東方神居祭行ってきました。もうね、ああいった場所はテンションがおかしくなるね。同人誌とか買い漁ってグッズ買い漁って無計画な金銭の使い道に凹んだり。 まぁそんなことはどうでもよく、久しぶり(この小説以外)の戦闘描写故に至らない場所がいくつか見られると思いますがそんなときは作者を罵倒して下さい。
『なら、闘って貴女の口を封じます』
その瞬間、辺りの空気が死んだ。
風の音も、鳥の鳴き声も、動物の喧騒もすべてがこの空間には存在しない。
今、この空間には私達しか存在しない。
『………境界を造りましたね?』
『えぇ。彼にこの闘いを見られる訳にはいきませんもの』
それと同時に、私は既に彼女の掌からは逃げられなくなっているのだろう。
他人に私達を認識させなくしたのか、
空間自体を隔離したのかは分からない。
だが、そんな大事にしてまで私を止めようとしている彼女からは、本気を伺える。
いつもの様なのらりくらりとした雰囲気は今は絶え、妖怪らしい―――その獲物を狩るが如し―――視線が私を呑み込んでいる。
分かっている。
こいつには勝てないんだ、と言うことは。
私も普段から弾幕勝負に関して本気を出すことは滅多にない。
自分で言うのもなんですが、そんな事する必要がないんです。
自惚れですが、私はかなり強いです。
本気になれば博麗の巫女だって容易く倒せるでしょう。
しかしそれは、スペルカードという、人間と妖怪、互いの力が平等になるべくバランスを保つ為に考案されたルールが枷となり、厳しいものとなっています。
とは言っても、それでも恐らく倒せなくはないのでしょうが、倒したからどうにかなる訳でもない闘いに本気になるはずもなく。
まぁ私はあくまで新聞記者ですから。
でも、たとえそんなルールが存在しなくったって。
目の前の賢者に勝てるか?と言われれば間違いなく、ノーと答えます。
妖怪である私を<化け物>と思わせる存在。
同じ妖怪のはずなのに、こうも違うのか。
存在するだけで理解できる、この圧倒的な実力差。
でも、こうなった以上どうしようもない。
勝つか負けるか、それが決まらない限りこの空間からはオサラバできそうにありませんし。
ふぅ、と溜め息を吐く。
我ながら、無駄な戦いを挑んだと思う。
やるからには、勝つ。
相手もこんな空間を造ったのは、スペルカードなしの実力行使に出る為でもあるんでしょう。
腰に差している葉団扇を抜くと、彼女も差していた傘を閉じ、こちらへ突きつける様に構える。
あぁ、このカメラ、高いんですけどねぇ。
間違いなく壊れる(壊される)相棒に心の中で黙祷する。
未練がないと言っては嘘になりますが、気にしていれば負けは必定。
仮に勝ったところでタダでは済まないだろうなら、諦めるしか道はないのだ。
『準備はいいかしら?』
妖怪の賢者が催促を始めた。
相変わらずの余裕の表情。
せめてその表情だけでも―――!!
彼女の言葉を無視し、私は葉団扇を横に薙ぐ。
それと同時に生成される数多の真空の塊。
風を操るというのは、なにも風だけを攻撃に使わなくてもいい。
一定の空間内の気圧を完全に遮断し、風の塊によって外側を固定する。
それによって、擬似的な真空を生み出す。
多少不完全だが、充分刃としては使用できる。
一見無理に思える事も、私には可能。
風という概念に於いては私にも自身があります。
紫は傘の先端を照準とするかの様に見えない筈のそれらへとひとつひとつ確実に狙いを定める。
その全てを捉える一瞬、私のそれと同等の光弾が放たれた。
パァン、と言う小気味良い音が鳴ると同時に、纏っていた風が拡散する。
思わず私はにやりとした。
これが狙い。
真空よって隔離された空間が開放されると同時に、そこにあるべきものが収束する。
その戻る力を私の力で放出する力へと変更。
反発する運動エネルギーは、絶対的な力を産む。
自然の恩恵をフルに活用した、私の連携を味わいなさい―――!!
先程の倍以上の速度の風圧が彼女の身を引き裂く。
はずだった。
命中するはずの弾幕は、彼女の肌に触れることなく元の摂理に還る。
彼女は、何事もなかったかの様に悠然と立ち尽くしている。
その光景に思わず舌打ちをする。
これくらいであの妖怪に当たるとは思っていませんでしたが、ここまでくると笑えません。
『次はこちらからいきますわよ?』
不気味な位の笑みを浮かべ、手に持った傘を振り下ろす。
それと同時に、視界は私の放った風の数倍はあろう光弾が支配した。
後ろにも、恐らく同等の数の弾幕が静止している。
威力はさほど持たないだろうが、元々弾幕に極端な力はいらない。
彼女の行動は正しいが、ひとつ誤りがある。
『こんなもので私を倒せると?』
『倒せれば貴女はそれまでの存在ですわね』
言ってくれる。
予備動作無く弾幕は放たれた。
隙間無く埋められた弾幕は、私を捕らえて逃がさない。
私めがけて高速で迫るそれらは、絶望そのものにさえ見えるだろう。
思考する慈悲すらも存在しない。
しかしそれはあくまで力を持たない弱者の結末。
彼女が高速を放つならば。
―――私は神速に至るだけだ。
腰を落としそのまま捻り、先程と同じ横薙ぎの姿勢を取る。
先程と違うのはただひとつ。
敗北が目の前に潜んでいるって事だけ。
でもこの程度の逆境なら、まだ止めるのは容易い。
私は身体そのものを軸として、ひたすらに回転する。
回転によって生み出されるつむじ風を、限界まで強化する。
木の葉ひとつ巻き上げるにしか至らないそよ風が、万物を彼方へ吹き飛ばしかねない程の竜巻へと昇華する。
一秒にも満たないその一瞬だが、その刹那で行った回転数は、凡そ100。
それは轟々と音を立てて地に生えた木々を薙ぎ、草を巻き上げ、土を砕く。
自然の怒りと比喩されるそれは、皮肉にもその自然を破壊していた。
だが、今破壊すべきものはそんなものではない。
この刹那も迫っている<絶望>を打ち砕く、ただそれだけ。
目である自分は、上空へと飛ばされた光弾をただ見守る。
その全てを防ぎ、竜巻を止める。
相変わらずの余裕の表情は変わらないが、多少引き締まったようにも思える。
それは願望か、事実か。
どちらにしろ活力にはなる。
『あまり余裕ばかり見せてると、負けたとき言い訳できませんよ?』
『大丈夫よ、負けるなんて思ってませんもの』
うわ、なんていい笑顔。
身震いするくらいに美しい。
敵という立場じゃなければそんなことを考えてただろう。
『あとそうそう、上を御覧なさい』
『そんな子供騙しには引っかかりませんよ』
『そう、ならさよならね』
180度踵を返す八雲紫。
そのあまりの無防備さに、逆に呆けてしまう。
追いかけようと足に力を籠めたその刹那。
世界が、白んだ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
『人の忠告は聞くものよ?』
再び振り返ったその先は、草木一本と無い焦土と化していた。
その中に、夥しい数のクレーターが存在する。
風の能力で上空に舞い上がることを予測し、その一部をスキマに吸い込む。
それを違うスキマから追い出すとアラ不思議。上に昇っていた弾幕が、下に向かって急降下。
天狗の少女の姿は微塵も無い。
彼女が居たであろう半径100メートルには見当たらない。
あれによって分子レベルまで分解された?なんて馬鹿な事を考える。
今眼前に存在する焦土だって嘘の世界。
私がこの境界を世界と繋げれば、全てが境界を造る前に元通り。
でももし、私が造っていない彼女が消滅したのなら―――
『ご愁傷様』
それは私の管轄外。
彼女が消えたことで幻想郷は軋むだろうが、それは所詮妖怪からすれば一歩進むくらいの時間でしかない。
誰かが一人消え、何かがひとつ消え、誰かが一人産まれ、何かがひとつ創られる。
たったそれだけのこと。
一行程度の文でしかないその一瞬は、世界を動かすには至らない。
世界は悠然と回り続ける。
くるくる、ゆっくりと。
いや、世界を動かす出来事なんで、生物には不可能なのかもしれない。
無論、神にもだ。
突如、視界が弾ける。脇腹に強い衝撃。
空を舞う身体。
攻撃を受けた、と言う認識は予想外の痛みによって遮断される。
次は背中。
肩、足、胸、頭、と息つく暇も無い位の乱打が私を襲う。
あまりの衝撃に思考がブラックアウトし欠けるが、その痛みが逆に此方側へと引き上げる。
生き地獄、まさにそれだった。
いっそ死なせてくれれば、なんて願望すら許されない拷問。
妖怪である身体を、久しぶりに恨んだ。
その見えない攻撃は腹部を最後に終わり、そのまま凹凸の地面へ叩きつけられた。
『がっ……はっ―――』
仰向けになった身体から、吐血をするのを拒絶する。
このままでは血で窒息するが、身体が動かない。
左腕は折れている。
肋骨が臓器に数本刺さっているが、そんな事では死にはしない。
打撲が何十ヶ所か、数えていたらきりがない。
地獄の次も地獄。
この死へ隣接した感覚は、久しぶり。
スペルカードなんて生温い決闘ではなく、純粋な命の取り合い。
―――その生温さに浸かっていた結果が、この惨劇。
可能な限りの力を込めて身体を持ち上げる。
右手しか使えない分負担も桁違いだが、ここで気を抜いたら間違いなく暫く起き上がるのは不可能。
ボロボロの自分に鞭を打ち、身体を起こした。
『げほっ!ごほぇっ!』
一斉に血の塊が体内から抜け落ち、軽い目眩を覚える。
鮮血は土色と混濁して、黒ずんだ池が世界の一部と化す。
ヒューヒューと空気が漏れる程度の呼吸も、今は天の恵みにさえ感じる。
呼吸が落ち着き、冷静になったところで私は敵を睨みつけた。
『一瞬の油断がその結果です。呪うなら自分の甘さを呪って下さい』
空には服の所々が裂け、首に掛けていたカメラのレンズもひび割れた姿の射命丸文が佇んでいた。
どうやらあの弾幕をかろうじて抜けて、スキを伺っていたのだろう。
とは言っても彼女自身も満身創痍らしく、団扇を持った手はダランと垂れ下がり、逆の手も肩を押さえるのに当てがわれている。
あんなにボロボロにも関わらず、彼女は私をここまで追い込んだ。
油断もあったが、腐っても天狗ということか。出歯亀行為にばかり勤しんでばかりでヘタれているかと思いきや………私も慢心が過ぎたようね。
あのひとつひとつの一撃は弾幕ではなく彼女自身の打撃だったのだろう。
手の甲からは皮膚が裂け骨が露出仕掛けている。
綺麗だった脚も青痣と擦り傷があちこちに増えている。
天狗下駄の歯の部分も、片方は取れてしまっている。
妖怪の身体を殴ってタダで済まないのを分かっていただろうに。
余程切羽詰まっていたか、そんな事は最早どうでもよかったか。
ただ愚直に暴力を振るい、勝利を掴もうとした。
結果は、相討ち。
『ぐっ……ヤバいですね。少々無計画過ぎましたか』
ひとり愚痴っているが、彼女の選択は正しかったと思う。もし弾幕だったなら、例え音速だろうが神速だろうが一撃が軽い為結界を貼る式を構成出来ただろう。
でも一撃が必殺の打撃は私の思考を阻害した。彼女ははからずとも最良の判断をしたのだ。
ギリ、と唇を噛むと血が出たが、口の中は常に鉄の味で覆われていて味では認識出来ない。
『全く………平和ボケかしら』
自嘲気味に呟く。
まさか賢者と呼ばれた私が新聞記者に負けたなんて、笑えない。
彼女を見上げていた形だったが、左右に不安定に動きながら下降していき、最後には着地の前に力尽き、地に伏した。
それに慌てて身体を起こし、引きずる形で彼女へと近づく。
『なに……慌ててるんですか。貴女が負わせた怪我でしょうに』
荒い息を立てながらかろうじてそう呟く。
先程まで虚勢を張っていたのだろう、よく見れば私よりも重症だ。
『馬鹿、喋るんじゃありません!』
『馬鹿って………貴女に言われるとは思いませんでしたよ』
本当にだ。馬鹿と天才は紙一重と言うのは満更嘘では無いらしい。
『取り敢えず貴女を永遠亭に送ります。だから今は眠りなさい』
『その隙に止め、なんて事は無いですよね?』
『そんな力、私には残ってません。それにそんな心配した所で逃げられるとは思えませんが』
『………まぁ、そうですね』
お互い、少女の様に無邪気に笑った。雨降って、僅かに地が固まった様だ。
『取り敢えず、シロウさんの取材の件ですが………』
そうだった。
私達の闘っていた原因は彼だった。
そんな事を忘れる程、彼女個人に固執していたのか。
『取り敢えず今は貴女の言う通りにします。何せこの身体じゃまともな記事は書けませんでしょうし』
『結果オーライって事かしら』
『代償がとても大きな気がしなくもないですがね』
その言葉を最後に、彼女は意識を失った。
穏やかな表情で瞳を閉じた姿は、戦乙女を連想させる。
私はその姿を見守る。
埃にまみれた黒髪を撫でる。
闘った事で、彼女と言う存在を少しは認識出来たからだろう、こんなに心穏やかなのは。
予備動作なくスキマが開かれ、文の身体を沈めていく。
その姿を瞬きせず見据える。
完全に沈み切り、歪んだ空間が矯正されると、私は糸が切れた様にその場に崩れ落ちた。
私も治療をしないとかなり危険な状況だが、その選択は最初から思考にはなかった。
これは、贖罪。
彼女に対する慢心と、私の勝手で重症を負わせたことによる。
赦されるとは思ってないし、赦されたいとも思っていない。
罪は決して誰かに与えられるものではない。
罰は自身が背負うべき戒め。
地面に顔を埋めながら、瞼を閉じる。
私が造り出した境界は、解除を指示しない限り絶対に解除されないシステムになっている。
力技で壊されない限りは決して私の意志なくして解除は不可能。
たとえ、私がこのまま意識を失ったとしてもそれは変わらない。
だからこそ、安心して。
おやすみなさい。
意識は深淵へと沈み、世界は無となった。
東方のキャラをFateステータスで書いたらどうなるかを書いてみるコーナー
尚、これは作者の独断と偏見で書かれておりますので、もし『ここは違うだろカス』って部分がありましたら感想で指摘してくださいな。
かっこで表示されたのは変更した形です。後は原作の書き方にしますが、たとえとして見て下さい。
射命丸 文
属性:中立・秩序
筋力:C
耐久:B
敏捷:A+
魔力(霊力):C
幸運:D+
宝具(程度の能力):B+
クラス別能力(キャラ別能力)
耐魔力(霊力):D 通常弾幕で傷つくが、威力によっては補正が掛かる。
直感:C 戦闘時、つねに自身にとって最適な展開を”感じ取る”能力。陣地作成の範囲にいる場合、そのランク以下の場合無効になる。
保有スキル
神速:A 目にも留まらぬ速さで移動を可能とする。Aは千里眼B+以上で無いと視認する事は不可能なレベル。
宝具
風を操る程度の能力:D〜B+ 対人・対軍 レンジ:1〜100 最大補足:100人
文字通り風を使役し、支配する能力。風と言う概念ならどんなものでも操作可能。葉団扇と神速のスキルを併せることでランクはA+にまで昇ることも。
八雲 紫
属性:混沌・善
筋力:C
耐久:B
敏捷:B
魔力:A+
幸運:C
宝具:A+
クラス別能力
陣地作成:A+ 彼女にとって有利な状況を作り出す`境界`の形成が可能
保有スキル
カリスマ: B〜A+ 威厳。それは状況によって変化する。
宝具
式神を使う程度の能力:C〜A+ 対人宝具 レンジ:1 最大補足:二人
式神を召還する能力。召還する式によりランクは変化。式自身が命令無く行動する場合、強制的にランクはCとなる。命令に忠実に動けばランクを超える能力を発揮する場合もある。
境界を操る程度の能力:EX 対軍宝具 レンジ:1〜1000 最大補足: 1000人
冥界と顕界の境界、妖怪と人間の境界、夜と昼の境界、春と冬の境界、睡眠と覚醒の境界、極楽と地獄の境界…あらゆる境界を操る程度の能力。
境界(結界)を操る事がどれだけ危険で強大な力なのかは計り知れない。
世界の修正力による重圧に耐えられる者で無いと使用は不可能。
それを使いこなせている彼女の実力は、語らずとも理解出来るだろう。
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