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兎に角ハイテンション状態です。


名探偵コナン
作:Daisy Wig



第40話:ピッチピチの二十歳に好かれた小五郎と変声機の無い推理


「何だって!?」
 高木の感嘆の声に美和子は、
「どうしたの?高木くん」
 と訊ねた。
 高木は美和子に美幸が言った事をそっくりそのまま伝えた。
「何ですって!?」
 美和子はしゃがんで美幸を見つめ「本当なの?」と訊く。
 美幸は首を縦に振った。
 美和子は立ち上がり、高木に交遊関係を洗いに行かせた。
 それから数十分が経った頃、被害者をよく知る二人の男性を高木が連れて来た。
 左から赤坂 達郎あかさか たつろう御際 隆弘みぎわ たかひろだ。
 この二人には、事件当時のアリバイが有る。
 赤坂はデパート付近のある喫茶店でアルバイトをしており、従業員が証明。御際はデパート付近のパチンコ屋で楽しんでいた。
「高木くん、一寸待って。赤坂さんは兎も角、パチンコでは御際さんのアリバイは証明出来ないわよ」
「いえ、それが、証明出来ちゃってるんです」
はぁ?──と美和子は目を点にした。
 その時、高木の後ろからある人が顔を出した。それは毎度お馴染、迷探偵めいたんてい毛利 小五郎もうり こごろうだった。
「あ、チョビ髭」と美幸。
「んだとコラァ!?」
 小五郎はまるで汚い物を見るかの様な目で自分を見ている美幸を睨み付けた。
「ってお前・・・コナンの・・・。こんな所で何してんだ?」
「服を買いにきたのよ。あの出来損ない弟と一緒に」と美幸はコナンを指差した。
 小五郎がコナンを見る。
「そしたら、偶々事件に巻き込まれたって訳。て言うかオッチャンこそ何で?」
「あぁ?俺はパチンコやってたら偶々高木の奴がやって来て事件だって言うから・・・ってそれはどうでも良い。ガキは引っ込んでろ」
ピキッ!──美幸は後頭部に怒りマークを付けて小五郎の足を踏み付けた。
「ぎやぁー!」
 小五郎は悲鳴を上げて片足を掴んで飛び跳ねた。
「高木くん、彼が御際さんのアリバイを証明しちゃってる訳?」
「そうなんですよ」
はぁ・・・──美和子は溜め息を吐いた。
「それで、被害者は?」
 小五郎の問いに美和子は、
「もう運んだわ。被害者は大道寺 幹夫だいどうじ みきお32歳。額を拳銃で一発撃ち抜かれて即死。第一発見者は彼女よ」
 言って美和子は畑地 真衣を指差した。
 小五郎は畑地を見ると、
「うぉっ、びっじーん!」
 と鼻の下を伸ばした。
 呆れる美和子。
 小五郎は畑地の下に駆け、声を掛けた。
「あなたが第一発見者ですね」
「そうですが。あなたは?」
「毛利 小五郎です。以後、お見知りおきを」
「ああ、あの宇宙飛行士の」
「そうです、ってそれは毛利 衛もうり まもるだ!私は探偵の毛利 小五郎です」
 小五郎が乗り突っ込みをすると、畑地はクスクスと笑った。
「嫌だなぁ、そのぐらい知ってますよ。私、毛利さんの大ファンなんです。握手して下さい!」
 畑地は小五郎に握手を求めた。
 小五郎は畑地の手を握った。握手成立。
「キャー、嬉しいなぁ。憧れの毛利さんと握手してしまいました」
 畑地はハイテンションに成った。
「そうだ。毛利さんって、今独身ですよね?もし宜しければ私と結婚を前提にお付き合いして頂けませんか?」
 畑地のその大胆な発言にコナン、美幸、美和子、高木の四人は「おい!」と揃って発した。
「そうですね、考えておきます。所で、事件についてなんですが」
「良いお返事期待してますよ。えっと、事件の事なら先刻、刑事さんたちにも話したのですが──」
 畑地は事件の事について、小五郎に詳しく話した。
 小五郎は高木の下に移動した。
「高木、先刻言ってた強盗殺人の事なんだが、この事件と結び付けて良いんだな?」
「ああ、その事ならあの娘に聞いて下さい」
 言って高木は美幸を示した。
「先程の事件とこの事件が同一犯の犯行だと言ったのはあの娘なんです」
「何だと?」
 小五郎は美幸に歩み寄って真偽を問う。
「私が嘘吐いてどうすんのよ?」
 美幸は小五郎を睨んだ。
「いや、解った解った。その考えで捜査をしよう」
 言って小五郎は考え始めた。
「あーっ!」
 小五郎は何かを思い出し、御際の方を向いて近付いた。
「おい御際、お前確か、パチンコの最中に一度席離れてないか?」
「嫌だな毛利さん、俺を疑ってんすか?」
「他に誰を疑えって言うんだよ?」
「ちょ、一寸待って下さいよ毛利さん。確かに一度、俺は15分くらい席を離れてますが、あれはトイレへ大きいのをしに行っただけです。それに15分で此処まで来て強盗やってまたパチンコ屋に戻るなんて無理ですよ」
「そうか。じゃあ犯人はお前だ!」と赤坂を指差す小五郎。
 赤坂は驚いて軽く身を引いた。
「待って下さい毛利さん。彼にはアリバイがあります」
 そう言うのは高木だ。
「そうか。じゃあ疑いたくは無いが、君が犯人だ」と畑地の方を向く小五郎。
 その様子を傍らで見ていたコナンは、麻酔銃を構えた。そして小五郎目掛けて発射、しようと思った瞬間、別の場所から麻酔銃が放たれ、小五郎の首筋にヒットした。
「ふがっ!?」
 強烈な睡魔に襲われた小五郎は、蹌踉めきながら空車スペースの縁石まで後退してそこに座り込み、完全に夢の世界に旅立った。
(えっ・・・?)
 コナンは小五郎の後ろを見た。そこには美幸がいた。
(あの馬鹿、変声機無しにどうやって!?)
 美幸はコナンの方を向くと、任せといて、と目で合図した。
「も、毛利さん、まさかいつものアレが来たんですか?」
 と高木が訊ねる。
「え、もしかして推理ショーが始まるんですか?」と小五郎にお熱の畑地。
「それが噂の眠りの小五郎ですか」
 そう言うのは御際だ。
「御際、やっぱりお前だよ犯人は」
 と美幸は御際を顧みながら、小五郎の声で言った。
(おいおい、嘘だろ?あいつ、変声機も無しに他人の声をいとも簡単に・・・)
 とコナン。
「ちょ、何言ってるんです?俺言ったじゃないすか。15分じゃ無理だって」
「無理じゃねえんだよ」
「な、何寝惚けた事。いくら何でもあそこから此処まで来るのに1時間半以上は掛かるじゃないですか」
「確かに、パチンコ店から此処に着くまで片道最低でも大体1時間半は掛かる。だがそれは飽くまでも徒歩での計算。車を使えば15分で往復出来るんだよ。それにあんた、何故此処で強盗事件が有った事を知ってるんだ?」
 御際は焦り、冷や汗を掻きながら言う。
「そ、それはあれだ!毛利さんが刑事さんと話してるのが聞こえたんすよ!」
「俺そんな事言ったか?高木」
「いえ、言ってません。僕と話したのは、強盗事件とこの駐車場の殺人事件を結び付けて良いかどうかと言う事で、此処デパートで強盗が起きたとは一言も」
「だとよ。どうなんだ御際?」
「・・・・・・」
 御際は沈黙した。
「認めるんだな?」
「違うっ、俺じゃ──」
 御際が言い掛けたその時、
「犯行に使ったエスティマは今、何処にあるんだ?」
 と美幸が遮って言った。
「何言ってんすか毛利さん!?俺が使ったのはパジェロですよっ、パジェロ!間違えないで欲しいな!」
「パジェロなんですか?」
(しまった!)
 だがもう遅い。
 御際はその場に膝を着いた。
「俺の敗けだ。あんた凄えよ・・・」
 高木は手錠を取り出し、御際に近付いた。
「何てな!俺はこんな所で捕まったりはしねえ!」
 言って御際は素早く立ち上がり、拳銃を取り出した。そして側にいた畑地を人質にした。
 畑地のコメカミに銃口が突き付けられる。
 美幸はコナンに、麻酔銃を撃て、と目で合図した。
 コナンは麻酔銃を構え、御際を狙った。
パシュッ!──麻酔針が一本、腕時計から放たれた。
 チクッと御際の頬に当たり、御際を夢の世界に誘う。
 御際はその場に倒れ、いびきを掻き始めた。
 その後、御際は警察によって連行され、事件は幕を閉じた。
 美幸はコナンにウィンクをした。
「うーん・・・」
 小五郎が目覚め、大きな欠伸と共に伸びをして立ち上がって疑問符を浮かべた。
「毛利さん!」と畑地が駆け寄ってきた。
「私、毛利さんの推理に心惹かれました!」
「ああ?」
「ですから私、これから毛利さんのお側にいたいと思います!私を毛利さんの助手にして下さい!」
お願いします!──畑地は深く頭を下げた。
「後で俺の事務所へ来い」
 言って小五郎は去って行った。
 畑地は更に機嫌が良く成った。
「なあ、あの声どうやって出したんだ?」
 疑問に思ったコナンが美幸に訊ねた。
「知りたい?」
 コナンは教えてくれと言わんばかりの顔で頷いた。
「うーん、ナ・イ・ショ」
 言って美幸は去って行った。
「待てよ」と後を追うコナン。
「教えてくれたって良いじゃねえかよ?」
「イ・ヤ・ダ」
「ケチ!」
「どうせ私はケチですよーだ」












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