61 撮影
栗原の運転で撮影スタジオに着いた。駅からそんなに遠くない。
「さぁ着いた。私語は厳禁ね。質問があるときは私に耳打ちしてね。」
「幸太とも話せないって事ですか?」
「休憩中なら少しだけ大丈夫よ。でも終わってから十分時間作るわよ。」
「そうですか。あっ、栗原さん言い忘れないうちに言っときます。」
「何?」
「青木先生がよろしくと言ってました。」
「青木先生?」
「はい、今年から大和に戻って来て、女バスの顧問になりました。」
「そう…。」
「ちなみに3人とも大和高校バスケ部です。」
「あらっ。」
「栗原さんの直の後輩になります。」
「へーっ。そうか真理ちゃんもバスケやってるんだ。」
「はい。」
「あの〜、質問いいですか?」
「あっ、どうぞ。」
「栗原さんもモデル出身ですか?」
「お世辞?」
「違いますよ。マジ質問です。」
栗原は業界が長いからか、都会に長く住んでいるせいか、昔と比べると垢抜けた感じにはなっている。着こなしもオシャレだ。
「ま、お世辞でも嬉しいけど。」
「違うんですか?」
「私は昔からマネージャーよ。真理のお姉さんの付き人みたい事してた時もあったわ。」
「真理のお姉さん?お姉さんモデルだったの?」
「亜希。スタジオの外だからいいけど、中でそんな大きい声出したらつまみ出されるからね。」
「あっ!」
「あなた達が産まれる前の話よ。」
「へーっ。」
「亜希本当に中で騒がないでね。」
「そうよ。いくら後輩でもつまみ出すからね。」
「はい。」
でもスタジオで1番始めに声を発したのは亜希だった。『超カッコイイ〜。』と目がハートになっている。
男性モデルが何ポーズか撮ると、次の男性モデルも同じ様に何ポーズが撮った。衣装と髪型を変えまた出てくる。亜希が栗原に耳打ちで、何か質問してる様だ。典子はと言うと小さいから、前に立つ関係者の隙間から覗くように見てる。そこでどうやら休憩になり、カメラマンが栗原のところへ挨拶にきた。
「何、栗原さん大勢連れて?どうしたの?」
「見学です。迷惑かけませんので、すみません。」
「いいよ。若い女性は大歓迎だよ。」
「それって私に対する嫌味ですか?」
「おー恐!あれ?」
「どうしました。」
「いや、気のせいか…。この子どっかで会った事ある?」
どうやら私の事みたいだ。栗原の方を見ると目が合う。
「新人さん?」
「いえ、友人の妹です。」
「そう。可愛い子だね。」
「はい。モデルにしたかったんですが、保護者に断られまして…。」
「残念だね。」 |