超リアルロボットストーリー 超機動要塞ガギグゲゴ(19/20)PDFで表示縦書き表示RDF


超リアルロボットストーリー 超機動要塞ガギグゲゴ
作:RC



第十九話 セロファン強襲


次郎の予想はピタリと当たっていた。
「うっ…何が起こったんだ…。」
 アンモニウマンが目覚めたときには、彼は檻の中に入れられ、どこかの密室へ入れられていた。外からは、何かの機械音が聞こえているだけだった。
「この音は…ガギグゲゴ?次郎が戦っているのか?」
 その音はすぐに遠ざかっていった。
「大丈夫だ…何とかしてくれるさ…。」

「兎に角、ここから出ないには始まらない。…とは言いつつも、どうやって出るか…。」
 次郎とその他の二人は、檻を持ち上げてみた。檻は意外と軽かったが、人が出るにはあともうちょっと、といったところだ。
「このー!そうだ、お前も手伝え!!」
 ドッペルゲンガーは何もせずに座っていたヘリウマンに向かって命令した。
「…私には、セロファン様のご計画を最後まで見届ける義務がございます。…手を貸すわけにはゆきません。」
「御恩と奉公がなんだってんだ!今は…サイエンサーと人間の両方の危機なんだ!どうせおまえも殺される。命は惜しくないのか!?」
 彼は一度考えた後、答えを導き出した。
「…分かりました。一時休戦といきましょう。」
 ヘリウマンが加わった四人の力で、彼らは外に出る事ができた。
「急ごう。僕はガギグゲゴを追う。ジョンは援護部隊の人たちに今の状況を伝えてくれ。博士はアンモニウマンの捜索。ヘリウマンは…何か考えてくれ!」
 四人は行動に移した。

「待てー、セロファン!!」
 ターゲットの姿を見つけた次郎は、最大限の速さで走った。ガギグゲゴは彼の前方で、Gブラストを乱射していた。基地から出た頃には、辺りが火に囲まれているのがはっきりと分かった。
「…よく出られたな…ほめてやろう。」
 次郎は身に着けていた小型銃を思い出し、彼に向けた。
「ガギグゲゴを…止めろ!」
「それは無理な相談だ。私は、ずっとこれを夢見てきたのだ。それが…君の存在によってかなったのだよ。」
「僕の…存在!?」
 そうしている間にも、ガギグゲゴは動き続けていた。



「そうだろう?ガギグゲゴをここまでよこすには、まず君を取り寄せなければならない。」
「で、でも、あなたは様々な刺客を送り込んで、僕たちを殺そうとしたはずじゃ…」
「だが結果的にはガギグゲゴはここにある。不変薬奪取作戦の開始から、全て計画どうりだよ。…田村真を覚えているかね?」
 思いがけないマイナーキャラの登場に、次郎は一瞬忘れた過去を振り返った。
「彼を3年半ぶりに変態した最初のサイエンサーに選んだのは他でもない、君をガギグゲゴの正規パイロットにするためだ。無論、そいつを人間世界に送り込んだのも…最初からその目的のためだ。」
「…なら、なぜ彼さえも僕を殺すような真似をした!?」
 セロファンは冷静さをやや失って答えた。
「まだ分からんのかね!?私は…全世界のモンスターたちを騙したんだ。夢のため、欲望のために!君に不変薬の事を教えた某都市の指令官も、あのナトリウマンでさえも…本当の事を知らせなかった。もし真実を伝えたらどうなると思う?分かるだろう、私に何が起こるか…。」
 次郎の頭に、今までの多大な怒りがこみ上げてきた。
「なぜ…僕をガギグゲゴのパイロットに選んだ!!」
「それは君が選ばれし人類だからさ。」
「選ばれし…人類?」
「そうだ。君の運命には、死という文字が見えてこないのだ。つまり…君の死は遠い場所にある。この意味が分かるかい?君は、私に最後の人間として選ばれるべき者なのだよ。」
「そ…そんな…」
「刺客を送り込んだのも、君の運命を確かめたかったからだ。君が常人ならば、今頃天国にいたはずだ。こんな人間は滅多にいない。そして私はできるだけ多くの死をつくりたい。そのためには、最低一人は生かさなければならない。私は探し続けた。君のような運命の人間をな。」
 次郎は何も言えなかった。彼の言う事を変換すると、自分が存在したからこんな大変な事態になってしまった、という事になるからだ。
「私は君のような人間の誕生を、何年も何年も待ち続けてきた。さあ、協力しておくれ。ガギグゲゴに乗るんだ。」
 セロファンはガギグゲゴの姿勢を低めた。
「…嫌だ。」
「なんだと!命が惜しくないのかね!?」
「お前の理想のために残される体なんて…僕には必要ない!命は…散らすためにあるんじゃないんだ!!」
 次郎は手に持っていた銃を撃ち放った。弾丸はセラフィムの左手をかすった。
「…後悔するが良い…誰も私を止められん。最後に笑うのは私自身だ!!」



「おれおらおらおら!!」
 ジョン・ブラウンは、事態を知りかけつけた複数のコピー・ガギグゲゴとそのパイロットと共に、ギャギュギョ・Nでガギグゲゴを止めようとしていた。だが、数では勝っているが性能の違いゆえに戦力は五分五分といったところだった。強いて言えばセロファンの方が押している。
「相手がメカならサイエンサーじゃないないんだ!俺だって…!!」
 ジョンはろくに使っていない愛機の性能を最大限に生かそうと努力していた。

「博士、アンモニウマンは!?」
 セロファンとの討論後、次郎はドッペルゲンガーの姿を見かけていた。
「…だめだ、いくら探しても見つからん。おそらく、サイエンサーがとても厳重な場所へ移したんだろ…。」
「くそ…!」
 その時、あたりからサイエンサーの群れが現れた。
「…なんだってんだ、こんな時に!!」
「こんな時だからこそ…だろ?」
「え?」
 そして奥から出てきたのはヘリウマンだった。
「私が…協力を呼びかけました。」
「おまえ…」
「私もやっと理解する事ができました。今はお互いの危機、協力してセロファン様…いえ、セロファン・フリーザンを倒しましょう!!」
 人間とサイエンサー、それも悪心のものが団結することは、過去に前例がないことだった。
「よし…いざ、出陣だ!!」

「な、何だ!?」
 ガギグゲゴを操るセロファンは、目の前の光景を見て唖然としていた。
「モンスターめ…裏切ったな!!」
 サイエンサーたちは次々と巨大化していき、ガギグゲゴに対抗していた。
「飼い犬に手をかまれたか…まあよい、誰も勝てるやつはおらんからな!!」
 セロファンはそれでもガギグゲゴの武器を上手く使いこなし、敵を破壊していった。

「早く乗れ!君が一番ガギグゲゴを上手く使えるんだ!!」
 次郎も運ばれてきたコピー・ガギグゲゴに乗り込もうとしていた。
「山田次郎、出撃します!!」












ケータイ表示 | 小説情報 | 小説評価/感想 | 縦書き表示 | TXTファイル | トラックバック(0) | 作者紹介ページ


小説の責任/著作権は特に記載のない場合は作者にあります。
作者の許可なく小説を無断転載することは法律で堅く禁じられています。




BACK | TOP | NEXT


小説家になろう