20 予期せぬ訪問
栗原と里沙はしばらくして帰った。
「広志くんさ、本当に真理お嫁にするの?」
「なんで?本当は反対なの?」
「いや、そしたら私達出ていかなきゃなと思って…。」
「そんな先の事考えるな。それに真理と一緒が嫌なら、俺が真理のとこに転がりこむさ。」
「嫌じゃないけど、お邪魔じゃない?」
「大丈夫だよ。愛子だって真理の事、娘くらいにしか思ってないだろ。」
「まぁ…。」
「でも愛子は甘かったからな。」
「広志くんほどじゃないから!」
「そうか?」
「そうよ…。」
「今日夜仕事は?」
「休みにしてもらった。今晩何食べる?何か作るよ?たまには料理しないと腕がにぶるから。」
「悪い、今晩真理と食事に行く事になってて。」
「そうか誕生日だもんね。」
「ゴメンな。」
「何言ってるの?将来嫁にするんでしょ?」
「まだ先の事だって。」
「年の差21って犯罪だよ。」
「それ言われると辛い。」
「冗談よ。」
そこで真理から電話が入った。
「学校終わったから寄っていい?」
「あぁ、寄んなよ。」
「里沙さんっている?」
「さっき帰った。」
「残念。」
「なんだ会いたかったのか?」
「母校の出身の芸能人だよ。一度は会いたいよ。」
「幸太だってそうだろ。」
「そうだけど。」
「いいから、来るなら来い。」
「うん。」
電話を切ると、
「真理?」
「あぁ。」
「それじゃ私もたまには外食でもしてこよっと。」
「おい。」
「一人で行けるとこは『シチリア』くらいだからかぶらないでよね。」
「お気遣いありがとう。」
ピンポーンと呼び鈴がなった。
「早いな。」
「きっと途中で歩きながら電話したんだよ。」
「開いてるぞー。」
「入ってこないね?」
「ちょっと見て来るよ。」
ドアを開けるとそこには真理の母親が立ってた。
「深谷さん…。」
「ご無沙汰してます。」
そこに後ろから愛子が出てきた。
「おばさん…。」
「あらっ、お邪魔かしら?」
「いえ、どうぞ…。あがってください。」
「お邪魔します。」
「どうしたんですか急に?」
「店行ったら休みだし、愛子ちゃんのアパート行ったら留守だったので、寄ってみました。」
「すみません私達先に墓参り行っちゃって…。」
「えっ?墓参り?」
「ええ桃子の命日ですから…。」
「そう…。」
「墓参りに来たのでは…。」
「いや…。今日は別の話で…。」
薄情な親だ。 |