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第6話 ドキドキ・・・?
第6話 ドキドキ……? P.9


ご飯もシュークリームも食べ終わって、ふぅっと居間で一息ついていた

時計を見るといつの間にか10時近い

そんな中、健斗はむすっとした様子で麗奈を見ていた

ご飯を食べ終わったあと、まるで健斗をからかうようにさっきの雑誌を、冷たいお茶を飲みながら読んでいた

「ふぅ〜ん……名前が7文字の人は恋愛運がダメ、ちょー奥手なタイプかぁ……や・ま・な・か・け・ん・と……あっ、当たってるぅ」

「あのさ、人を例えてそういうことに使うのやめてくんないかな」

と健斗がむすっとした様子で言うと、麗奈は可笑しそうに笑った

「だってぇ〜、これ結構当たってるよ?」

「余計なお世話だっつうーのっ!!つーかお前だって7文字じゃん」

「えっと……7文字の女の子は恋愛運と金運がついてるって。やったぁ♪」

そんな風に嬉しそうに話す麗奈を見て、健斗はため息をついた

そしてずっとある想いにふけっていた

こんなもんまで買ってきて、こんな風に熱心に読んでるなんて……

一体どうして?

本当にただたんに読みたくなっただけなんだろうか?

もしかしたら本当にこいつ……好きな人が出来たんじゃないかな

そんな風に思うと、健斗はちょっと意外にも思えた

こんな変なやつでも好きな人が出来たりすんのかな

そういえば前言ってたっけ?

今まで付き合ったことのある人は一人だけだって

あまり話してはくれなかったけど

そう考えるとこいつにとっては普通のことなのかな

それにしても……最近妙に優しかったり、おかしかったり、いつも以上に変だったり……

よくわからないなぁ

「……どしたの?」

麗奈は自分が健斗に見つめられてるのに気がつくと、ふと雑誌で顔を半分隠しながら聞いてきた

「え……いや……別に」

「もう〜、また見とれてんの?」

と笑いながら麗奈が言ってきた。そんなことを言われて、健斗はちょっとムキになって言った

「ち、ちげぇよっ!!ただお前が――」



その瞬間、ちゃぶ台の上に置いておいた健斗のケータイが鳴り始めた

健斗はすぐに言葉を遮り、ケータイを見た

誰だろう、こんな時間に

新着メールを受信してみると


宛先は……早川だった

「早川?」

それを見た瞬間、驚きといっしょにちょっぴり嬉しい気がして、健斗はすぐにメールの内容を見た


Re.遅くにゴメンナサイp(´⌒`q)

今日、シュークリームありがとう♪健斗くんのおかげで、美味しいものが食べられました(o^∀^o)



何とも可愛らしいメールの内容に、健斗は思わず口元が緩んでしまった

本当は麗奈が買ってくれたんだけど、あとで麗奈にお金返せば俺が買ったのと同じだよな

健斗は嬉しそうに返信した


Re.気にすんな(笑)

どういたしまして(≧ε≦)早川に喜んでもらえたんなら、俺も嬉しいし(笑)




送信っと



健斗はメールを送信すると、とても和やかな気分でケータイを置いた

やべぇ〜♪早川からメールが来るだけでこんなにも嬉しいことだなんて



という風に考えていると、今度は麗奈がじと目で健斗を見ていることに気がついた

「……結衣ちゃん?」

麗奈にそう聞かれて、健斗は内心ドキッとしてしまい、顔がひきつってしまった

「な……何で?」

「そのデレデレした顔見れば分かるよ」

健斗はそう言われて、すぐに顔を整えようとした

軽く咳払いをして、厳しい表情を作った

「さて……風呂でも入ってこよっ」

と健斗は言いながら、立ち上がって風呂場へと向かった

「……ねぇ」

ふと麗奈に呼び止められて、健斗はゆっくりと振り返った

「ん?」

「……健斗くんってさ」

と言ってから麗奈はちょっと躊躇っていた

「……何だよ」

「その……健斗くんは、今も結衣ちゃんのこと好きなんだよね?」

「え……?」

麗奈にそんなこと急に聞かれて健斗は胸が高鳴った

どうして今頃そんなこと聞いてくるのか……

「……そ、そうだよ」

恥ずかし気に吐き捨てるように言うと、麗奈はふっと笑った

可愛らしい、明るい笑顔だった

「そっか♪」

健斗はそんな笑顔を見ながら、怪訝そうな表情を浮かべた

「何で?」

「ううん。別に何でもない」

健斗は少し不思議に思ったが、あまり気にもせず、ゆっくりとまた風呂場へと歩いていった






健斗が風呂に入っている間、麗奈は自分の部屋に戻って風鈴の音を聞きながら、窓の外を眺めていた

静かに夏の虫の鳴き声を聞きながら、複雑な思いを膨らませていた

本当にいつから芽生えた気持ちなんだろう

この健斗に対する不思議な気持ちは……

普段話してても平気なのに、あの人の表情一つ一つが気になって仕方がない



健斗くんにとって一番嬉しいことは、結衣ちゃんと繋がっているときなんだね


何だろう……

すごく悔しくて、この苛々する感じは……

モヤモヤして……嫌な感じぃ



麗奈は外を眺めながら深いため息をつく

このやりきれない思いを誰にぶつけたらいい?


ふと、窓の外を眺めながら麗奈はまた今までのことを思い出していた

最近健斗への想いにふけると思い出してしまう

初めて神乃高に行って、すごく不安だったけど、健斗くんがいてくれたら安心感があったよね。すぐに結衣ちゃんやマナやヒロくんと仲良くなれて……不安が吹き飛ぶかのようだった

健斗くんさりげなく優しいんだよね……♪

教科書見せてくれたり、ルーズリーフくれたり……

そんな些細な気遣いがすごく嬉しかったよ?

屋上で、健斗くんは人といっしょにいることが苦手って話してくれた

健斗くんはそんな自分に嫌な思いを抱いてるみたいだったけど、私はそうは思わなかった

逆に自分の世界を大切に出来ていて、自由に生きる野良猫みたいな人でうらやましかった

私は……ここにくる前はずっと……お父さんのお仕事の都合で何度も引っ越しや転校を繰り返してた。お父さんの言うとおりにして……自由に生きることのできない飼い猫だったから

本当に健斗くんが羨ましく思えたんだよ


そういえば、その帰りちょっぴり健斗くんと喧嘩したっけ

私をお荷物みたいな風に言うから、私悔しくって

絶対自転車乗れるようになって健斗くんのお荷物を卒業してやるっ!!

って思ってたんだけど……一人じゃ全然上手くいかなかったよ

けど健斗くん……追いかけてきて……ってきり怒られるかと思ったけど

何も言わないで、優しい笑顔で練習に付き合ってくれたっけ

すごく楽しかったのを覚えている

今更無理するな

お荷物なっていい

俺に任せとけ

健斗くん……そう言ってくれたよね



麗奈はそんなことを思い出していくと、胸がキュンと熱くなった

頬を赤く染めて……健斗を思い浮かべる

今……思うのは

ずっと健斗の傍にいたい

いつ東京に帰るのかはわからない

お父さんからも電話なんてかかってこないし

でも

思っちゃうんだよね


ずっと電話なんてかかってこなくていいって




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