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メビウス ループ
作:優楽



71 探し物


「何じろじろ見てるの?早く入ろうよ。」
「う、うん。」
「でも真理って顔もいいけどスタイルいいよね。」
「えっ、あ、ありがとう。」
「少しは否定しなよ。」
「そうだよね…。」
「ねぇ。」
「何?」
「山下先輩とこでタレントしなよ。」
「いいよ。」
「もったいない。私が真理ならブイブイ言わせてるな。」
「ブイブイって…?」
「使わない?」
「さぁ…?」
「うちのお母さんだけかな?」
 典子が脱いでいる時に感じたのが、ドキドキしてないという事だった。なんだろ…。中に入って他の3人の裸を見てもドキドキしなかった。
 貴代の隣に座りシャワーを浴び、体と髪を洗って湯舟に体を沈め目を閉じた。男だったら絶対にドキドキしてたはずだ。桃子と入れ替わった時はどうだったろう…、考えてもしかたない事だ。

 結局亜希は次の朝も合宿に顔を見せず、連絡もつかなかった。幸太も連絡がない。午前中の練習が終わり昼食を済ませたあと、一旦抜けて家へ帰った。確か栗原の名刺があったはずだ。
「あら真理。合宿どうしたの?」
「あっ、ちょっと探し物。純ちゃん休み?」
「今ゴールデンウイーク中よ。」
「そうか。愛子さんは?」
「店手伝いいくって、昨日言ってたじゃん。」
「私、昨日いないし。5月病にはまだ早いよ。」
 名刺をどこに置いたか覚えてない。
「何探してるの?」
「えー、栗原さんの名刺。携帯の番号入ってたはずなんだけど…。」
「進藤さんかお姉ちゃんに聞いた方が早くない?」
「店忙しくない?」
「暇でしょ。ゴールデンウイークだよ。店に電話してみなよ。」
「そうだね。」
 携帯電話で店にかけると愛子が出た。
「山桃花です。」
「愛子さん。真理です。」
「あっ、真理。どうした?」
「今、大丈夫?」
「ランチのお客終わったから暇だよ。」
「愛子さん栗原さんの携帯電話教えて。」
「なんで?」
「幸太に連絡したいんだけど、携帯出ないの。」
「あの子どうしたのかしら…?わかった私が電話してみる。私も心配だし。」
「愛子さん、ちょっと事情があって急いでるんだ。」
「わかった。すぐ折り返すから…。」
「じゃなくて、直接話したいんだよ。」
「でも人の番号勝手に教えるのは気がひけるな〜。」
「だったら栗原さんの名刺探して電話するからいいよ。」
 ふと、以前幸太から貰ったメールに、栗原の電話番号が入っていた事に気付いた。携帯の受信メールを確認するとあっさりわかった。
「真理には負けるわ…。」
「ゴメンわかった。」












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