第5話 挑戦、変わる勇気
第5話 挑戦、変わる勇気 P.8
体育の時間は終わり、麗奈と結衣ちゃんとマナは3人でいっしょに更衣室で着替え終わったあと、教室に帰ろうとしていた
「へぇ、昨日?」
更衣室で荷物を纏めながら、麗奈は二人に昨日の出来事を話していた
「うん。スッゴク楽しかったよ」
「カフェレストランRyuかぁ〜……あそこ近所でもお洒落な店で有名なんだよね〜」
とマナがそう言ってきた。
「あそこのナポリタン、美味しいらしいね」
と結衣ちゃんも微笑みながら言ってきた
「うん。昨日食べさせてもらったんだけど、スッゴク美味しかったよ」
「いいなぁ〜?昨日部活なかったら行ってたのになぁ〜」
「そうだね。今度3人で行ってみる?山中くんが働いてるとこみてみたいし」
麗奈はそれを聞いて、昨日の健斗を思い出し吹き出して笑った
「健斗くん、スッゴク面白かったよ?多分二人も爆笑間違いなしって感じ」
「え〜?」
結衣ちゃんもマナもクスクスと笑っていた
早くあの健斗くんの恰好を二人に見せたいなぁ〜……
そんなこと考えながら、笑って麗奈たちは階段を上ろうとした
と、するとだった……
「大森さん」
ふと呼ばれ、麗奈はゆっくりと振り返った。するとそこには、同じクラスの女の子が麗奈を見上げて立っていた
「どうしたの?」
麗奈が笑いながら訊くと、その女の子はゆっくりと頷いた
「今山中くんが、大森さんのこと捜してたよ?」
「……健斗くんが?」
何故かは分からないけど、少し胸が高鳴った……
健斗くんが……何の用だろう……?
麗奈は不思議そうに首をかしげた
「中庭で待ってるって」
「そっか……分かった。ありがとう♪」
麗奈はそう言ってから、マナと結衣ちゃんの方を見た
「ゴメン。ちょっと行ってくるから。先戻ってて」
「オッケー」
「うん。分かった」
そう言うと、麗奈はちょっと早足で中庭に向かうことにした
「ねぇ結衣?見た?」
「何を?」歩きながら、マナはニヤニヤしながら早川に言ってきた
「麗奈ちゃんのあの顔?嬉しそうだったよね?」
「そう……だったの?だから?」
「フフフ……もしかしたら麗奈ちゃん……」
「何よ?はっきり言ってよ〜」
マナは可笑しそうに笑いながらそれ以上は何も言わなかった
早川はそんなマナを不思議に思い、首をかしげながら見ていた
でも、山中くんは何の用で麗奈ちゃんを呼び出したんだろう?
呼び出すんなら、直接話しかければいいのに……山中くんらしくないような気がした
何だか妙な感じがする
早川の勘は決して間違ってなかった……
教室に戻ると、いつものように騒がしかった。本当にいつも通りだなぁ〜…
健斗たちは更衣室で着替え終わると、ゆっくりと自分の席に座る
「ああ〜……これから英語かよ……」
ヒロがため息をつきながら、健斗に言ってきた。
俺なんて授業があるだけで億劫だ……
「仕方ねぇよな……俺ら学生の運命みたいなもんだし」
「あぁ〜……1日中体育だったらいいのになぁ」
「お前バカ?体育なんてダリィだけじゃん」
「バカはお前だ。1日中女子の体育着姿が見れるんだぜ?」
健斗はそれを聞いて、ふとさっきの早川を思い出していた
早川の……意外にある胸……
あの太もも……
あのスタイル……
それを思い出すだけで健斗は顔が熱くなるのを感じた
「麗奈ちゃんの……大きい胸……」
「っ……」
「早川の柔らかそうなふともも……」
「や、やめろよ……」
「……筋肉ゴリラ……」
「……ぷっ……くっ……アッハハハハ♪」
さっきのことを思い出して、健斗は大笑いした
ヒロも声を立てて笑っていた
するとだった
教室のドアが開き、早川と佐藤が入ってきて、健斗たちをじっと見ていた
それに気がつき、健斗は笑うのを止めて軽く咳込みをした
今の会話を聞かれてたらどうしよう……
「山中くん……」
早川が真面目な顔をして、健斗に近づいてきた
健斗はちょっと焦っていた。ヒロを見るとヒロは自分は何も関係ないと言わんばかりに、目を剃らしていた
「は……ハヤブサの太もも肉を食べている筋肉質のゴリラがいてさ、麗奈がびっくりして胸の中にある心臓が大きく……」
意味不明なこと言いながら誤魔化そうとする健斗を見て、ヒロは可笑しそうに爆笑していた
「山中くん……麗奈ちゃんはどうしたの?」
「はい?」
ふとそんなことを訊かれて、健斗は首をかしげた
「麗奈が……何?」
健斗がそんなこと言ってきたので、早川と佐藤は戸惑った様子で健斗に言った
「山中くん、麗奈ちゃんに話があるって……呼び出したんじゃないの?」
健斗は不思議な顔してすぐに答えた
「俺、呼んでないよ?別に麗奈と話すこともないし……」
「え〜?だって……ねぇ?」
早川は佐藤にそう言うと、佐藤もゆっくりと頷いた
「麗奈ちゃん行っちゃったよ?」
しばらく4人の中に、不穏な空気が流れた
一体誰が……健斗の名前を語って呼び出したんだろうか……
なんで?何のために……
………
『あれ〜?誰もいなぁ〜い……』
『フフフ……待ってたよ麗奈ちゃん♪』
複数の男子に囲まれる麗奈……
『な、何ですか?』
『いいから……いっしょに遊ぼうよ!!』
『いや……いや〜!!離して〜!!』
「いや〜!!!」
ヒロのわけの分からない妄想に、健斗は深くため息をついた
「そんなドラマみたいな展開あるわけねーだろ」
健斗はそう言うと、ゆっくりと立ち上がった
「俺見てくるよ」
「お、俺もっ!!」
「あ〜んたはここで待ってるっ!!」
健斗はそんなやり取りに苦笑すると、ゆっくりと教室をあとにした
健斗が教室を出ていったあと、早川と佐藤とヒロはしばらく唖然としてた
「なぁ〜んか、すぐに飛び出しちゃって……もしかして山中くんも麗奈ちゃんのこと……」
「えぇっ!?も、って何だよ!?も、って!!」
早川は健斗がいなくなった教室の戸をしばらく見つめていた
何だか急に不安になって、寂しい気持ちになった……
だから何も言えなかった……
何も……
+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。