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第5話 挑戦、変わる勇気
第5話 挑戦、変わる勇気 P.7

健斗は暗い夜道をライトで照らしながらゆっくりと帰っていた

「ふぁ〜……すっかり遅くなっちまったな〜」

健斗は辺りを見回しながらそう言った

本当に辺りは真っ暗だった。ここには電灯も一つも何もない道だから当然と言えば当然なのだが……それにしても暗すぎで不気味だった

「晩飯どうしよっかなぁ〜……なぁ、麗奈」

「そうだね〜……私はナポリタン食べたからいいけどさ」

「ずるいなぁお前」

健斗はため息をついた

「ねぇ、それにしてもさ……本当に暗いねー。この辺さ」

といいながら、麗奈は周りを見渡していた

健斗はそう言う麗奈を横目で見た

「……俺はこの暗い道を、しかも雨降ってる中走ったんだけど……」

「あは……アハハ……でも何か不気味だね……」

と言って話を変えようとする麗奈を見て健斗はにやけながら言った

「何、怖いの?」

「べ、別に怖いなんて言ってないじゃん」

健斗はそう言ってむきななる麗奈が可笑しくて仕方がなかった

「……でもさ」

麗奈はそう言いながら、上を見上げた。すると夜空は星空満天で綺麗だった

「わぁ〜♪綺麗〜♪」

健斗も自転車をこぎながら麗奈といっしょに空を見上げた

「本当だな……今は梅雨だから、こんな星空久しぶりに見た」

「東京じゃこんな星空見れないもん」

最近雨続きがあって、すっきりしない天気が続いていた

夜もこんな星空を見たのは久しぶりだった

何百、何千億の綺麗な星が夜空で瞬くように輝いている

見ているだけで心も綺麗になっていくような気がした

「……私さ、空好きなんだよね」

健斗はそれを聞いてふと笑った

誰かさんと同じこと言ってやがる……

「俺も好きだよ……綺麗だもんなぁ」



鈴虫がないている中、徐々に家まで向かっていた

鈴虫の鳴く音が夏の夜にふさわしい気がした

「流れ星ないかなぁ?」

「さぁ?待ってれば出んじゃね?」

「……あっ!!」

「えっ!?」

「嘘〜」

「お前なぁっ!!」

健斗は呆れるようにクスクス笑ってる麗奈を見た。本当に純粋だよなぁ、こいつってば

「……ねぇ健斗くん。今日ね」

麗奈は健斗の肩を掴みながら言ってきた

「イケメンさんに話しかけられたの」

「……何だよ急に?」

健斗は苦笑しながら麗奈を見た

麗奈はちょっと困ったような表情を浮かべていた

「何かね、急に名前を呼ばれて……何してんの?って訊かれて、可愛いって言われた」

「はぁ?お前、イケメンとイチャイチャしてたのかよ?」

健斗がそう言うと麗奈は顔を赤くして言った

「ち、違うよ。イチャイチャなんかしてないし」

「……どうだかな……」

健斗はプイッと前を向いた。麗奈はそんな健斗を見てふと笑った。また健斗の肩を掴みながら、囁くように言ってきた

「ふぅ〜ん……一応ヤキモチしてくれるんだ?」

「はぁっ!?」

健斗は顔を赤くしてまた麗奈を見た

「バカッ!!誰も妬いてなんかいねぇしっ!!俺には関係ねぇもん」

「ふぅ〜ん……」

「お、俺が言いたいのは、イケメンとイチャイチャしてて俺を待たせたのかってこと」

「そうなるのかな?」

健斗はそれを聞いて、ふんっと言い捨てた

「ほら、見ろ!!やっぱりイチャイチャしてたんだろ?」

「だから誰もイチャイチャしてないよぉ。もぉ、嫉妬深いな健斗くん」

「なっ!?だぁからっ!!誰も嫉妬してねぇって!!」

健斗はまたプイッと前を向いた。すると麗奈はしばらく黙ると、また言ってきた

「何かさ、その人怖かったんだよね……」

「……何が?」

麗奈はしばらく考えた。そのイケメンとやらのことを思い浮かべているみたいだった

「いかつい人ってこと?」

「ううん」

「チャラチャラしてて、不良だったとか?」

「それも違う……すごい爽やかで、声も落ち着いてて、優しそうな人だったんだ……」

「……何が怖いんだよ」

麗奈はまた少し考えた

「何て言うか……よく分かんない」

「……何だよそれ」

健斗は首をかしげると、また前を向く

「まぁ知らねぇけど……そう思うんなら気をつけろよ?」

「うん……」












そして次の日となった。今日は雨が降っている。そのため体育の時間に、健斗は欠伸をしながら体育館にいた

「ダリィ〜……」

健斗がそんなことを呟いてるのを聞いてヒロが呆れ返るように言ってきた

「お前本当にあの山中健斗くん?」

「どういう意味だよ」

「前に“白魔導師ホワイトマジシャン”と呼ばれてた天才サッカー少年が……今じゃ運動を全くしないメタボ生活……か」

健斗はそれを聞いて、むっとした

「誰も太ってねぇよ。適度に運動くらいしてるし。しかもそんな風に呼ばれてたっけ?」

「ふぅ〜ん……」

「お前は良いよなぁ……ハンド部頑張れてさ……」

「まぁ〜な、白だなぁ」

当然ヒロが不明なこと言ってきて健斗は不思議そうな表情を浮かべた

「……何が?」

「麗奈ちゃんのブラの色」

「………」

健斗は呆れ返るようにため息をついた

「お前本当にあの真中比呂くん?……元々こうだけど」

「何が?」

「前は神乃中の守護神と呼ばれてた名キーパーが……今ではただのエロメガネオタクか……元々こうだけど」

「いつそんな風に呼ばれてた!?つーか、オタクじゃねぇよ俺は!!」
ヒロは一通り叫ぶとまた女子の方を見た

女子はバレーをやって男子はバスケをやっている

ちなみに健斗とヒロは同じチームで今は休憩中……

「しかし……あの麗奈ちゃんの胸は最高だなぁ……」

健斗も、ヒロの言っている通り麗奈を見た

……確かに、体育着を来ている麗奈の豊かな胸は、目立っていた

例えば、アタックするためジャンプをするとき、あの胸が揺れるし……

すごい男子にとっては注目の的だった

まっ、顔は相変わらずお子ちゃまだけど

「髪結んでる麗奈ちゃんも可愛いなぁ……それにあのスタイルは最高だよなぁ……なぁ?なぁ?」

「お前さ……そういうのばかり見てるわけ?」

「じゃあお前は麗奈ちゃんと杉村さんどっちがいい?」

杉村さんというのは我がクラスの女子で、ちょい太り気味の女の子……

健斗はしばらく考えた……暇もなかった

「杉村さん」

「嘘つけ!!身体では身体!!」

「……杉村さん」

「……お前さ、本当に子供だな」

ヒロは呆れるようにため息をついた

「俺はぽっちゃりの方が好きだから」

「じゃあ早川と杉村さんは?」

「……うるせぇよお前!!」

分が悪くなって怒った健斗をヒロは可笑しそうに笑った

「お前もピュアなやつだな〜……僕はいつだぁ〜って、ピュアな気ぃ〜持ちぃ〜、忘れない〜ってか?」

「……それ何の歌だっけ?」

「EXILEのPureじゃん。麗奈ちゃん好きだって言ってた」

「あ、それだ」

健斗はふと思い出した。確か麗奈もEXILEが好きだって言ってた

「それよりさ、やっぱりまだ好きなのか?」



当然のことを訊いてくるヒロを健斗は睨みつけるように言った

「そうですけど?」

「さっさと昔の女なんか忘れちまえって?気が楽になるぜ?」

健斗はそれを聞いて呆れるようにため息をついた

「よく言うよ。中1のとき、森田さんに振られて2週間は号泣してたくせによ」

「あれ?俺が振ったんじゃなかったっけ?」

「本当によく言うよな!?帰りずっとしくしく泣いてて、俺と翔で牛肉コロッケ奢ってやったじゃねぇかよ」

「アハハ♪そんなことあったっけ?」

健斗はったくとまたため息をついた

「早川がお前のこと見てくれないのって……お前が純情すぎるからだとか」

「いきなり何だよ」

「女子ってさ……エロイ男が好きらしいんだよ」

「そうなの!?」

「エロすぎるやつもダメだけど、エロくないやつとエロイやつだとしたら、やっぱりエロイやつを取るんだよな」

「……何で?」

「さぁ、人間の性に対する本能じゃない?」
するとヒロはよしっと言うと、健斗に怪しい目をして言ってきた

「今から少しお前を特訓しよう……」

そして近づいて、指を指した

「ほら、早川を見ろよ」

健斗はヒロに言われるまま、早川を見た

「早川の胸……意外とあるよな?」

「……はぁっ!?バカッ!!お前変なこと……っ」

「これは特訓だぞ健斗……ほら、あの太もも……柔らかそうで中々よくね?」

健斗は早川の太ももを見た……

「……あのさ、これってただの変態になんじゃねぇの?」

「そんなことねぇよ。ほら佐藤の身体……ただの筋肉ゴリラ〜……」

健斗はそれを聞いて、吹き出して大笑いしてしまった

「ギャッハッハッハッハッハッハ♪さ……佐藤そこまで筋肉質じゃねぇよっ!!筋肉ゴリラって……アッハハハハ♪」

「いや、筋肉ゴリラだって!!アッハハハハ♪アッハハハハ♪ギャッハッハッハッハッハッハ♪」










「……あいつら何で爆笑してんの?」

マナが健斗くんたちを見ながらそう呟いた

結衣ちゃんも、苦笑しながら首をかしげていた

「何かあったのかな〜?」

と麗奈は不思議そうに健斗を見た

「……でも、山中くんってあんな風に爆笑したりするんだね?」

「え?」

マナがそんなことを言ってきて、笑っていた

「山中くんってクールだから全然笑わない人だと思ってたから……ちょっと意外かも」

麗奈はそれを聞いて、不思議に思った

「そんなことないよ?」

そう言ったのは結衣ちゃんだった。優しい笑顔を健斗くんに向けていた

「山中くんだって、前はよく笑う人だったんだから……今は前のようになってるような気がする……本当の山中くんに戻ってるだけだよ」
と言いながら結衣ちゃんは笑った。麗奈はその通りだと思って、結衣ちゃんを見た

結衣ちゃんって……健斗くんのことよく知ってるんだね……

「ふぅ〜ん……何か結衣、山中くんのこと好きみたいだね?」

「えっ!?そ、そんなことないって!!山中くんはただの友達だから」

麗奈はふと健斗を見た。授業中にふざけてるみたいな言う感じで先生に怒られている

そんな健斗を見るとなんだか可笑しくって、ふと笑った




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