45 ワイン
食事のあと少し休んでお風呂に入った。真理の裸も見慣れたもんだ。体を洗うのも実に事務的だ。ただ最近は興味本位で胸やアソコの感じるところを触ってみたりして、ついつい長風呂になったりしている。でも今日は部活で疲れた事もあり、ゆっくりバスタブに浸って疲れを取っている。
風呂からあがるとヒロは居間にいて、愛子とお茶を飲んでいた。
「お帰り。」
「ただいま。」
「恵理さんどうしたの?」
「いや今話してたんだけどさ、浅野くんが言うには『店が震災で結構めちゃくちゃで、店を改装するのに資金が無くて…。』って愚痴ってて…、」
「ふ〜ん。」
「それで、店オープンしてなくても賃貸料とか人件費とかあって…、」
「お給料は待ってもらえばいいでしょ。」
「そうだよね。」
「元々経営厳しかったんじゃない?」
「確かにこの間行った時もディナータイムなのにガラガラだったもんね。」
「確かに…。」
「銀行は相談行ったのかな?」
「その辺は言ってなかったな…。」
「酔い潰れちゃうくらいだから、厳しいんじゃない?銀行行ったあとだったとか?」
「そういえば、シチリアは営業してるのかな?」
「この間前通ったらやってたわよ。」
「よかった。」
「真理、シチリア行った事あるの?」
「何度か一緒に…。」
「そうなの。」
「レッジーナも見に行ってみるか…。」
「真理が行ってもしょうがないでしょ?」
「まぁ、俺も気になる。」
「広志くんは、明日の仕事前に寄ってみれば…。」
「そうする。」
私は今のところあっちに行く用事がない…。
「真理も気になるなら夕方店に来い。」
「うん。」
「まぁ、いいけど。私もお風呂入ろうっと。」
と、愛子は風呂へと行ってしまった。
「フォローしてくれて、サンキュ。」
「どう致しまして。」
「でも心配だなぁ…。」
「恵理さんって昼からお酒飲む人だった?」
「いや、そもそもうちの店で飲む事なかった気がする。先代の奥さんはよく飲みに来てたけど。そのたびに『ワイン置け!』ってうるさくて…。」
先代の奥さんは去年の暮れに亡くなっている。
「そうだ!ワインだ!」
「何?」
「多分高いワインが残ってるはずだ。それを処分すればなんとかる…。」
「地震で割れちゃってるかもよ。」
「いや木箱のまま残ってるやつがあるはずさ。奥さんが『来年飲み頃のいいワインがあるのよ。』って、自慢してたからな!」
「興奮してる?落ち着いてよ。」
「とにかく明日だな。」 |