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メビウス ループ
作:優楽



23 純との関係


「もう風俗とか行かないでね。」
「風俗?」
「ロッカーに名刺落ちてたよ。」
「嘘?」
「本当!夫婦に隠し事なしだからね。」
「まだ夫婦じゃないだろ。」
「エッチしたし彼女でしょ?それにプロポーズもしたじゃん!」
 真理は意外にも処女だった。
「そうだけど…。名刺って、キャバクラ時代の純ちゃんのやつじゃなくて?」
「純ちゃん?」
「そう。働いてた時期に『飲み来て。』って呼ばれたんだよ。」
「呼ばれた?」
「お水で働くって大変なんだよ。」
「…。」
「純ちゃんが『お金出すから来て。』って言うんだ。指名がないと売り上げノルマ達成しない、すると時給が下がるんだ。そこで俺が行って指名本数あげるのさ。」
「名刺の名前『ヒナ』だったよ。」
「源氏名さ。」
「源氏名?」
「本名で働くやつなんていないさ。お金のためだけに働くんだ。」
「そんなに借金あったんだ…。」
 純が離婚したての頃は、風俗にいたこともあった。
純が夜遅い時間に入る時は、仕事が終わってから指名してやった。生理的に合わない人の相手をした時などは、うちまで来ては飲みつぶれて泊まっていった。そのうち俺の布団に潜り込み『なんで抱いてくれないの?私が汚れてるから?』などと言われ、店でも最後までさせてもらった事もあって、抵抗なく抱いてしまった。その後も度々うちに泊りに来た。
 純が俺の首からさげてる指輪をつかみ、『私としてる時だけでも、これ取らない?』と言われたが、俺はそれを外せなかった。
『うちの旦那とは違うけど、いなくなった人の事忘れようよ。きっかけにしない?』と言われた時は、いい返事を出来なかった。決して純が嫌いなのではない。
 純が風俗で働いているのが愛子にバレて、泣く泣く実家を処分したのだ。それで風俗辞めてキャバクラに移ったけど、年令的になのか指名が取れず、俺に『飲みに来て。』と電話してきてたのだ。
 結局あまり稼げず、俺が愛子にあげたお金で借金を完済し、そこからも足を洗えたのだ。だが純は俺があげたお金だと知ると、山桃花を辞めて、愛子と同じ派遣で働くと言い出した。だが中々代わりの人が見つからず、暇そうな真理に『夕方だけでも…。』と、声をかけたのだ。
 俺は返さなくていいと言ってるのだが、『もらっていい額じゃないから、絶対返します。』と言うのだ。幸太も『俺が返す。』と言ったが、あいつの商売こそ水物だ。律儀な家族だ。












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