31 再会
歩くスピードは大して変わらない。でも、1時間以上歩くなんてないから、俺の体は明日にも筋肉痛になるだろう。いや、筋肉痛になるのは、俺じゃなく向こうだ。
「やっと着いた。」
「疲れたよ。」
「よし。中を見てから体育館に行ってみよう。」
「うん。」
中は純ちゃんが言った通りの状態だ。一通りみたがひどかった。片付けには手間取るだろう。
「よし出るか。」
「しかし、ひどいね。」
「あぁ…、真理よく聞いてくれ。」
「何?」
「体育館に向かうが、これからは他人と接する機会が増える。」
「うん。」
「こっからお前は完全に進藤広志で、こっちは深谷真理だ。」
頷いている。
「男らしくするんだ。特に喋り方だ。」
「おう。」
「その調子だ。町内の人とは話を合わせればいい。ならべく事前に名前を教えるから。」
「分かった。」
「だから、そっちも同級生や知り合いを見かけたら出来るだけ情報をくれ。」
「分かった。」
それから、歩きながら意味もなくお互い何度も呼びあったり、『私さぁ…。』とか『俺が…。』と言ってみてる。
体育館の入り口にはノートがあり、記帳出来るようになってる。な行のページで西田純を探すと記帳されてる。
「お知り合いをお探しですか?」
「はい。」
「名前は?」
「西田純なんだけど…。」
「あぁ西田さんなら、食堂で炊き出しのお手伝いしてる人ですね。」
「手伝い?」
「色々やってくれてます。」
「行ってみます。」
「一応記帳されていきませんか?知り合いの方がみるかもしれませんよ。」
言われるまま書き出した。
「俺の分も書いてくれたのか?」
後ろから言われドキっとした。今記帳してる名前は進藤広志だった。
「当たり前じゃん。」
内心ドキドキだった。そのあとに深谷真理の名前を記帳した。
そこには、おにぎりを握る純ちゃんがいた。
「純ちゃん!」
こっちを見つけて、手を洗いこっちに駆け出してくる。そしてヒロの体に抱きついたのだ。私とヒロは目を合わせた。そして咄嗟にハグのジェスチヤーをしてしまった。そしてヒロは抱きしめてあげてる。純ちゃんとの関係は話しておくべきだった。
「純ちゃん?」
まだ抱きついてる。
「純ちゃん?」
「あっ、ごめん…。」
私は顎を軽く一度突き上げ合図を送った。今の私から話すのは不自然だ。
「ケ…、ケガないか?」
ぎこちない…。純は涙を浮かべてる。 |