超リアルロボットストーリー 超機動要塞ガギグゲゴ(10/20)PDFで表示縦書き表示RDF


超リアルロボットストーリー 超機動要塞ガギグゲゴ
作:RC



第十話 強敵、ナトリウマン


「君の話は某都市の司令官から聞いている。…君の粉砕命令もな!」
 サイエンサーはそう言いながら、二人の方へ突進してきた。ドッペルゲンガーは悲鳴を上げながら逃げ、次郎は届いたガギグゲゴへ飛び乗ろうとした。しかし、ナトリウマンは標的を失って進んだものの、すぐに方向転換をした。
「させるか!!」
 ナトリウマンはジャンプをしてガギグゲゴの前に立ちはだかった。
(今日の敵は…いつもと違うぞ!)
 ともかくガギグゲゴに乗らないと倒せないので、次郎はサイエンサー用の小型銃を取り出し、目の前の敵に撃った。
「ちぃ!ならば…!!」
 彼は見る見るうちに巨大化した。
「見せてもらおうか、アメシストの…本物のガギグゲゴの性能とやらを!」
 次郎はガギグゲゴを起動、変形させた。
「博士はじゃまだからどいててください!こいつは僕がやります!!」
「『僕が』って、私ができるわけないじゃないか!!…とにかく、頼んだぞ。」
 彼はスタスタと帰っていった。
「さぁ、来い!ナトリウマンだか、ナメクジマンだか知らないが、ガギグゲゴさえあれば敵ではない!!」
 次郎はコックピット内でそうつぶやいた。それが聞こえたのか、ナトリウマンは再び突進してきた。
「今だ、Gブラスト!」
 しかし、Gブラストのビームをもろともせずに、ナトリウマンはガギグゲゴにぶつかった。
「ぐわぁ…!」
 ガギグゲゴは地面に倒れ、次郎はパニックに陥った。
「まだまだ!次はアンモニウマンに教えてもらった必殺技だ、喰らえ!!」
 ガギグゲゴは上にのしかかっていた敵を足を大きく動かして振り払った。サイエンッサーはその力で上空へ舞い上がった。が、ナトリウマンは無事地上へ戻ってきて、その上ガギグゲゴの真上に落ちてきたために次郎は再度大きな衝撃が与えられた。
「あいにく、私は悪性のブロッケン・モンスターではなくてな。この力は…自分の力で手に入れた物なんだよ!!」
 次郎は、一般性(普通のサイエンサー)であってもトレーニングをすれば悪性なみに強くなれる、ということ思い出した。ガギグゲゴはナトリウマンに数度踏まれ、ボロボロになっていた。
「…一体…何の恨みがあって…」
 そこで次郎の意識は途切れた。



(ここは…何処だ!?…って、前にも一回言ったような気が…。)
次郎は目を覚ました。そこはダクオンの船内だった。
「…次郎、大丈夫か?生きていてよかったよ。」
ジョンの声が目覚めたばかりの耳に響いた。
「僕は…どうなったんだ?」
 戦闘で役に立たなかったドッペルゲンガーが説明をした。
「さっさと逃げた俺が言うのも変だが…おまえはサイエンサーに負けたんだ。ナトリウマンが命を奪う前に、エメラルドのやつらが駆けつけて、敵は素早く逃げちまった。ガギグゲゴは今や再起不能状態。修理にはかなりの時間がかかりそうだという理由で、俺たちの作戦は一時中止。今、船は日本海を通って某都市へ向かっている。」
「…僕のせいだ。もっとしっかりしていれば…!」
 アンモニウマンは失敗を悔やむ彼を慰めた。
「気にするな、誰でも失敗はするさ。それに、ナトリウマンといえばサイエンサーの中でも5本の指に入るほどの強さだと聞いたことがある。負けて当然、生きて帰ってこれただけでもすごい事なんだ。」
 それでも次郎は責任を感じ続け、何も言えなかった。

「とんだ災難だったな。まぁ、チャンスならいくらでもある。ガギグゲゴが直り次第、また計画を立ち上げよう。」
 ストックホルムは失態をした次郎を責めなかった。
「みんな僕の責任です。…恨んでくれてもいい。」
 次郎は部屋を出た。ドッペルゲンガー博士はまだ中にいた。彼はストックホルム大佐に向かって土下座をした。
「すみません、大佐!私が何の役にも立てなかったから、次郎は…」
「いや、博士が謝ることではない。」
「は、『博士』!?」
「君が戦闘に加わっていたら、よけいにガギグゲゴと次郎君に被害が及ぶところだった。よって、次郎君の障害物にならないようにした君の行動は適切だ。心から感謝する。」
「…うれしいような、悲しいような…。」

次郎は偵察の任務に戻った。計画を実行していた間、彼は風邪で休んでいた事になっている。なんでも、大佐の知り合いに中学校の教員がいるらしい。彼はうつむきながら登校した。やはり、先日のことが頭から離れないでいた。
「僕は…あのサイエンサーに勝ちたい…!」



(こうしている間にも、世界中からサイエンサーたちが消えていく…。)
中学校の廊下。次郎は今まで以上の不安に襲われていた。
(一人のサイエンサーが死ねば、その時戦った世界各国のガギグゲゴから超音波が出され、一般民からその怪物の記憶が抜き出され、消去される。組織はそれを繰り返して、地球の平和を守っているが…それでいいのか?存在がなくなったとしても、つい数分前までは誰かの大事な人だった人間だ。…決して気持ちのいいものではない!)
次郎は前にもこうやって考えたことがあったことを思い出した。
(不変薬!不変薬さえ手に入れば!!)
 その時、彼は後方から気配を感じた。
「次郎君。悩みなら、話になるよ。サイエンサーの私でよければな。」
 それはサイエンサーの松永先生だった。彼は、すでに自分の正体が少年に知られていることに気づいていた。

「私は最初から知っていた。君がアメシストの偵察員である事も、この数日間何をしていたのかも。」
 彼の言葉はいやみに聞こえた。
「君は私を悪心のタイプだと思っているだろうが、それは違う。ちなみに、君は一度私を尾行した事があったが、あの時は本当に出張の用事があったんだよ。」
 しゃべり方といい、雰囲気といい、次郎が感じる限り今までの松永とは別人に思えた。
「…あなたは心の中でも見えるんですか?」
「サイエンサーには、ごくまれに特殊能力を身につけた者が誕生することがある。私のように。」
 松永はあたりを見回した。
「教えてください。悪心でも良心でもいいから、助ける方法はないんですか?」
 徳永は再び次郎のほうを向いた。
「…時を待つんだ。今の君には不変薬しか手はない。それまで、多くのサイエンサーが変態をしないよう願ってるんだ。」
 そう言って彼は去っていった。

1ヶ月後、ガギグゲゴの修理が完全に終了した。その1ヶ月間、何人もの次郎の友人が犠牲になった。もう彼は待ちきれなかった。
「これより第二次不変薬奪取作戦を行う。前回の事もあるので、各員気を引き締めて行動するように!」
 ボルケーノは前会った時と何の変わりもないようだった。作戦には、一度イギリスに帰国したジョンも再び参加してくれた。そして、アンモニウマンも。隊員は太陽の下で成功を固く誓った。












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