第6話 ドキドキ・・・?
第6話 ドキドキ…… P.15
「……エヘヘ♪ごめんねヒロくん」
と陽気に笑いながら、麗奈は言いながらヒロを見た
そんな陽気そうに笑う麗奈を見て、健斗は呆れるようにため息をついた
「ったく……あんまりチョロチョロすんなよな」
と健斗が言うと、麗奈がむっとした感じで健斗に言ってきた
「健斗くんが結衣ちゃんばかりに気を取られてたのがいけないんじゃん」
「べ、別に……気を取られてたわけじゃねぇよ……」
ギクリッとした。本当はその通り、麗奈の言う通りだったから……
「まぁいいじゃん?麗奈ちゃんだって早川を探そうとしてたんだし」
とヒロが笑いながら、健斗に言ってきた
「それに、こんなに可愛い女の子がいたら、誰だって声かけたくなるって♪」
健斗はなにも言わず、麗奈から目をそらした
そんな麗奈はむっとした感じで健斗を見つめていた
納得のいかない、またはどこか寂しい表情を浮かべている
それは健斗と口論しそうになったからではない
もちろん、それが多少関わっているのもあったけれど……
やはりそれよりも、健斗が早川に対してとった行動だった
麗奈のことはそっちのけで、早川ばかりに気をとられていたこと……
そりゃ、健斗は早川のことが好きなんだから、当然の行動に出たんだろうけど……
けど麗奈だって……健斗のことが好きなんだから……早川みたいに健斗に助けてもらいたかった
何でいつも、早川ばかりなのだろうか……
分かってる
そんなこと考えちゃいけないんだってことくらい
そんなことで嫉妬することないって……でも、もう少しわがままでありたい
それに今の行動で麗奈はある不安を胸の中に留めておけなくなった
「でも麗奈ちゃん、本当に浴衣似合ってて可愛い♪それ麗奈ちゃんのお母さんの?」
早川は目を輝かせて麗奈にそう言った
麗奈は少し照れながら、ゆっくりと頷いた
「エヘヘ♪うん。お母さんが高校生のときに使ってた浴衣。ちゃんと着こなせてるかちょっぴり不安」
麗奈がそう言うと、早川は首を横に振りながら麗奈に言った
「ううん。すっごく素敵ぃ♪」
健斗はそんな様子を見ながら、あることをふと思った
早川や佐藤とかヒロは……麗奈の家庭の事情をまったく知らない
ただ、訳あって健斗の家に居候してるとかしか言ってないから
麗奈のお母さん……夏奈さんは亡くなっている……
そのことを知らない
そのことを知られたら、麗奈はどんな思いをするのだろうか……
またあの寂しげな表情を見せてくるのか?
そんなの見たくない。そんなの麗奈らしくないから……
健斗はいくら早川たちでも、そのことを話そうと思ったことは一度もなかった
「健斗くん?」
健斗はふと呼びかけられて、我に返った
つーか……俺今何考えてたんだよ……
早川が不思議そうに健斗の顔を覗き込んでいた
「……大丈夫?」
「え?」
「何か……今すごくぼーっとしてたよ。話聞いてた?」
「あ……ワリィ……聞いてなかった。んで、何?」
健斗がそう言うと、早川が微笑みながらまた言ってきた
「麗奈ちゃん、浴衣すっごく可愛いよね?って話」
健斗は早川にそう言われて、苦笑することしか出来なかった
また……聞かれちゃった
健斗は恥ずかしくなって、頬を赤く染めた
すると早川はちょっぴり恥ずかしそうに麗奈に言った
「私なんか……ちゃんと着こなせてるかなぁ?」
早川がそう不安そうに言うと、麗奈は何度も頷いて言った
「結衣ちゃんだってすっごく可愛いよっ?きっと誰かしらメロメロになるんだろうなぁ〜?」
と言いながら健斗をじと目で見てきた。
健斗はそんな麗奈の視線に気がついて、頬を赤くして軽く咳込んだ
「いや、でも早川だって似合ってるよな?健斗」
ヒロがそう健斗に促してきて、健斗は頷きながら照れくさそうに言った
「ん……まぁ……似合ってるよ。だってナンパされちゃうくらい可愛いってことだし」
健斗がそう言うと、早川が顔を赤くして頬を膨らませて健斗を見ていた
「も〜……恥ずかしいよ……」
「え?あ……わ、ワリィ」
「マナには恥ずかしいから内緒にしててね?」
「あ〜……うん。分かった」
と、そんな会話を交わしているとだった
「みんな〜」
ふと健斗たちに向かって呼びかけてくる女の子が、健斗たちに向かって走ってきた
健斗たちはその人に気がつくと、ふと顔がほころんだ
向かって走ってきたのは佐藤だった。佐藤も可愛いらしい黄色い浴衣を着て、登場してきた
普段もまぁ普通に可愛いとは思うけど(健斗から見て)、とても浴衣が似合っていた
「ごめんごめん。準備に手間取っちゃって……」
佐藤が謝りながら言うと、麗奈が首を横に振りながら言った
「別に平気だよ。気持ちすっごく分かるし」
「ごめんね〜……っていうか麗奈ちゃんっ!!すっごく可愛い〜♪浴衣美人〜。いいなぁ〜」
「え〜?そんなことないよ〜♪マナだって、すっごく可愛いよ?ねぇ結衣ちゃん」
「うん。やっぱり似合ってるね」
「きゃ〜♪結衣も可愛い♪あたしだけ浮いてな〜い?」
「そんなことないって〜♪」
と、女の子の会話をしながら五人揃ったところで、健斗たちも神乃崎商店街の方へと向かっていった
健斗はそんな様子を後ろから、ぼ〜っと眺めていた
今から……女の子と祭り行くんだよな……
考えてみれば、そんなこと健斗にとって初体験だった……
だから何だかドキドキする……
麗奈が健斗の家に居候しにきてから二ヶ月
麗奈とずっといるおかげで、何やら女の子というものにあまり牽制とかしなくなった
女の子に慣れてしまっているからか……
姉や妹がいる人の気持ちってこんな感じなんだなぁ
そんなことを考えているとだった
「なぁ健斗」
ふとヒロに呼ばれて健斗はヒロを見た
何やらヒロは苦笑していた
「浴衣ってさ……怖いな」
「……は?」
ヒロの言っている意味がまったく分からなかった
「何かさ……普段あんなバカ女でもさ……浴衣着たら、あんなにも女の子らしくなるんだな〜って……」
多分バカ女ってのは佐藤のことなんだと思う
健斗は軽くため息をつきながら笑った
「何だよ。もしかして、佐藤に惚れ直した?」
「はっ?バカッ!!そういう意味じゃねーよっ!!」
恥ずかしそうにそう言うヒロに健斗は可笑しくなって、声を立てて笑った
でも浴衣って確かにそうだと思う……
普段女の子らしくないやつでも、女の子らしさが上がるっつーか……
健斗は後ろから楽しそうに話している麗奈を見ていた
麗奈も、普段あんななのに……浴衣を着ただけで女の子らしさがアップしたっつーか
健斗はそんな風に思うと、何だか照れくさい気持ちになった
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