第21回
義に飢え乾く人々は幸いである
その人たちは満たされる
ROAD-Attack of God-
第21回
着いていく勇気も無く、私はそのまま立ち尽くしてしまった。
最悪だ…。
とりあえず彼女に接触しないことには進まない。
重々しい鎖を先ほど渡された鍵で外す。
「…!」
ガチャンという音にビクッと肩を震わす。
恐る恐る相手の様子を伺いながら近寄る。
「…こんにちは。」
「…あ、の」
彼女は抱えていた腕をほどき、後ずさりをした。
「いや、怪しい者ではない…。聞いているとは思うが、私はあなたを仕事に連れにきた。安心してほしい。」
ジリジリと彼女に近づく。
「いやああ」
「っ!」
彼女は私を押しのけると、部屋の隅にうずくまってしまった。
「あ…」
「…あ、ご…ごめんなさい…。」
彼女が我にかえったようにはっとすると、私に謝った。
「いや…大丈夫だ」
私は仕方なく椅子に座る。
「…」
「…」
「…まずは」
「えっ!?」
いきなり沈黙を破った私にピクリとする。
「自己紹介をしよう。改めて、私も君も」
「あ…はい」
私を信用したのかおずおずと近づいた。
「私の名前はセラ、セラ・グラツィオーソだ。この団には今年トップで入った。君と同じチームで君のパートナーだ。」
「私は…ルビイです。ファミリーネームはありません。孤児院で育ったので…」
彼女は胸に手を当てて言った。
「ご存じだとは思いますが、私は過去の記憶がありません。だから…」
視線が私の奥を見た。
「わかっている。落ち着くまでは仕事にいけないんだろう」
「はい…すいません…」
「大丈夫だよ」
笑顔で話した。私は女性の扱いには慣れているつもりだ。
「ゆっくりいこう。まずはそれからだから」
「はい」
彼女も少し笑った。
「ありがとうございます」
「…」
笑顔…
「ああ」
「はい?」
この人は、美人だ。
(21)続く |