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メビウス ループ
作:優楽



64 洋菓子1


「何食べる?」
「そっちは何食べたいの?」
「とりあえずクレープ。」
「ちょっと、38才のオッサンが、クレープとか言うなよ。」
「最近甘いもの食べてないからいいじゃん。」
「じゃここで待ってるから、自分の分だけ買ってきなよ。」
「分かった。」
 と言うと、お客の最後尾に並んだ。よく見ると女性の中にオッサンが頭一つ出て目立っている。それに気付いた私はすぐにヒロの元に行き、
「私が買うよ。何がいいの?」
「どうしたの?」
「回り見なよ。女の人ばっかりだよ。恥ずかしいじゃん。」
「そう?メニュー見たいし、一緒に並ぶよ。」
 私の“恥ずかしい”気持ちなんて、おかまいなしといった感じだ。
「やっぱり食べたくなった?」
「いらないって…。」
「そう…、美味しいのに…。」
 結局オーソドックスなチョコバナナを買うと、
「ん〜久々。美味しそう。いただきま〜す。」
 と言いつつ、大きな口で頬張った。口の端に生クリームが付いている。
「甘っ!って甘すぎだな〜。」
「缶コーヒーでも買ってこようか?」
「頼む。」
「分かった。」
 近くの自動販売機でホットを買って横に座ると、更に一口頬張った。
「甘っ…。なんかもういいや…。コーヒー頂戴。」
「もういいって、もう食べないの?」
「いらない。」
「たく…。もったいない。」
「食べない?」
「少し食べるから、もう少し頑張んなよ。」
 コーヒーとクレープを交換して、結局私が残りを完食した。
「本当は食べたかった?」
「太ってもよければいくらでも食べるけど。」
「ダメだよ。」
「そっちだって気をつけてよね。そろそろ人間ドック行こうと思ってたくらいだからね。」
「オジサンだからねぇ〜。」
「うるさい!今はそっちがオジサンだよ。」
「そうだった。」
「メタボ対策にジムでも行く?」
「一緒に?」
「こっちはまだ平気でしょ?」
「そうだけど、付き合いなよ。心配だろ?」
「心配だけど…。」
「でもまだ先でいいよ。夜の営業再開したら、行けなくなるだろうし。」
「夜はしばらく営業しなくていいよ。」
「なんで?」
「前から夜はそんなにお客さん入ってなかったし。」
「そうなの?」
「まったく入らない時だってあったし。」
「そう…。だったらいいか…。」
「それで相談があるんだけど…。」
「何?」
「進学して勉強したい事あるんだけど。」
「勉強?」












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