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メビウス ループ
作:優楽



22 hiro


 レッジーナで食事したあとに真理の家に寄った。俺は17年前にここにいた…。リフォームすればまだ住めそうだが、しょうがない。
「真理とりあえず幸太の部屋でいいか?」
「えっ?一緒の部屋でいいよ。」
「愛子と純ちゃんに気を使わせるな。」
「せっかく一緒に住めるってなったのに…。」
「いい忘れたが俺は健二と約束してるんだ。愛子達を頼まれてる。」
「私のお父さんともね。」
「あぁそうだ。」
「わかった。二人とも知らない仲じゃないしね。」
「助かるよ。」
「うん。」
「真理。」
「何?」
「生活苦しかった?」
「ちょっと前から仕送り無かったしね…。」
「なんで言わなかった。」
「時給もそこそこだったし、店でご飯食べれるし、水道高熱費くらいだから、払えたし。」
「気付かなくて悪かった。」
「それよりお願いあるんだけど。」
「何だ?」
「私まだ『好き』って言われてない。」
「言って欲しいのか?」
「そりゃまぁ…。」
 俺は真理をギュッと抱きしめて、
「好きだ。」
「私も…。」
 と言って抱きしめかえしてきた。しばらくそのままだったが、
「ねぇ、」
「うん。」
「キスしてよ。」
 言われるままにキスをした。
「そうだ。」
「何?」
「目つぶって。」
「今キスしたじゃん!」
「いいから。」
「分かった。」
 シルバーの安物を真理の左の薬指にはめた。真理は途中から目を開けて、
「何これ?」
「まさか今日プロポーズすると思わなかったから、この間の安物だけど我慢してくれ。」
「うれしい。」
「よかった。やっぱり似合うよ。」
「…。」
「どうした。」
「なんでもない。」
「文字なら彫ってあるぞ。」
「本当?」
「あれっ。」
「どうした?」
「外れない。」
「マジ?」
「んーっ、抜けたーっ。」
「よかった。」
 マジマジと読んでる。
「ま・り・あんど・ひ・ろ・し」
『mari&hiroshi』と彫ってもらった。
「真理&マスターにしようか迷ったんだけど。」
「やだそんなの!これがいい!」
「よかった。」
「お姉ちゃんにはヒロって呼ばれてたの?」
「いや、一度もないよ。」
「本当はそうやって呼びたかったのかなぁ?」
「どうだろう…?」
「きっとそうだよ。」
「そうか…。」
「ヒロ!」
「…。」
「これから『マスター』って呼ぶのは止める。」
「好きにしろ。」
「ヒロ!」
 俺はもう一度キスをした。












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