。
『おや、あんたが正面堂々と来るなんて珍しいな』
おや失敬ですね。まるで私がいつもこそこそ侵入してるみたいな言い分ですな。
『八雲紫さんに会いたいんですけど居ますか?』
彼女の答えは無視の方向で話を進めましょう。
『紫様なら―――』
『ここよ』
その声が聞こえた瞬間、首の横から二本の手が生え、巻きついてきた。
『―――紫さんですね?』
『正解』
と言うか、こんな奇抜な登場の仕方をするのは彼女以外殆どいませんし。
藍さんは呆れた表情をしています。彼女の悪戯好きには手を焼いているようで。
どっちが使役されてるのやら。
『私に用事かしら?』
『えぇ。この前の事で少しお話が』
『この前………あぁ、あの時』
どうやら思い出したようで。
痴呆が進んでるんでしょうか。
『立ち話もなんだし上がって頂戴。藍、お茶の準備を』
『はい』
屋敷の中に消えていく藍さんに続いて私達も入りました。
因みに紫さんはスキマで先に移動してます。本当に便利極まりないですね。
紫さんの部屋へ到着するとほぼ同時に藍さんがお茶菓子と緑茶を盆に乗せて登場。
因みに既に紫さんは部屋で寝転がっていました。
主がこれなのによくもまぁ愚痴も言わずに働いて。
鏡ですね、全く。
『さて、礼の話でしたっけ』
寝転がらせていた身体を起き上がらせ、こちらへ向かい合う。
先程までの緩んだ表情はない。
『えぇ。事の発端と経過が何であれ貴女に助けてもらったのは事実ですし』
取材の妨害、それによる武力介入。考えればこちらが礼を言う筋合いなんてまるで存在しないのだが、こう言った所で得点を稼いでおけば後々便利な可能性もありますし。
物事は常にポジティブに考えなきゃ。
『そう。―――なら、私のお願いを聞いてくれないかしら?』
妖しく笑うその表情に不安を覚える。
『厄介事でも頼むつもりで?』
『いいえ、今回は至極簡単なこと。この通りに動けばいいの』
スッ、と白紙の紙がちゃぶ台を這って私の目の前まで持ってこられる。
しかし白紙と思った紙は近づくに連れてうっすらと何かが書かれているのが分かる。
それを受け取り、目を凝らし内容を確認する。
ここまで他の人物にこの内容を知られたくない理由が、私にはわかりませんでした。
『お願い出来るかしら』
『えぇ。この程度の事なら実益も兼ねれますし喜んで』
『そう。じゃあ頼んだわよ』
その後は他愛のない会話をするだけで、特に何も変わった事は起きませんでした、まる。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
相変わらずの森の中、私は闇雲に代わり映えしない道を歩いている。
辺りは最早漆黒に包まれ、視界も多少濁る真夜中。
恐らく、妖怪もこのくらいの時間が一番活発になる時刻なのだろう。
そう考えると、今の私はかなり危険な状況に陥っていると言っても過言ではない。
戻ると言う選択肢が無い今、私は愚直に歩き続け辺りを見回すことに専念する。
せめて何かしら身を隠せる場所を探さなくてはならない。
出来れば家位の規模のものがいい。
だが、そんな都合のいい展開なぞ―――
『………あるものだな』
豪邸を持つ上流階級の持つ別荘程の規模の屋敷が、私の視界に収まる。
窓から漏れる光の存在から、人が居ることは明白だろう。
屋敷の玄関まで近づく。
大きな屋敷ではあるが、それ特有の喧騒は聞こえない。
就寝にしては早いだろうし、何より電気をつけて寝る癖のある人物なんて滅多にいないだろう。
そんな特殊な人物ではない事を祈りつつ、ドアをノックする。
『はーい、どちら様?』
間も無く女性の声が聞こえる。
―――最近女性としか会話及び出会いが無い気がする。男が恋しい、なんて思うとは思わなかったぞ。
ガチャ、と音を立てて現れたのは、首下程の長さの金髪にカチューシャをつけ、外側をなぞる様に細い青の線が描かれているケープを羽織り、服とスカートも青色で構成されている少女だった。
その風貌は、西洋人形を思わせる程に整っている。
だが、人形には真似出来ない生気の宿った蒼の瞳が彼女が生きている事を認識させる。
恐らく寝ている彼女の姿は、人形と相違無いのだろう。
『済まないが、君はここの主かね?』
『えぇそうよ。
もしかして、泊めてもらいたいのかしら』
『確かにそうだが………良く分かったな』
『だって、ここにはこの森で迷子になった人間が良く懇願してくるから泊めてあげてるの。
―――でも貴方、そこまで困った風には見えないわね』
彼女の言う通り、極端に困っている訳ではないが、それはあくまでまだ何にも遭遇してないからであって。
『顔に出ない性分でね。これでも心底困っていたりする』
『そう………。まぁいいわ、上がって頂戴』
不審な目で見られるも、承諾してくれた。
彼女の後に続き、館にお邪魔する。
外装通り作法も西洋のものらしく、靴は脱がない様だ。
リビングらしき所へ到着する。
そこには、所狭しに人形が大量に飾られていた。
西洋だけでは無く、日本人形もある。
『人形が好きなのか?』
『ええ。大好きであると同時に作る趣味もあるわ』
『ほぅ。それは何とも可愛らしい趣味だな』
『………馬鹿にしてないかしら』
『そんな事はない。こう言った趣味は感受性を豊かにする。それに、素人目からでも君が人形を大事にしているのは分かる。君がどれほどまでこの人形達を愛しているかが分かるよ』
事実部屋一杯、大量にあるにも関わらず人形にはひとつも埃が被っておらず、汚れも無い。
本当に好きで無ければ、こんな丹念には出来やしない。
『………そう。ありがと』
感謝をする彼女はこちらを向いてはおらず、箱らしき物を漁っていた。
『何をしているんだ?』
『人形作る為の材料をね。暇なら見る?』
『いいのか?』
『別に減るものじゃないしね』
彼女の隣まで移動し、中身を見てみる。
………やはり素人には分からないな。
服を作る為の布とから分かるが、シリコンみたいなものの用途は如何なるものやら。
『これは人形自身を構成する部分、つまり身体の部品よ』
視線から察したのか、説明を始める。
『特にこれは魔法で構成された特殊なもので、本当の生き物みたいに身体を動かせる様になる代物よ。まぁ生き物の様に、だから腕一周とか首一回転みたいな事は出来ないんだけど』
『これが魔法、か』
何とも不思議な感じだ。
こちらの世界の魔法は、些か魔術に近い気がする。
とは言ってもこれしか魔法を見ていないから断言は出来ないが。
『魔法の道具を使うって事は、君は魔法使いなのか?』
そう言うと、何やらキョトンとした顔をする。
『………ここに魔法を使えないのに住んでるとか、どんな変人よ』
『そうなのか?』
森に住むと言うのは確かに不便な部分もあるだろうが、変人呼ばわりされる程では無いのではないか?
『―――因みにここが何処だか分かってる?』
『森だろ?』
『何の、森?』
『――――??』
彼女の言ってる意味が理解出来ない。
何の、と言われても森は森ではないのか―――
『あ』
間抜けな声が漏れる。
慧音の言葉が脳内をよぎる。
『………その様子じゃ、やっと気付いたみたいね』
呆れた様に溜め息を吐く少女。
それもそうだろう。
もう少し周りに気を配ればここが何処だか簡単に分かる特徴をしているのに。
『魔法の森、か』
『正解』
窓から外を眺める。
中から漏れた光が闇に侵入して、空中に浮いている物質が何かを容易に理解させる。
『それにしてもこんなに胞子が大量に浮いてるのに良く気がつかなかったものね』
多少馬鹿にした口調でこちらに問いかける。
『返す言葉もないな』
この程度の胞子なら身体に影響は起こらないだろうが、違和感ぐらい覚えるものだろうに。
『でも胞子が身体に影響してないってのなら………。貴方、魔法使い?』
『いや、私は魔術使いだ』
『魔術、使い?そんなの聞いた事も無いわよ』
『それもそうだろう。これは外の世界の力だからな』
『外の、世界の?』
その言葉に彼女は何か強く反応する。
『貴方、外来人だったのね』
『まぁ、そういう事になるな』
外来人とは珍しいものなのか、開口一番で判断は今の所されていない。
判断出来る方が凄い気はするが。
『―――じゃあさ、ここに泊める代わりにその魔術ってのがどんなものか教えてくれるかしら?』
『それは構わないが、君の魔法とやらも拝見したいな』
『えぇ、構わないわよ』
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
『成程ね。しかし、聞けば聞くほど不思議な感じがするわね。その魔術っての』
『幻想郷と外では科学の普及率が大きいから、そう思うだけだろう。文明の違い故に違和感を覚えるのは仕方の無い事だろう』
こちらにはコンロで火を使用する文明の力は無く、魔法の素材の調合等は大釜を使用するらしい。
魔法使いらしいと言えばらしい。
寧ろ機械の力に頼った時点で魔法や魔術はその意味を無くすだろうから、彼女自身羨ましがる事はなかった。
『でも貴方が使う魔術―――投影、だっけ?それは間違いなくその範疇に収まるものでは無いわね。貴方が使う場合だけ、でしょうけど』
『それは単に私が異端なだけに過ぎない。まぁ私はその恩恵にあやかっているのだが』
『貴方の場合得手不得手の問題ではなくて本質が"剣"だから、別に魔術以外でも剣が関係するなら貴方は最大限に力を発揮出来る。ただ、運命が貴方を魔術の世界に引き込んだに過ぎないだけで』
運命、か。
私は自分の意思で進んできた道だと思っていたが、こんな些細な分かれ道も運命に左右されていたのだろうか。
衛宮切嗣に出会った事。
第四次聖杯戦争の終焉と共に訪れた地獄の荒野の中で生き耐えた罪も無い人々。その中で、唯一生き残った自分。
今の私が存在するのはそんな犠牲の下に成り立っている。
でもそれすら、何処の誰かも知らない―――神と呼ばれる存在―――奴の気紛れで起こった結果だと言うのなら。
そんな神を私は決して、好きにはなれないだろう。
神奈子や諏訪子は神としてではなく、生物の一人として接しているから何も問題は無いが、もし彼女達が私の許せない決断をする様なら、私は―――
私は、どうすればいいんだ?
『―――ちょっと、聞いてるの?』
気がつくと、目の前にいる彼女は少々怒った表情でこちらを睨んでいた。
最近どうも、深く考えすぎて周りが見えなくなっている。
少し、自重しなければ。
『すまない、聞いていなかった』
『はぁ………、だと思ったけど。もう一回言うわね。貴方の魔術でこの子達の自律化は出来ないかしら』
いつの間にやらテーブルの上に置かれていた二体の人形。
ひとつは赤のリボンに白と青のドレスを纏った少女の人形。
もうひとつは紅色一色のドレスとリボンに薄いピンクの羽を生やした少女の人形。
どちらも共通して金髪でロングヘアー。姉妹みたいなものなのだろうか。
『この赤いリボンの子は上海、んでこっちは蓬莱』
その言葉に反応するように目の前の人形が動き出し、会釈したり手を振ったりしてきた。
『驚いた?これが私の魔法。魔法の糸で彼女達を操ってるの』
成程、彼女は人形師か。
人形師に関しては詳しくはないが、魔術師にとっての魔法の使い手のひとりの姉に、人形師がいると言う情報を聞いたことがある。
しかしそれしか情報がない為、こちらの魔法とどれほどの差異があるかは分からない。
恐らくはそこまで違いはないのだろうが。
『あぁ。人形師を拝見するのは初めてだよ。こんな細かい動き、並みの技術ではあるまい』
『そうね。ここらじゃ私以外には出来ないでしょうね』
自慢げに話す姿は、先程まで感じた素っ気なさを感じさせなかった。
『さて、本題。この子達の自律化の話なんだけど。
この子達はこうやって私が操ってはいるけど、魂がきちんと存在してるの。想いを込めたりしながら作ったりすることでその想いに惹かれて器である人形に宿ったり、付喪神―――東洋の民間信仰における観念で、年月の経った依り代に神や霊魂などが宿ったものの事なんだけど、この子達にはそれがあるの。
だから、彼女達が動くこと自体は不可能ではないの。
でも、完全に自律させるにはこの身体じゃ不十分なの。依り代の形が変わると付喪神だろうと惹かれた魂だろうと乖離してしまうから、改造なんて真似は出来ない訳』
『西洋の人形でも付喪神と言う観念は成立するのか?』
『えぇ、要は概念だから。それにここじゃ西洋も東洋もへったくれもないしね』
『身も蓋もないな』
『事実ですもの』
便利極まりないな、この世界。
『話が脱線したけど、さっきの挨拶の動きは私が操ったんじゃなくて、あくまで彼女達が動ける環境を造り出したに過ぎないの。だからさっきの動きはこの子達の意思って訳』
『ソウダヨー』
『スゴイデショー』
再び二つの人形が動いたかと思えば、今度は喋り始めた。
そこは流石に多少機械的な感じではあったが、全く気にならない程度の差だ。
ここまで来ると、やはり魔術とは違うことを思い知らされる。
『で、私にどうしろと言うんだ?』
『貴方の強化魔術を、この子達にやってみてもらえないかしら』
『―――どう言うことだ?』
『さっきも言ったけど、改造を施すとそれと同時に魂が乖離する可能性があるから無闇に手出しはできないんだけど、貴方の強化魔術なら物理的な改造を施さないで内面だけ変化出来るかもしれないって事よ』
………そんな都合の良い結果になるだろうか。
第一、私は強化をそんな風に使ったことは無い。
武器の強化、身体の強化がいい所。
人間の身体と人形の身体じゃ構造が似て非なる為、逆にどう弄ればいいかが分からない。
『―――失敗する可能性は、考えないのか?』
『大丈夫。精一杯のフォローはするわ。私にとってもこの子達は特別だから、絶対に壊させたりはしない。それに一方的に頼んでおいて失敗したことを咎めるなんてお門違いじゃない?』
彼女の瞳から伺える真剣で力強い意思。
まるでそれは、我が子の生死を賭けた手術に立ち会う母親みたいな瞳。
母性溢れるものを感じさせた。
『―――そうか』
ならば最早何も言うまい。
ここまで本気の意思を見せられたのだ。ここで断るなんて選択は出来ない。
『いくぞ』
私の言葉に頷くと、構えを始める人形師の少女。
それを開始の合図とし、上海と呼ばれる人形を持ち上げ、想像する。
脳内に製図された上海の構造。
彼女が求めていたのは、この人形の自動人形化。
限りなく生物に近づけるなら、それ相応の対価がいる。
その対価とはつまり、魔力。
人間の構造に関しては理解しているつもりなので、肉付け自体には問題はないだろう。
だが、これは限りなく魔法に近い異形。
人形が生物と化するなんてのは、常識では在り得ない。いとも容易く世界に修正されてしまう。
だが、ここは幻想郷。常識から逸脱した世界。在り得ない事が蔓延る空間。
そんな世界の修正ならば、或いは―――!!
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
正直、驚いている。
彼の言う魔術の性能が知りたくてこんなお願いしたけど、とんでもないものだ。
完全自律とはいかなかったが、予め魔力を込めることで稼動出来るようになっていた。
それも二体とも。
そんな莫迦げた事を成し遂げた存在は、今私のベッドに横たわっている。
魔力の使いすぎでブッ倒れたようだ。
私が目指していた究極の一を、倒れるという代償だけでやってしまった常識はずれの男。
自身が倒れるまで、さっき出会ったばかりの魔法使いの願いを叶えてくれた彼。
最初はいつも通り、一晩泊めるだけで次の日には立ち去る、と言う変わらない毎日が来ると思っていた。
でも、世界は狂った。
僅かながらの確率で起こった偶然の中に孕んだ奇跡。
広大な台地から四葉のクローバーを見つけるくらいの確率に過ぎない今の状況。
彼と言う存在が、私の世界を狂わせた。
『………ありがと』
それに呼応するように、彼の表情が緩んだ気がした。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
まどろみの中から意識を戻す。
視界には天井一杯の白と、それに反射する太陽の光が、今の時刻を予想させる。
身体を持ち上げると、ベットの上に昨日の人形、上海と蓬莱がまるで寝ているように横たわっているのを発見する。
二人をそっと持ち上げどかし、次に自身の身体をベットから抜け出させる。
『あら、起きたのね。起きたりして大丈夫?』
それと同時に部屋に現れた、昨日の人形師の少女。
その手にはトレイがあり、お粥らしきものが乗せてある。
『あぁ。それにしても昨日の記憶が曖昧なのだが』
『結果的には、失敗ね』
『そうか………』
やはり、私程度の魔術と魔力では叶わぬ夢だったか。
『で、でも!成果はあったわよ!』
こちらの落ち込みように気づいたのか、慌てた様子で取り繕ってきた。
『完全自律には至らなかったけど、魔力を込めておくことで自律人形に限りなく近い人形になったわ』
『そ、そうか』
成功ではないが、決してマイナスに働いたわけではないようだ。
彼女があれほどまでに大事にしている人形を壊したなんて事になったら、冗談では済まされない。
『んで、そのせいで貴方は倒れたの。蓬莱も全く同じ性能にして、ね』
『そ、それはすまない。ベットにまで運んで、重かっただろうに』
『確かに重かったけど、上海と蓬莱が手伝ってくれたの。―――まるで恩を返すように、ね』
先程の人形を再び見つめる。
可愛らしい寝顔で二人抱き合って寝ている。
私のやったことは、間違いではなかったようだ。
『それで倒れたんだし、ゆっくりしていきなさいよ。あんな無茶やったなら身体への負担はかなりのものでしょう?』
『いや、私は一刻も早くやらないといけないことがあってね。その粥を貰ったら失礼させてもらうよ』
手渡された粥からは、米特有の匂いと薬味の匂いが漂っている。
病人だろうと、これは食欲をそそるものがあるだろう。
『やること?』
『あぁ。実は私は職を探していてね。一刻も早く稼ぎを得ないと申し訳が立たないのだよ』
『ふ〜ん。世間一般で言うところのニートかしら』
『ぐっ』
『でもまぁ、職探ししてるなら違うかもしれないけど。―――っと、そうだ。職といえばなんだけど、今日の朝天狗がこんなビラを配っていたわよ』
突きつけられた紙には、ありとあらゆる職及びバイトらしきものが載っていた。
『執事としての雇用、剣術指南役、薬師の手伝い、死神のパートナー、取材の手伝い、家庭教師、ペットの育成………。とんでもなく多いな』
『しかもその雇用先がどこも癖のある場所ばかりなのよ。
そして職を探すあなたを待っていたように配られたこのビラ………。どうにも怪しいのよね』
『心配してくれるのは有難いが、虎穴に入らずんば虎子を得ず。今の私には危険も承知で潜り込む価値があるものだよ』
『べっ、別に心配なんかしてないわよ!ただ、私がこれを見せたせいで向かった先で貴方何かあったら目覚めが悪いってだけなんだから!』
『世間一般では、それを心配してくれる、というのではないのか?』
『うっ』
彼女みたいな反応をする相手には心得があるからな。受け流すのも揚げ足を取るのも容易い。
『とにかく!行くなら最新の注意を払いなさい!』
ビラを無理やり受け取らされ、そのままどこかへ行ってしまった。
少しからかいすぎた様だな。
改めてビラを見る。
慧音から教えてもらった紅魔館等も雇用先にはあった。
確かに危険かもしれないが、あくまで仕事で行くのだから大丈夫だとは思うが………
さて、どこへ行こうかな?
はい、今からアンケートを取りたいと思います。
内容は、小説内で記述しましたが、シロウのこれからの運命です。
記述方法は、1から3(もっとあるならそれでも構いません)まで今から書く内容の行き先で行ってもらいたい場所を書いてください。なお、数字は1が最優先で、数字が小さくなるほどに優先度は下がります。
アンケートに答えてくれた総合的な順位で決めたいと思います。
アンケート集計の為執筆には時間がかかると思いますがご了承下さい。
アンケートは感想で書いてください。
紅魔館で執事として働く
白玉楼で幽々子の剣術指南(という名目の妖夢の剣術指南)
永遠亭で永琳の助手その他もろもろ
普段仕事をサボる小町のお目付け役
射命丸の取材の手伝い
天子の家庭教師(と言う名のお目付け役)
お燐とお空のご主人様
アンケートの方ご協力お願い致します。
てかこの後書きって読まれてるのだろうか………
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