28 布団
外からみてもなんともない。
「一応中も見とくか。」
「そうだね。」
中は布団が一組とバケツに雑巾があるだけで、ガランとしてる。
「大丈夫だな。」
「そうだね。」
「よし。帰ろう。」
「うん。」
「ここにはしばらく来れないから、布団は山桃花に持って行こう。」
俺が持とうとすると、
「枕だけ持ってよ。あとは持つから。」
「わかった。」
布団くらいは持てるが、真理の筋力で山桃花まで持つのはしんどいかもしれない。
「店帰ったら、愛子に電話してみよう。」
「まったく…。」
「何?」
「こんな時でも愛子さんとか純ちゃんなんだなぁ〜と思って…。」
「悪い…。」
「いいよ。私達は平気なんだから…、体は平気じゃないけど。」
「ゴメンな…。俺にも入れ替わった事はよく分からない…。」
「そうだよね。」
「頼むよ。広志が大黒柱なんだよ…。」
「頑張るけど…。」
「頼む。」
改めて店の中を見るとひどかった。残った皿やコーヒーカップの方が少なかった。
「まずはテーブルの上に布団を置いて、控え室から片付けよう。」
「うん。」
控え室は3畳のスペースだ。その内一段高くなった所にタタミが2畳ありコタツが机代わりに置いてあるだけだった。
「段ボールは下でいいや!ゴメンやっぱり布団持ってきちゃって!」
「なんだよ。」
「ゴメン。」
それからは下に落ちた鍋やらフライパンを元の位置に戻し、空き段ボールにビニールを入れ、そこに割れた食器を入れていった。カウンターやテーブルの方は、そんなに散らかってなく簡単に片付いた。気が付けば3時近くだ。
「家まで歩いたらどの位かかると思う?」
「電車で10分だよ。歩いたら1時間以上かかるって!」
「そうか…。明日交通機関マヒするかな?」
「どうだろ?」
「歩くか…?」
「明日にしようよ。今、行っても…。」
その通りだ…。
「仮眠しよう。」
「うん。」
「布団使っていいよ。コッチはコタツ布団くるまるから。」
「一緒の布団でいいじゃん!」
「そうか…。」
断るのも変か?考えてもしょうがない…。
「愛子に電話するの忘れた。」
「それも明日にしなよ。」
「分かった…。」
愛子の事は気になる…。居酒屋のバイト中だったろうか…?バイト終わって電車で移動してたかもしれない。想像してもしかたない…。
「寝よう…。」
「うん。狭くない?」
「こんなもんだよ。」
なかなか寝付けなかった。 |