第41話:イヴに起きた殺人
12月24日、クリスマスイヴ。
コナンを除いた少年探偵団のメンバーは、明日のクリスマスパーティの準備に向けて東都デパートに買い物に来ていた。
「何か物凄く混んでるね」と歩美。
「皆、クリスマスの準備とかで集まったお客さんたちではないでしょうか?」と光彦。
「しかもその客の殆どがバカップル。暑苦しいわね」と毒舌の美幸。
「美幸ちゃん、そんな事言わないの」と歩美が注意する。
「お黙りなさい、おかっぱ頭」
途端、歩美の心にグサグサッと槍が数十本程刺さった。
(お、おかっぱ頭・・・)
おかっぱである事を気にしている歩美は、俯いてしまった。
その後ろで光彦が、
「気にする事無いですよ、歩美ちゃん」
と彼女を慰める。
「光彦の言う通りだぜ」
と続いて元太が言った。
「江戸川さん、今のは流石に可哀想なんじゃない?」
そう言ったのは、美幸の右隣を歩く灰原だった。
「あ、哀ちゃん、別に良いよ。事実なんだし」
その時、光彦が「あ!」と声を上げた。
「どうしたの?光彦くん」と訊ねる歩美。
「皆さん、あれを見て下さい!」
光彦はそう叫び、人集りが出来ている所を指差した。
皆がそれに従う様に、顔をそこに向ける。
その光景に違和感を覚えた美幸は、その人集りの下へとダッシュして。
人集りを掻き分けて中へと入って行った。
「どうかしたんですか?江戸川さん」
と言う光彦の声と共に本人、灰原、歩美、元太が入って来た。そして──
「きゃあああああああ!」
人集りの中央で胸にナイフを突き立てて横たわる。
女の屍を見た歩美が。
甲高くそして大きな悲鳴を上げた。
美幸は遺体の下に駆けて脈と呼吸を確認した。が、既に事切れていた。
「円谷くん、大至急警察に電話を」
言われて光彦は「は、はい!」と公衆電話を探しに駆け足で去って行った。
それと入れ替わりに、騒ぎを聞き付けた警備員が人集りの中に入って来た。
「ほら君、離れて!」
と警備員が、遺体を触っていた妙な少女を遺体から無理矢理離した。
「えーと皆さん、警察が来る迄、此処から動かない様お願いします!」
警備員はそう言いつつ、人集りを遺体から少し離れさせた。
*
公衆電話を探しながら店内を走り回っていた光彦が、中々それが見付からなくて途方に暮れていると、偶々通り掛かった従業員が声を掛けた。
「ぼく、何か探してるの哉?」
その問いに光彦は困った表情で訊ねる。
「公衆電話は何処にありますか?」
光彦の言葉に、従業員は一瞬顔をしかめて、彼の耳元で囁いた。
光彦は驚いた表情で従業員を見つめる。
*
「遅ーい!」
と人集りから少し離れた所で、光彦の帰りを待っていた美幸が地団駄を踏んだ。
「全く、何処で何してんのよあの雀斑は!?」
「まあまあ、落ち着いて。美幸ちゃん」
と歩美が宥めるが、美幸の怒りは治まる所か、更に増す一方である。
「ああもうっ、ムシャクシャする!一寸あんたっ、そこに立ってサンドバックに成って頂戴!」
美幸は元太を睨みながら、何も無いただの壁を指差して怒鳴り付けた。
「な、何で俺が!?」
「あんたみたいなデブがサンドバックには丁度良いのよ」
「巫座戯んな!」
と睨み返す元太。今にも喧嘩が始まりそうである。
「一寸二人とも、落ち着いて頂戴」
言って灰原が、二人の間に入ってきた。
灰原に宥められ、美幸は仕方なく冷静に成る事にした。
それから数分が経過した頃、光彦が刑事っぽい男を連れて来た。
「すいません、遅くなって」
「何やってたのよ、雀斑」
グサッと光彦の心に槍が刺さった。
「で、現場は?」
と刑事っぽいのが訊ねると、
「あっちです」
光彦が案内した。
美幸は自分の前を横切る刑事を疑問視した。
(あの人、刑事なのか?)
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