69 行方
今年のゴールデンウイークは4連休があり、そこは3泊4日の合宿にとなった。
「なにも4日間ともやらなくていいよね?」
「最終日は午前中だけだし…。彼氏いる真理と貴代は可哀相だけど、私達はそうでもないよ。ねぇ亜希。」
「…。」
「亜希?」
「あっ、うん。」
「亜希そろそろさシャキっとしなよ。田中さんって本当は彼女いるみたいよ。」
「えっ!嘘でしょ?」
今まで見た事ない顔でこっちを見てる。彼女がいるかいないかなんて、実際は知らない。
「だから真理がやめとけって、言ってたじゃん。」
「嘘でしょ?」
「真理どうなの?」
「あ、あんなにカッコイイんだから、いても不思議じゃないじゃん。幸太が女の人といるとこ見たって言ってた。」
嘘の上塗りをしてしまった。
「そう…。でもそれだけなら彼女かどうかわからないでしょ?」
「そ、そうだね。でも亜希が付き合えるかどうかもわからないでしょ?」
「そうだけど…、そうだけど応援してくれてもよくない?」
「わかった…、応援する。だけど、最近亜希らしくないよ。特に部活の時とか。」
「そうだよ。最近の亜希は人の話聞かないし。」
「そんな事ないよ。バスケもちゃんとやってるし、典子の話も聞いてるよ。」
「じゃ、朝電車でした話は?」
「えっと…。」
どうやら本当に覚えてないようだ。
「ほら。」
「美紀も心配してたよ。『最近の亜希気合い入ってない。』って。」
「本当に?」
「だから引退するまで、部活頑張ろうよ。」
「うん…。」
頑張ろう。と言ったとこで亜希が変わるとは思ってなかったが、言わずにはいられなかった。
合宿の初日の部室にゾロゾロと部員が集まりだし、3泊分の大きなバッグが積まれていった。今年の新入部員は10人いるが、何人残ることか…。
「ちょっと真理。」
「何?」
「亜希と典子見なかった?」
「あーそういえば来てないね。」
「そう…。」
「電話してみようか?」
亜希にかけるが、電源が入っていないというメッセージが流れ、典子に電話すると、
「あっ典子?」
「ちょっと遅れる。」
「どうしたの?」
「亜希と待ち合わせしたんだけど来なくて…、今、電車降りたから。」
「一人?亜希一緒じゃないの?」
「やっぱり来てない?」
「うん。電話も出ない。」
「私も何度もかけた。」
「そう…。典子、急がなくていいから気をつけて来てね。」
「うん。」 |