第13回
みだらな思いで他人の妻を見るものは
だれでも、既に心の中でその女を犯したのである。
ROAD-Atack of God-
第13回
「うう…。」
川のせせらぎが聞こえる。
風が靡いて顔をくすぐる。
あ…なんだ俺まだ意識あるのか…。
ということは…ラビンもまだ無事って事か…。
うつらうつらする意識の中でウィルは思った。
…ん?
頭の下…なにかある?
頭に不快感を感じたウィルは目を開けてみる…と
「!!」
「あ…起きたか。」
「ちょ…ッ何で!?」
ツォーが膝枕をしてウィルの頭を支えていた。
不快感はこれだった。
「おま…っ恥ずかしいことしてんじゃねーよッ!!」
かなり動揺しているウィル。
「…そんなに恥ずかしかったか?膝枕が。」
眼鏡をくいっとあげながら言う。からかっているご様子だ。
「〜〜〜〜〜〜っ。」
赤面してしまうウィル。
頭を振る。
何で俺こんな奴に押されてんだッ。
しっかりしろ!!
「あれ…?そういえばラビンたちは?」
気が付くと辺りには誰もいない。
「ミクとラビンは2人で水を汲みに行った。お前、血でグジャグジャなんだもん。
ふかなきゃダメだろう。…ったく。俺がどれほどひざに不快感を覚えたか。」
ため息をつきながらまた眼鏡を直す。
「お前にして欲しいって頼んでなんかいねーよ!!」
「あのな、あの時のお前の状態は頭を体より上の上げていなきゃいけなかったんだよ。
膝枕をしなければいけないのは、仕方の無いことだったんだ。」
「む。」
「俺だってお前相手なんかに膝枕なんかしたくなかったね。」
「!!お前はっ!」
言い合いが続く中ラビンとミクは川に行っていた。
「カウボーイ?」
顔を水で洗いながらミクはラビンに言った。
「はい!カウボーイって格好良いですよねっ!!」
既に顔を洗い終わったラビンがカウボーイについて力説している。
「ああ…うん。いいんじゃないの。」
苦笑いしながら応えるミク。
…趣味を押し付けられて困っているようだ。
「僕、憧れているんですよっ。例えば!」
と、銃を構えた。
一体どこにそんなものが隠されていたのか、と問うと
「懐ですよ♪」とにこやかに返事をしてくれた後のラビンである。
バンッ!!!
あたりに銃声が鳴り響く。
いきなり目の前でぶっ放されてかなり驚いているミク。
しかし
「「ぐあああああああああアッ!!」」
川の向こうの茂みから二人の男性であろう叫び声が聞こえてきた。
「え?何今の声?」
ミクが不思議がって体勢を構えていると、
茂みの向こうからその男性たちと思しき体が転がってきた。
「!!」
「あ…今適当に放った銃が偶然そこにいた彼らに当たったと言うことですね。」
「え…。」
転がった体は川に落ちた。
ドブン。
「相手が僕たちに気付いて攻撃されるよりも早く攻撃できました!」
にこっとラビンは微笑みながら
「だから良いでしょう?カウボーイは♪」
「あ…うん、そうね。」
ミクもぎこちない笑みを返す。
ラビンの銃はただの眠り薬だとはミクは知らない。
二人の男性の体が消えていく様を横目で見ながらミクは思うのだ。
ラビンて…私より本当に年下よね?
ラビンよりも2歳年上のミクはそれがだんだん不安になってきたのだった。
「おおおおおおい」
「!」
「水汲んで来たぞ〜〜〜〜」
「ラビン!」
木陰の向こうから現れたミクとラビンの下へウィルは駆け寄る。
「あ、ウィルさん大丈夫ですか?体の方は。」
「ああ…ちょっと胸らへんが痛むだけだ。」
「そうですか!あ、これ水汲んできました。体を洗ってくださいね。」
「ツォーもね!」
横でミクが言う。
ツォーはウィルの事を見なくてはいけなかったのでまだ傷口を洗っていないのだ。
「ありがとう2人とも。」
ペットボトルに汲まれた水を受け取った。
「なんか…いつの間にか俺たち組んでねぇ?」
何も違和感無く過ごしていたこの異変をようやくウィルが問う。
「そういえば…そうっすね。」
「良いんじゃない?仲間多い方が勝ちやすいじゃない。」
「それに合格できるのは3組だから問題ないだろう。
しかもあと1組仲間につけるだけの余裕もある。」
水をしみこませたタオルで体を拭きながらツォーは言った。
「…そうだけど…。」
まあ…べつにこいつらなら信用してもよさげだしな。
そんなことを考えていると
ぐうううううううううう〜〜〜〜
…。
「今の…誰の音?」ミクが言った。
「さあ…?」ツォーも言った。
「今何時だ?」ウィルも言う。
「えと…12:46です。まあ…昼ですね。」
「昼ってどうするんだ!?」
…。
「さあ…?」
「食料なんてものは…この森には無いわよ。1度も見かけなかったもの。」
…。
「つまり…。」
「この森を脱出しない限り昼ごはんはないって事…か?」
「そんなの嫌です〜〜〜〜っ。」
ラビンが泣き始めた。俺だって泣きたいぜ。なんで飯も食わずに戦わなければいけないんだ。畜生。
「あ〜…。水を飲む…位?」
「だな…。」
「「「「はぁ…。」」」」
「!!ウィルさん!!」
ラビンが俺たちとは逆の方向を指差す。
「「「!」」」
敵だ!
その相手は長めの黒髪を三つ網で縛っていた。どうやら中国人らしい。もう1人、そのパートナーであろう人物はピンク色の髪をして耳の下で縛っていた。
ったく。こんな時に。はぁ。
(13)終了。
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