第5話 挑戦、変わる勇気
第5話 挑戦、変わる勇気 P.3
麗奈はご機嫌そうに鼻歌を歌っていた
けど健斗はご機嫌斜め。不本意だったからだ。麗奈の言うとおり、女の子の涙に弱いみたいだ
あんな表情されたら……健斗には耐えられなかった
けどあれはフェイクだったのかも……今の麗奈の様子を見たらそう考えた
填められた……
「ねぇ健斗くん」
「……んだよ」
「今日掃除のとき、結衣ちゃんといっぱい話せた?」
「んなっ!!」
健斗は顔を赤くして、麗奈を見た。麗奈はにやついて健斗を見ていた
「よかったね〜?どんなお話したの?」
「お前……もしかしてそれ狙って……」
「さぁ?」
健斗はしばらく麗奈を見たあと恥ずかしそうに顔を叛けた
「余計なお世話だよ!!」
「いいじゃん♪ねぇどんな話したの?」
「べ、別に何も話してねぇよっ」
「え〜?何か進展したりしてないの?」
「別に何もしてません」
健斗がそう言うと麗奈は呆れるようにため息をついた
「まったく……せっかく人が舞台をセッティングしてあげたのに……」
「ただ掃除さぼりたかっただけだろうが!!」
「あ、バレた?」
と言って麗奈はアハハと笑った。
健斗は麗奈にそう言われて、ふとまた早川の表情を思い出していた。
「……なぁ」
健斗が言うと、麗奈は笑いながら聞き返した
「ん?」
「あのさ、早川、本当にサッカー部の主将のこと好きって言ってた?」
「え?」
麗奈は不思議そうな表情を浮かべた
「そう言ってたけど……それに噂にもなってるじゃん」
「……だったらいいんだけどさ……」
「何で?」
「別に」
商店街に入ると、麗奈はキョロキョロと周りを見渡していた。どうやら、どれが健斗のバイト先なのか探しているみたいだった
商店街を走っている途中、挨拶を交わしながら健斗は走っていった
「あ」
麗奈は八百屋のおばさんを見ると声をかけた。
「おばさんっ!!」
野菜を綺麗に並べているおばさんは健斗たちに気がつくとにっこりと微笑んできた
「あら〜、健ちゃんに麗奈ちゃん」
「こんちわっす」
「こんにちわ〜♪この前、ヒヨコまんじゅうありがとうございました♪」
するとおばさんは高らかに笑いながら言った
「いいのよ〜。困ってたのを助けてくれたんだから」
「また困ってたら言ってください」
「ありがとう♪二人ともこれからバイト?」
「はい。麗奈は付き添いだけど……」
健斗がそう言うとおばさんはキャキャと笑ってきた
「あらそう〜?もう二人とも仲が良いこと。さすがは未来の夫婦ねぇ〜?ほほっ」
「ハハ……」
健斗は苦笑しながら複雑な気分になっていた
「じゃあ、商売頑張ってください」
「さよならおばさん」
「またね」
そう言っておばさんから離れていった
「お前さ、いつ買い物頼まれたんだよ」
健斗が訊くと麗奈は笑いながら答えた
「えへへ。お母さんに野菜の買い物頼まれたときにね〜……」
そして健斗たちは、Ryuに着くと自転車を止めた
麗奈はしばらく店を見て唖然としていた
「ここ?」
「そう」
「洒落た店だねぇ〜……」
「そりゃどうも。つーか早く降りろよ」
と健斗が言うと、麗奈はすぐに後ろから降りて、しばらく店を見つめていた
そんな様子が可笑しくって健斗は笑っていた
「ハハ。何見とれてんだよ」
「だって……私こんな店大人が入るようなもんだと思ってたから……」
「じゃあよかったな。大人の仲間入り出来て。ほら行くぞ」
と健斗は麗奈を促せて、店の中に入っていった
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