もう勘弁してくれ
「もう勘弁してくれ!」
そんな叫びが出るのは必然であった。
話は二時間前に遡る。
この俺 生牡蠣 ぼーえーだいじん は通勤中、電車内で脱糞してしまった。
それまでなら良くある平日の朝の風景と言えるところであろう。
しかし、問題はこの後に起こった……
生牡蠣意外誰も脱糞しなかったのだ。
これは異常なことである。
黒幕と思われるのはあのたらこ唇一人である。
たらこ唇はこちらを見ながらこういった、
「クソ漏らし」
その瞬間またクソが漏れた。
俺はたらこ唇に苛立っていた。
1発殴ってやろうと思った俺はそいつに向けて大きく踏み出した。
ーー下痢便が飛び跳ね、服についた女子高生は顔をしかめた。
空気が茶色くなっているように錯覚するほど悪臭が漂う車内で、俺とタラコ唇は向かい合った。
タラコ唇は言った。
「寄るな」
そして、我らがヒーロー「ヤリチンマン」の異名を持つ矢野さとるが現れ、そのたらこ唇に濃厚な口づけをしたのだ。
それはもはや芸術としか形容しがたいものだった。たらこ唇はビクンビクンと痙攣し死んでしまった。
そのあと私は矢野さとるに抱かれて幸せなキスをした。そして生まれた1つの命が…