第1回
暗闇と雑音の中
俺は必死に走っている
何かに追われながらずっとー…
でも
後ろにいる何かを知りたくて 俺は振り向く。
「お前は誰だ?」
バッ
はっ
「またこのユメ…」
ボケッとした頭を頑張って回転させ、今の自分の状況を確認した。
「ウィルー!起・き・て」
ドンドンと部屋のドアを叩く音と共に、威勢のいい声が聞こえた。
朝の光が眩しい。
いつの間にか半開きになったカーテンを見上げながら俺は目を覚ました。
「んう…」
上半身を無理やり起こして起床。
「…うるさいな…」
ベッドの上の時計を見る。
「…」
そんなに今は早くないことが分かった。
「もうこんな時間なのかよ」
のっそりと壁にかけてある制服を取り外し、パジャマを脱いだ。
それにしても…
「言っていた通りに来たのか…」
あいつが本当にこの時間俺を起こしに。
まさか本気だったとはなあ…
約束を守っている彼女に感嘆の言葉を出した。あくびをしながら玄関のドアを開ける。
あふあっ
「あ、来た来た。おっはよ〜ウィル!」
制服を全て着こなし、ドアを開いた俺に元気よく挨拶をする彼女。
「おはよ…」
…朝からものすごい元気だなあ。朝飯食べくてもいいんじゃないか?…ったく。
まあ…
あんたのおかげで悪夢から逃れることが出来たけど。
「ちゃんと来たわよ!…あはは!バカみたいな顔して」
「…」
なんて感謝の気持ちは一瞬にして消えた。
母さんが死んだ。
首吊り自殺で死んだ。
何で若いのに死んでしまったのだろう。
原因は誰にも分からなかった
もちろん俺たち2人にも。
だって母さんと約束したんだ。
父さんが失踪してから家族3人になってしまったけど、母さん1人でも頑張るね…って。
だからウィルたちも仲良くね…って。
それなのに…どうして!?
当時俺は12歳。
弟も12歳。
俺たちは2卵生の双子なんだ。
こんな俺たち2人が残された。
それをきちんと考えて行った行為なのか?
弟のあの顔が忘れられない。
母さんの死体を見つけたときのスィルの顔。
とにかく俺たちは2人で生きていくしかなかった。
親戚はいるのか、どこにいるのか。
そんなこと知らない。
そんな話は家族でしていなかったから。
今思えば不思議だが。
兄である俺は必死に仕事を探した。
12歳で出来る事は少なかったけど。
それでも俺は1人じゃないから。
弟のためにも今まで頑張ってきた。
不思議とその日以来母さんに対する愛情は消えてしまった。
父さんへの思いと同じように。
だからかもしれない。
俺が母さんの死体を見つけた時…
バ
ラ
バ
ラ
に
し
て
庭
に
埋
め
た
。 |