超リアルロボットストーリー 超機動要塞ガギグゲゴ(15/20)PDFで表示縦書き表示RDF


超リアルロボットストーリー 超機動要塞ガギグゲゴ
作:RC



第十五話 再会、父母よ


「軽い精神崩壊だ。リハビリ…というか、改めて学ぶ事を学んで新しい気分になれば、また戦えるようになるだろう。だが、しばらくの間は安静にしておくことだ。」
 戦闘時の事もあり、念のためにとアメシスト基地の医務室で診断を受けさせられた次郎は、担当の男にそう言われた。
「次郎、しっかりしてくれよ。お前が戦わないと、何も始まらない…終わらないんだ。」
「…うん、やってみるよ。あの時、ちょっとおかしくなっていたみたいだ。」
 次郎の覚醒状態は次第に薄れてきていた。
「こういう事って、俺たちみたいな人間にはよくある事なんだってさ。…考えてやったんだろ?敵の事をさ。」
「今はあんまりそういうことを言わないでくれ。また、同じ状態に戻ってしまいそうなんだ。」
 そこへ、彼に代わって診断結果を詳しく聞いていたドッペルゲンガーがやってきた。
「本部には連絡をしておいた。…大丈夫だ、時間なら無限にある。問題は…チャンスだ。」
「チャンス?」
 博士は言いたくなさそうに説明した。
「…昨日、東京都内では初めてのサイエンサーの複数同時発生が起きたらしい。次郎の戦闘が終わった直後、戦闘場所のすぐ近くにだ。」
「…まさか、やつらはもう俺たちがここに来ていると知って…狙われているのか?この四人が!?」
「おそらく、そういうことになるだろう。」
 次郎は、ここんとこの博士は様子が少しおかしい気がする、と思いながら聞いていた。
「次郎、どうする?このまま作戦を続けるか、不変薬を諦めて某都市に戻るか。」
「そんな事…答えはもう決まっているじゃないか。かえ…戦うよ、命のある限り。それが、僕の運命だと信じて。」
 四人の意見は全て一致した。
「…そうだ。あともう一つ言わなければいけない事があった。」
「何ですか、博士?」
 再び博士は言いづらそうに話した。
「そのサイエンサー発生の時の戦闘で、犠牲者が出たんだ。犠牲者といっても、ちょっとした怪我に過ぎないがな。」
「それがどうかしたのですか?」
「それが…君の実の父親なんだ。」
 次郎は思いもかけない人物の登場に、驚きを隠せなかった。
「彼のいる基地は、ここからそう遠くない。休養ついでに…訪ねてみるか?」
 それに対しての答えも、次郎はすぐに決まった。



「父さん、母さん!!」
 基地へ着いた次郎は、ベッドで足にギブスをつけ横になっていた父親の姿を目にした。ベッドの横には母もいた。
「…久しぶりだな、次郎。元気にしていたか?」
「まさか、こんな所で再会するとはねぇ…何年ぶりかしら?」
「僕は大丈夫だよ、平和に暮らしている。今は…ちょっと危険な仕事をしているけどね。」
「危険な仕事?」
 次郎は、両親に現在進行中の作戦の事を話した。二人は黙ってそれを聞いていた。
「そうか…。そんな重要な任務に…。」
「心配しないで、きっと成功させるから。父さんは傷を休めながら、僕の活躍を見物していてよ。…いつか、誰かがやらなければいけない事なんだ。それに、僕は常人以上の訓練を受けたからサイエンサーの奴らを…不変薬を手に入れてみせるんだ!」
 その時、父母は彼の『訓練』という言葉から、ここに来た理由、過去の失態を思い出した。
「…次郎、あの時は本当にすまなかった。あの時父さんがお前をアメシストの隊員に選ばなければ、今頃某都市で今より平和に暮らしているはずだったのだが…。今思えばとても後悔している。悪かった。」
「気にしなくていいよ。おかげで大切な仲間もできたし。」
 親子の3年ぶりの面談は、30分ほど続いた。だが、いつまでも時間があるほど、次郎は暇ではなかった。
「じゃ、僕も任務遂行があるから、また機会があったら会おう。さよなら、父さん、母さん!!」
「おう、いつでも来いよ!!」
 次郎は惜しみながら基地を後にした。

「どうだったか、奇跡の再会は?」
「奇跡って…ただの偶然ですよ。嬉しい事に変わりはありませんがね。」
 次郎の状態も回復し、四人は再び目的地を目指していた。
「次郎、これからまた山手線に乗るとなると、再び秋葉原を通る事になるのだが…」
「駄目です!」
 彼は単刀直入に答えた。その瞬間だった。Gウォッチがシグナルを鳴らした。
〔特別部隊!第45基地にサイエンサー発生だ。どうやら今まで以上の悪性のタイプらしく、こちらでは手が足りない。至急応援を頼む!!〕
「第45基地…父さんと母さんのいる基地だ!行かなくちゃ!!」
 4名の隊員は急遽目的地をアメシスト基地へ変更した。
「サイエンサーめ…絶対に倒してやる!!」



サイエンサーは基地で大暴れしていた。
「くらえ!!」
 隊員たちは爆弾を投げ銃を撃っていたが、あまり効いてないようだった。
「ここにはパイロットがいないんですか!?」
「この辺はあまりサイエンサーが発生してないから、訓練を受けさせているのはほんの5,6人なんだ!」
 基地のコピー・ガギグゲゴに乗り込んだ次郎は、頭の中が文句でいっぱいだった。
「なんで僕が毎回戦うんだー!!」
 次郎の体は度重なる戦闘による疲労で、最大限の力を発揮できなくなっていた。サイエンサーはそうやっている間にも、建物にパンチを食らわしてボロボロにしていった。
「うぉー!!」
 次郎はさっそくGブラストを放った。しかし、相手は悪性のタイプ、ろくなダメージを与えなかった。
「ならばギャギュギョで…いや、それは無理か。」
 ギャギュギョは試作機のため、某都市のガギグゲゴにしか付属していない事を彼は思い出した。
「くそ!じゃあ…空で死ね!!」
機械の巨人はサイエンサーの体を持ち上げ、空中へ投げ飛ばした。が、次郎の疲労のせいかあまり上がらず傷一つなく帰ってきた。怪物は基地の真上に落ち、建物が大きく損傷した。
「このままでは基地が…どうすれば…」
「…Gミサイルを使え!!」
 それは基地から小さく聞こえてきた声だった。声の主は次郎の父親だった。
「Gミサイル?使えるの?」
 それは謎の多い武器で、ガギグゲゴのものを参考に作られたものだった。いままでに何人ものパイロットが試しにと使ったが、いつもあまり効果がなくいざというときの兵器、という感じのものだった。
「…一か八かだ、喰らえ!!」
 ガギグゲゴの胸、肩、背中からミサイルが発射された。ミサイルは外れることなく全てサイエンサーに命中した。
「ギャー!!」
 サイエンサは木っ端微塵に吹き飛んだ。

 Gミサイルの有効条件はまだ判明しないまま、四人は再び目的地へと急いだ。次郎は再度両親との別れを惜しみ、作戦の成功を深く祈った。












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