超リアルロボットストーリー 超機動要塞ガギグゲゴ(20/20)PDFで表示縦書き表示RDF


超リアルロボットストーリー 超機動要塞ガギグゲゴ
作:RC



第二十話(最終話) 新世界へ


「いっけえ!!」
 次郎はセロファンの乗るガギグゲゴへ突進した。2体のガギグゲゴは激突したが、コピーの方だけが弾け飛んだ。
(ガギグゲゴの性能の違いが、勝敗の決定的差にはならない事を…見せてやる!!)

「な、なぜサイエンサーたちも援護してくれるのだ!?」
 説明を受けていないアメシストの援護部隊の隊員たちは、ただボーっと激戦を眺めていた。
「次郎からはガギグゲゴを攻撃しろといわれたが…この場合はどうすればいいんだ!」
 彼らは非常に悩んでいた。そこへ交渉を終えたドッペルゲンガーが現れた。
「サイエンサーは味方だ!ガギグゲゴだけを破壊しろ!!」
「…一体、何が起きたんだ…」
「詳しい事は終わってからだ!!」

「ジョン、同時攻撃をすれば影響が出るはずだ。できるか?」
「できない訳ないだろ。さぁ、1、2の3でけりをつけよう。」
 二つの巨人は、同じタイミングで必殺技を繰り出した。
「Gブラスト!!」
「守妬頼苦・刃亜棲賭!!」
 さすがにこの攻撃で、炎上まではいかないが、ガギグゲゴは倒れた。

「ちぃ、こんな筈では…」
 セロファンは酷くあわてていた。同時に、彼はガギグゲゴの装甲に触りながら、何かを探していた。
(こうなったら最後の手段だ。これしか…手はない!!)
 そして彼は装甲がふたのように外れる部分を見つけた。その中には細かい電子回路が詰まっており、奥に『DANGER−危険−』のテープが張られたスイッチがあった。セロファンはためらうことなくそのスイッチに手を掛けた。
「な、なんだ!?」
 ガギグゲゴは変化を見せた。それは、ガギグゲゴの緑色の発光体が崩れ落ち、すべて全身から離れるという変化だった。
「セロファン、ガギグゲゴに何をした!?」
「見ての通りだ。ガギグゲゴの全身の発光体『エナジー・ロック』の真の働き…それは、ガギグゲゴの能力を制限する事だ。そしてそれがなくなった今は…ガギグゲゴは無敵だ!!」
 戦力はこの瞬間、逆転したのだ。



「うわあぁ!!」
 隊員たちはそれを聞くなり、一斉に後退した。ガギグゲゴは、以前よりすさまじい破壊力でGブラストを放とうとしたところだった。
「そこまでだ、バンクーバ・ハンバーガー!!」
「あ、RCさん!?」
 そこにいたのは、昔日のロシアの技師だった。
「誰だ貴様は…なぜここへ!!」
「なぜって?…こうするためさ!!」
 そう言うと彼は何かをガギグゲゴに投げた。それは装甲に張り付き、ホッチキスのようにめり込んでいった。
「何のまねだ!?」
「それかい?私が開発した…通常の33倍の抵抗値を持つ超小型強力抵抗器『レッドホーン』だ!さぁ、ガラクタと化した巨人の姿を見るがよい!!」
「な、なんだと…!!」
 ガギグゲゴはカメラアイの光さえ消え、動きが完全に停止した。
「き、貴様…」
「バンクーバ、この状況が判断できたならば…心の不幸を呪うがよい。」
「なに、不幸だと!?」
「そう、不幸だ。」
「…お前は…」
「そもそも、貴様の精神がいけないのだよ。フッ、フハハハハハ…」
 RCは高らかに笑った。

「いいのかな、こんな終わり方で…。」
 セロファンは自殺さえしなかったため、そのままアメシストに連れて行かれることとなった。
「問題ないんじゃない?今のところはハッピーエンドだし。」
「ところで、アンモニウマンは?」
「あ!!」
 忘れ去られていた彼の存在は、すぐに捜索された。そして彼の姿はすぐに確認できた。
「わるい、完全に忘れてた。すまん。」
「無理もないよ。なんでも、私のいた部屋はとても厳重で、世界で一番強度があるらしい。」
「なんだ。そうだ、不変薬はどこにあるんだ?最初からそれが目的でここまで来たのだが…。」
 ドッペルゲンガーはヘリウマンに質問した。すると彼は、とても言いにくそうにこう答えた。
「実は、それなんですが…言ってもいいですか?不変薬は…ないのです。」



「ちょ、何この展開?」
「いや、あることはあるんですよ。ですが…」
 そう言うと彼の部下のサイエンサーが、紫色の液体の入ったフラスコを持ってきた。
「それなのか?なんだ、あるじゃないか。さあ、さっさと開けようぜ。」
 ドッペルゲンガーはそれに手を近づけた。だが…。
「い、いけません!」
 ヘリウマンはその手をひっぱたいた。
「何だってんだよ!!」
「それは…腐っているのです。」
「…腐っている?」
「正確には違いますが、人間の言葉で言うとそんなもんでしょう。長い間手入れもせずにほうっておいた為に、中で細菌が繁殖しているのです。もしその中に病気の元でも入っていたら、世界中のサイエンサーが死んでしまいますよ。」
「じゃあ…俺たちの努力は水の泡だったってのか!?」
「いえ、そういうことではありません。」
「話をややこしくするなよ。」
「あなた方の技術を使えば、多少時間はかかるものの修復が可能だと思います。どうでしょうか?」
 ヘリウマンは先程登場したばかりのRC技師に尋ねた。
「その通りだ。」

人間とサイエンサーはこの一件を切欠に、今後共存を目指し『友好宣言』を行った。宣言は世界中に伝わり、一週間でサイエンサーの発生は0となった。アメシスト他各地の組織は、ガギグゲゴ等の残った謎をセロファンから聞き出し、以後はサイエンサー保護を目的とするようになった。一方ザ・ブレイカーは、基地にいるサイエンサーを全て人間界に進出させると共に、それが終了し次第基地を元対サイエンサー組織の受け渡す方針となった。

「で、目的は果たせたのかい?」
 とある日、教諭の松永は唐突に次郎に聞いてきた。
「聞かなくても分かるでしょう?あなたの能力さえあれば。」
「君らしいよ。」
 次郎は窓から見える空を見上げてみた。
「重要なのは…結果なんですね。」
 戦いは終結したのだ。














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