76 腐れ縁
考えてみれば席順が美紀の後ろに私がいる。いつもの亜希なら休み時間毎に私の席に来るのだが、今日は全く来る気配がない。自分の席から動かないのだ。こんな時に限って移動教室もない。
昼休みになって自分の席から亜希を呼んだ。
「亜希!」
私を見てから美紀の方をちらっと見た。美紀を気にしてるのがわかる。
「真理私ちょっと青木先生に呼ばれてるから、ご飯食べちゃって。」
「えっ?お昼まで?」
「なんだろね?亜希と食べてね。」
「わかった。」
それで美紀は教室から出てってしまった。それを見た亜希が私に近づいてきた。
「美紀どこ行ったの?やっぱり怒ってるよね…。」
「亜希…。」
「私、今度から典子のクラス行って食べるから気にしないで…。」
「美紀に謝っちゃいなよ。『この時期辞めて、チームに迷惑かけてゴメン。』って。」
「…。」
「謝ったら、すっきりするかもよ。あと言っておくけど私は亜希が復活するのは大歓迎だよ。」
「ありがと真理。」
「戻ってきなよ。」
「うっ…、考えておく。」
「待ってる。」
亜希は、私にニコッと笑って見せた。
「ねぇ真理。別なとこで食べない?」
「屋上行く?」
「うん。」
「よし決まり!」
「わかった。」
亜希がお弁当を取りに自分の机に向かった。
「深谷。」
このクラス唯一の男子バスケ部が話しかけてきた。名前は覚えてない。
「何?」
「亜希って部活辞めたの?」
「えっ?」
亜希の事を名前で呼んだ?
「バスケ辞めたの?」
「そうだね。」
「そう…。」
そこに亜希が戻ってきて、
「真理が男子と話してるなんて珍しい。平沼と何の話?」
平沼。そうだこの子は平沼くんだ。
「ちょっとね。」
「何?何?平沼!真理にちょっかいだしたら承知しないからね!」
「ちょっと亜希。」
「わかってるよ。」
「ならいいけど。真理行こう!」
今日は珍しくお弁当を作ってきた。亜希と長話をする事を予想していたからだ。購買に行く時間を削りたかったのだ。
「お弁当珍しいね。」
「たまにはね。」
「ねぇ、平沼何だって?」
「気になる?」
「別に…。あいつとは幼稚園から一緒だから。」
「幼なじみ?」
「家が近いだけ。」
「ふ〜ん。いい人いるじゃん。」
「そんなんじゃない。あいつとは兄弟みたいもん。」
「でも心配してたよ。」
「嘘?」
亜希は兄弟くらいにしか思ってなくても、相手がどう思っているかはわからない。 |