37 風呂
早いもので震災から一週間が過ぎようとしている。ライフラインも復旧し、体育館で生活している人はごくわずかになった。体育館にいる人達は、家屋が全壊したり、ヒビなどが入って、倒壊の恐れがある建物等で立入制限のある人達だ。この人達は来週の入学式には、近くの公民館に振り分けられ移る事になるそうだ。
私は、とりあえずうまい事『真理』として愛子や純に対応出来てると思う。真理の方は時折オネェ言葉になるが、まぁ大丈夫だろう。
震災前の真理は、2階の部屋で寝起きしていたが、『ヒロの腰が良くなるまで。』というのを口実に、同じ部屋で生活する事にした。今後の事など、話す時間を増やすのが目的だ。愛子も純もそれに異論を唱えなかった。
それにしても生理というのは嫌なもんだ…。入れ替わって3日目で生理がきた。幸い真理の生理は重いという事はないらしい。
お風呂に入ったのも3日目で、脱ぐ時は少し照れ臭いというか変な感じだった。とは言っても真理とはエッチはしてるわけで、全身裸というのも免疫がないわけではない。でも『脱がせる』のと『脱ぐ』のは微妙に違う。ブラのホックに手をかけ外すと、プルンと胸が解放された。ショーツも取りお風呂移り鏡の前に腰掛ける。鏡の中を覗くと、裸の真理と目が合った。
長目の髪を洗うのは少し面倒だった。体を洗い湯舟に浸かる。体が小さくなった分バスタブが広く感じた。やはり筋肉質な男の体と違い、柔らかく丸みがある。それに若いから水も弾いている。
風呂から上がりショーツを履くと、なんとも収まりがよいというか、フィットするというか…。そして部屋着を着てバスタオルを頭に巻き部屋へと戻った。
「ちゃんと洗った?」
「まぁ…。」
「そう…。でもなんかショック。」
「何が?」
「普通に裸見られてるって事でしょ…。」
「まぁ…、でもしょうがないだろ。」
「そうなんだけどさ…。」
「慣れるしかないよ。」
「でも体が入れ替わるなんて、まだ信じられない。」
「そうだな…。でもこれが今起きてる現実なわけだし、二人で乗り越えるしかなないよ。」
「うっ…、うん。」
「元気出して!」
「風呂入ってくる。」
「…。」
と風呂へと向かっていった。3月に17才になったばかりの真理が、突然38才のオッサンになったわけで、人生すっ飛ばして性別まで変わったのだから、やはりショックだろう…。 |