17 モテた?
桃子の墓参りは愛子と栗原そして、平田里沙が来た。里沙はバツ1子持ちのはずだ。桃子の母親が墓参りに来るのはお盆くらいだ。真理は次の土曜に行くと言ってた。
「里沙久々だな。」
「お久しぶりです進藤先輩。」
「そろそろ先輩は止めねぇ?卒業して20年だよ。」
「いや、いいじゃないですか?進藤先輩としか呼んだ事ないですし。」
「いいけど。」
「でも広志くんは呼ばれ方色々だよね。」
「ん?」
「『広志くん』に『進藤先輩』に『進藤さん』に『マスター』だよ。」
「確かに。」
「逆に私と里沙が名前で久美と栗が名字で呼ばれてる。」
「呼ばれるのは分からないけど呼ぶのは説明がつく。」
「どんな理由?」
「俺が桃子と付き合っている時、会話の中で桃子がそうやって呼んでたのさ。」
「なるほど…。」
「栗原はバスケ部入って即レギュラーだったろ。その印象が強くて、名字がインプットされてるからじゃないか。」
「久美は?」
「高校の時は4人ほど目立ってないから…。」
本当はしっかり覚えてるけど。
「そうだ。私がまだ店手伝ってた頃にはじめて店に来て、『新井です。ご無沙汰してます。』って言われた時、『どちらの新井さんですか?』って本気で聞いたでしょ?」
ランチの忙しい時で顔を見る余裕が無かっただけだ。
「そんな事あった?」
「あれ、かなりショック受けてたよ。」
「久美って先輩の事好きだったんですよ。」
と里沙が言うと、
「あれ?里沙は?」
と栗原が言うのだ。
「えっ?何、里沙も広志くん好きだったの?」
初耳だ。
「栗どうなの?」
「里沙時効じゃない?」
「…。そうね時効ね。私も先輩の事好きでした。」
「私の回り3人ともかぁ〜。」
「あの頃って女同士で誰が好きって話になると、先に言ったもん勝ちみたいとこあるじゃん。」
「そうだね。」
「久美に相談されて…、その事栗に相談して…。結局、久美は告白もせず気付いたら桃の彼氏だったし。」
「完全な出遅れだ。」
「しかし広志くんモテるね?里沙はどこが良かったの?」
「おい愛子、本人の目の前でお互い恥ずかしいだろ。」
「覚えてないかもしれないけど、ポジション一緒でよくアドバイスくれたんですよ。めちゃくちゃ優しかったし。」
「そうだった?」
「ふ〜ん。ところで栗は誰好きだったの?」
「えっ?」
「まさか栗も?」
「違うから!」 |