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メビウス ループ
作:優楽



9 泊まり


「もう一つ、これだ。」
 首からネックレスを取った。
「なに?」
「指輪の中みてごらん。」
「も・も・あんど・ひ・ろ?」
「健二にも『もうそんなもんするな!』って、さんざん言われたよ…。16年も付けてる…。」
「ずっと?」
「途中ネックレスを交換する以外はね。」
「まだ好きなんだ。」
「戦友みたいなもんさ。」
「分かんない…。」
「心の真ん中にまだドンといるんだよ。」
「それを理解して、許してあげれるのは私だけじゃない?」
「よく考えろって!」
「考えたよ…。」
「真理が成人したら俺は40過ぎのジジィだよ。」
「分かってる。」
 やや沈黙があった。
「タクシー拾いに駅まで行こうか。」
「泊めてよ。」
「襲わないならいいぞ。」
「襲わないつぅの!」
「明日は6時起きだぞ!」
「早くない?。」
「着替えに帰るとぎりぎりだよ。」
「わかったよ。」
 厳しくしてるつもりが、ときに甘くなる…。自分が押さえられなくなりそうで怖い。
「ギター弾けるの?」
「少しだけな。」
「今度教えてよ。」
「真理が習ってきて俺に教えてくれ。」
「えっ…、いいけど。」
 俺の知らない間に桃子が買ったのだ。作りかけの曲があるが俺の力では、続きを作れない。
「どの部屋寝る?」
「同じ部屋にしてよ。何もない部屋のほうが怖いじゃん。」
「言っておくけどイビキひどいからな。」
「気にしない。」
 1階の洋室に2人で寝た。そこが今の俺の寝室だ。ロンパンとTシャツを貸したがデカ過ぎる。
 夜、もぞもぞと俺のベッドに入ってきたが、添い寝するだけの事だった。

 起きてシャワーを浴びてるとドアの外から声をかけてきた。
「一緒に入ってもいい?」
「アホか?」
「いいじゃん!」
「すぐ出るから待ってろ。」
「私、気にしないよ。入るね。」
「おい!おい!」
頭を洗ってる最中だった。
「まったく。」
「へーっ。男の人ってそうなんだ。」
「何見てんだよ…。幸太の見てるだろ!」
「見た事ないし…。シャワー借りるね。」
「本当浴びるのかよ?」
「遅刻しちゃうから!」
「こんな時だけいい子になるな!」
「いい子だもん!」
「あーっ、もういいや、髪すすぐからシャワー貸せ!」
「かけてあげる。」
「たく…。」
洗い終わり目を開けると裸の真理が、くもりかけの鏡に映った。
「私ってどうかな?」












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